抗生物質 抗生剤 抗菌薬とは?その種類と副作用 耐性菌の問題について

抗生物質・抗生剤・抗菌薬とは何か、種類や副作用、耐性菌の問題について解説します。

抗生物質

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抗生物質とは?

抗生物質は細菌を殺したりその増殖を抑える為の薬です。
ウィルスと細菌が混同されることがありますが、抗生物質はウィルスには効き目がありません。

世界最初の抗生物質となったものが「ペニシリン」です。
ペニシリンはカビが細菌に対抗する為に発する物質でした。

発見されてから抗生物質として精製されるまでは困難を伴いましたが、戦場で傷ついた兵士を感染症から救う為に急ピッチで研究が行われ、やがて実用化されるに至りました。

かつて日本で猛威を振るった結核も抗生物質のおかげで死病ではなくなり、平均寿命が急激に伸びたと言われています。

抗生物質と抗菌薬の違い

抗生物質はもともと微生物によって生産された物質であるのに対して、抗菌薬は抗生物質に加えて化学的に合成された薬も含みます。

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抗生物質の種類

ペニシリンの発見から現在に至るまで抗生物質の種類は3,000を越えると言われています。
つまり対処する細菌ごとに効果がある抗生物質は異なるということです。
現在医療の現場では数十種類の抗生物質が使用されています。

抗生物質は大別すると以下のような種類があります。

細胞壁合成阻害薬

β-ラクタム系(ペニシリン系など)、グリコペプチド系(バンコマイシン)、ホスホマイシン系など。

これらは細菌の外側の壁(細胞壁)に作用し、壁を作らせないようにすることでその細菌を破壊します。

タンパク質合成阻害薬

マクロライド系、アミノグリコシド系、テトラサイクリン系など。

リボソームという細胞内に存在するタンパク質を合成するための器官があります。
このリボソームの働きを妨害することでタンパク質の合成を抑制します。

核酸合成阻害薬

キノロン系 、リファンピシンなど。

これらはDNAやRNAといった核酸の働きを妨害し、タンパク質の合成を抑制します。

葉酸合成阻害

サルファ剤など。

細胞分裂には葉酸が必要です。この葉酸の合成を阻害することで細菌の増殖を抑えます。

抗生物質(抗菌薬)の副作用

抗生物質の種類により異なりますが、ターゲットとする細菌以外の常在菌などを殺してしまうことで様々な副作用が起こり得ます。

抗生物質というと、後述する耐性菌のことが大きく取り上げられますが、常在菌(特に善玉菌)を殺してしまうという事がいかに体にダメージを与えるかをもっと重要視したほうがよいでしょう。

主な副作用

下痢、胃腸・肝臓・腎臓障害、耳鳴り、けいれん、アレルギー反応、歯の着色、だるさ、眠気、カンジダ等の感染症、かゆみや湿疹等。

耐性菌の問題

細菌

副作用と共に大きな問題となるのが耐性菌の問題です。
これは細菌に対して同じ抗生物質を使い続けると、細菌がこれに対抗する能力(耐性)を身につけてしまうというものです。

新しく出現した耐性菌に対抗する為に、更に新たな抗生物質を開発するというイタチごっこが繰り返された結果、薬では対抗できない難治性の病気が増えつつあります。

安易に抗生物質の投与を行うことは非常に危険なことだということが分かりますが、目先の治療に囚われると抗生物質を使いたくなる誘惑に駆られることも理解できます。

これらの現象は薬では病気を根治治療できない、ということを暗示すると共に、本当の健康を考えた場合、安易に薬に頼ることが実は体に害を与えている可能性があるということを知る良い見本でもあると思います。

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こちらも参考にしてください。
抗生物質(抗生剤)の副作用とは?原因不明の病気は抗生剤のせい?

参考文献

「薬は体に何をするか」
矢沢サイエンスオフィス 著

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