虫垂炎とは 盲腸を散らす?原因 症状 治療 手術 抗生剤などについて

虫垂炎と盲腸、盲腸炎についてや虫垂の役割、急性虫垂炎の手術、抗生物質・抗菌薬・抗生剤の使用などについて解説します。

虫垂炎・盲腸

虫垂炎、盲腸、盲腸炎という言い方について

盲腸や盲腸炎という言い方は正式な呼び名ではありません。
盲腸というのは大腸の始まり部分のことを指し、ここに炎症が起こった場合は大腸炎ということになります。一般に盲腸と言われる病気は虫垂に起こる虫垂炎のことです。

虫垂とは?虫垂の役割について

大腸

虫垂とは盲腸から出るヒモのような突起ですが、リンパ組織の集まりで、実は大きな役割があることが近年分かってきました。

それ以前は無用の長物のように扱われ、何らかの病気で開腹手術を行った際に、「ついでに切っておきましょうか?」と虫垂炎でも無いのに切られてしまうこともありました。

現在はそのようなことは無いと思いますが、病気でもないのに医者に虫垂を切っておきましょか、と言われたら必ず断ってください。そしてその病院にはもう行かないほうがいいでしょう。

強力な免疫組織である虫垂

虫垂のリンパ組織は免疫細胞の活動の場であり、病原体や有害物質を撃退する為の拠点となっています。

口や喉にワルダイエル咽頭輪という扁桃組織があり細菌やウィルスから身を守っていますが、ちょうどそれと同じような働きをしています。

また、消化器官としても重要な役割があるという説もあります。
小腸で消化できなかった食物繊維などをここでできるだけ分解しておくという働きをしています。

虫垂を切除後は大腸がんになる可能性が高くなる

虫垂が役立っていることを示すデータとして、虫垂を切除後の3年間は大腸がんになるリスクが2.1倍になるというものがあります。
(2017/3/8放送「ガッテン!」より)

3年が経過すると、虫垂を切除したことに体が対応し、このリスクはなくなるようです。

急性虫垂炎とは

虫垂が糞石(ふんせき:食事の残りかすや消化液などが消化管内で固まって石のようになったもの)や食べかす等で塞がれ、そこに細菌やウィルスに感染することで起こります。

10~20歳代に多くみられますが、それ以外にも幅広い年代で生じます。

消化管穿孔や膿瘍形成などの合併症を引き起こすこともあります。

急性虫垂炎の原因

便秘や腸内の悪玉菌増殖、ストレスによる免疫低下などが原因と考えられています。

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急性虫垂炎の症状

典型的な症状のパターンは、最初に心窩部痛(しんかぶつう:みぞおち周辺の痛み)があり、食欲不振、悪心(気持ち悪くなること)、嘔吐などがあり、その数時間後に右下腹部に移動が生じる、というものです。37~38度程度の発熱を伴うことも多いです。

ただしこのようなパターンに当てはまらないものも多くあります(特に小児や高齢者)。

手で触ったときに反跳痛(はんちょうつう)が起こることも特徴です。
反跳痛とは腹部を手で押したときよりも、手を離すときに痛みが強くなるという現象です。

急性虫垂炎の治療

軽症の場合、抗菌薬(抗生剤・抗生物質)の投与や絶食による保存的治療が行われます。
俗にいう「盲腸を散らす」とはこのことです。

前述したように虫垂には重要な役割があるので、以前よりも保存的治療で治そうとする傾向は強くなっています。

症状が治まっても、切らずに済むようにする為には食事による腸内環境の改善も重要になってきます。

急性虫垂炎は進行すると穿孔(せんこう:穴があくこと、消化管穿孔)を起こすこともあるので、そうなった場合やそうなる危険がある場合は手術が行われます。

穿孔が起こった場合、急性腹膜炎が引き起こされます。

また膿瘍(のうよう:局所的な化膿)が形成された場合も手術が必要となります。

水の摂取量を見直す

水の摂取が足りないことが原因でこの病気が起こっている可能性もあります。

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食生活を見直す

腸内細菌がこの病気に関わっている可能性が高いので、予防する為あるいは薬で散らしている人は食事を改善することが発症防止につながります。

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参考文献

「病気がみえる 〈vol.1〉 消化器」
医療情報科学研究所 (編集)

「腸が寿命を決める」
澤田 幸男、神矢 丈児 著

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