肺真菌症 肺アスペルギルス症 ニューモシスチス肺炎について

肺アスペルギルス症、 ニューモシスチス肺炎等の肺真菌症の原因、症状、治療について解説します。

真菌(きのこ)

真菌と真菌症

真菌とはカビや酵母、きのこ類などの真核生物のことです。(細菌は原核生物)
人に病気をもたらすのはそのうちのほんの一部です。

真菌症は次の3つに分けられ、肺真菌症深在性真菌症に分類されます。

表在性真菌症

皮膚や粘膜、爪に生じます。

深部皮膚真菌症

真皮および皮下組織に生じます。

深在性真菌症(内臓真菌症)

肺や腸管など全身の各臓器に生じます。

肺真菌症とは

肺真菌症とは真菌による肺の感染症です。
肺アスペルギルス症、肺クリプトコックス症、肺ムーコル症、ニューモシスチス肺炎、肺カンジダ症などがあります。

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肺アスペルギルス症

肺真菌症の中で最も多いものが肺アスペルギルス症です。
空気中に浮遊するアスペルギルス属が原因真菌です。

健康な人がこの病気にかかることは滅多になく、他の病気にかかっていたり免疫力が低下していることにより発症します。

肺アスペルギローマ

慢性に経過する肺アスペルギルス症です。
肺や気管支に空洞病変が存在し、そこにアスペルギルス胞子が侵入、増殖します。

肺結核肺線維症、気腫性肺嚢胞、サルコイドーシスなど空洞病変ができる病気にかかっている人に多くみられます。

肺アスペルギローマの症状

無症状、または、発熱、咳、喀血、血痰などです。

肺アスペルギローマの治療

根治のためには外科的切除を行います。

高齢などで手術が不可能の場合は、抗真菌薬による薬物療法が行われます。

慢性壊死性肺アスペルギルス症(CNPA)

主に肺アスペルギローマが進行して空洞の拡大が起こります。
それ以外にも肺結核、肺線維症などの空洞病変から起こる場合や、慢性腎不全糖尿病、長期ステロイド投与中の患者など免疫力が低下している人に多くみられます。

慢性壊死性肺アスペルギルス症(CNPA)の症状

痰や血痰、発熱、咳などです。

慢性壊死性肺アスペルギルス症(CNPA)の治療

抗真菌薬の投与が行われます。
(抗真菌薬の投与が必要な慢性肺アスペルギルス症をCNPAと呼びます)

侵襲性肺アスペルギルス症

急性に進行増悪する肺アスペルギルス症です。
白血病、HIV感染者、ステロイドや免疫抑制剤の投与中の人に多くみられます。

侵襲性肺アスペルギルス症の症状

発熱、咳、血痰などです。

侵襲性肺アスペルギルス症の治療

抗真菌薬の投与が行われます。

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ニューモシスチス肺炎

主に免疫不全に陥っている患者に酵母真菌であるニューモシスチス・イロベチーが感染することにより引き起こされる肺炎です。

HIV感染者、白血病、膠原病、ガンなどの疾患がある人や、臓器移植、骨髄移植、ステロイドや免疫抑制剤などの使用で免疫力が低下した人に多くみられます。

ニューモシスチス肺炎の症状

急な発熱、乾いた咳、呼吸困難などです。

ニューモシスチス肺炎の治療

薬物療法として抗菌薬(ST合剤など)が投与されます。
HIV感染者で呼吸状態が悪い場合、ステロイドが併用されます。

参考文献

「病気がみえる vol.4 呼吸器」
医療情報科学研究所 編集

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