血液型不適合妊娠の原因、症状、治療について

血液型不適合妊娠(ABO式血液不適合妊娠、RH式血液不適合妊娠)の原因、症状、治療について解説します。

Rh(-)

血液型不適合妊娠とは

血液型不適合妊娠とは母親に存在しない血液型抗原が胎児に存在するというものです。

主なものに、ABO式血液不適合妊娠、Rh式血液不適合妊娠があります。

ABO式血液型不適合妊娠

ABO式血液型不適合妊娠の原因

母親がO型で子供がA型またはB型の場合に起こります。

O型の血清中に抗A抗体と抗B抗体が存在することが原因です。

ABO式血液型不適合妊娠の症状

胎児に軽い貧血がみられる場合がありますが、ほとんどの場合、母子共に無症状です。

ABO式血液型不適合妊娠の治療

病状は軽いことが多く、ほとんどは光線療法で治療できます。

光線療法は、胎児の皮膚に緑色光を当て、光のエネルギーによって皮下の間接ビリルビンを水溶性に変化させるという治療法です。これにより血中ビリルビンを体外に排出させることができ黄疸は改善されます。

Rh式血液不適合妊娠(D型不適合妊娠)

赤血球にはC、c、D、E、eの5つの抗原が存在します。Rh式血液型ではD抗原を持たないものをRh(-)、D抗原を持つものをRh(+)と分類します。

Rh式血液不適合妊娠(D型不適合妊娠)は、Rh(-)の女性がRh(+)の子供を妊娠した場合に起こるものです。

胎児貧血や新生児溶血性疾患などが起こります。

Rh式血液不適合妊娠(D型不適合妊娠)の原因

多くは2回目以降の妊娠で起こります。

1回目の妊娠で胎児がRh(+)の場合、胎児のD抗原が母体内に流入します。妊娠中に胎盤の亀裂から流入したり、分娩時に胎盤が剥離する際に流入します。

このとき主に抗体であるIgMが産生されD抗原を記憶しますが、IgMは分子量が大きいため胎盤を通過できず免疫反応は起こりません。

2回目以降の妊娠では、胎児のD抗原に対して抗D抗体であるIgGが速やかに産生されます。IgGは胎盤から胎児に移行し免疫反応を起こします。

抗体や抗原についてはこちらを参照してください。
免疫とは?自然免疫と獲得免疫 免疫細胞の働き 炎症とは何か等について

RH式血液不適合妊娠(D型不適合妊娠)の症状

胎児の赤血球は脾臓で破壊され貧血が起こります。(溶血性貧血:溶血は赤血球が破壊されること)
貧血が進むと最終的に胎児水腫となり、全身の浮腫、心不全、肝腫大、羊水過多などが起こります。

無事出産できても新生児溶血性疾患として黄疸、核黄疸(ビリルビン脳症:けいれん、発熱、脳性麻痺、聴覚障害、精神遅滞等)などが起こります。

RH式血液不適合妊娠(D型不適合妊娠)の治療

貧血の程度が軽症の場合、経過観察となります。

重症の場合や胎児水腫の場合、輸血が行われます。

新生児黄疸に対しては光線療法が行われます。

出生児がRh(-)で母親が未感作の場合、次回妊娠時の感作を予防するため、抗Dヒト免疫グロブリンが投与されます。

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参考文献

「病気がみえる vol.10: 産科」
医療情報科学研究所 (編集)

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