脳膿瘍 単純ヘルペス脳炎 プリオン病の原因 症状 治療について

脳膿瘍、単純ヘルペス脳炎、プリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病[CJD]、クールー病)の原因、症状、治療について解説します。

脳

脳膿瘍とは

脳膿瘍(のうのうよう)は、細菌などの感染により脳内に膿(うみ)が溜まる病気です。

前頭葉~側頭葉に多く起こり、患者は男性が多いです。

脳膿瘍の原因

中耳炎副鼻腔炎、先天性心疾患、感染性心膜炎などが原因となることが多いです。

原因菌としてレンサ球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌などが多く、嫌気性菌、真菌などの場合もあります。

脳膿瘍の症状

発熱、頭痛、けいれん、巣症状(そうしょうじょう:その部位が担っている機能が障害されることで起こる言語障害や感覚障害などの様々な症状)などが起こります。

脳膿瘍の治療

抗菌薬、抗脳浮腫薬(ステロイド、グリセロール)などが投与されます。

膿を排出するため、膿瘍ドレナージが行われる場合があります。

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単純ヘルペス脳炎とは

単純ヘルペスウイルス(HSV)により引き起こされる脳炎です。

あらゆる年代で起こります。

単純ヘルペスウイルス(HSV)

単純ヘルペスウイルスには1型(HSV-1)と2型(HSV-2)が存在します。

初感染後に神経節に潜伏し、免疫低下時に再活性化し(回帰感染)、再発を繰り返します。

1型は回帰感染で幼児や成人の脳炎を引き起こし、2型は初感染で新生児の脳炎を引き起こします。

単純ヘルペス脳炎の原因

単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)は接触感染が原因となり、初感染では口唇ヘルペス、歯肉口内炎、性器ヘルペス、角膜ヘルペスを引き起こす場合があります。

その後三叉神経節に潜伏し、回帰感染で単純ヘルペス脳炎を引き起こす場合があります。

単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)の多くは性行為により感染します。

初感染時に性器ヘルペス、口唇ヘルペス、新生児の脳炎を引き起こす場合があります。

その後、腰・仙髄神経節に潜伏し、回帰感染では性器ヘルペスを起こす場合があります。

妊婦が性器ヘルペスを持っている場合、産道感染で新生児の脳炎を起こす場合があるので、帝王切開が選択される場合があります。

性器ヘルペス、口唇ヘルペスについて

単純ヘルペス脳炎の症状

発熱、頭痛、嘔吐、項部硬直(仰向けの患者の頭を持ち上げようとすると抵抗がある)、精神症状、意識障害、記憶障害、痙攣(けいれん)などが起こります。

最初に精神症状として人格変化や異常行動、幻覚などが起きる場合があるので、精神科を訪れてしまう場合もあります。

単純ヘルペス脳炎の治療

早期の治療が必要となります。治療が遅れると命を落としたり治っても後遺症が残る場合があります。

抗ウイルス薬(アシクロビル、ビダラビン)が投与されます。

状況に応じて抗脳浮腫薬(グリセロール)、抗けいれん薬、ステロイドの投与が行われます。

プリオン病とは

中枢神経のグリア細胞の細胞膜に存在するプリオン蛋白が何らかの原因で感染性を持つ異常プリオン蛋白になることで発症すると考えられている病気で、孤発性、遺伝性、感染性のものがあります。

大半(約80%)は孤発性(遺伝しない)のクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)です。

牛海綿状脳症(BSE)狂牛病としてニュースになりましたが、BSEの牛を食べることはプリオン病の原因の一つでもあります。

50~60歳代に多くみられます。

プリオン病の原因

孤発性CJDの原因は不明です。

遺伝性CJDはPrP遺伝子の突然変異が原因です。

食人をすることで起こるクールー病(kuru)は儀式的に食人の習慣があった東部ニューギニアで蔓延した感染性のプリオン病です。

医原生CJDはCJDに感染していた人の硬膜移植、角膜移植などで起こります。

変異型CJD(vCJD)はBSE感染牛の摂取が原因です。

プリオン病の症状

歩行障害、視覚障害、精神症状(健忘、抑うつ)などが起こり、その後認知症が進みます。

認知症の進行と共に会話ができなくなり、さらに進行すると無言、無動となり感染症などを合併しやすくなります。

発症から1~2年で感染症により死亡することが多くなります。

プリオン病の治療

現在、有効な治療法はありません。

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参考文献

病気がみえる 〈vol.7〉 脳・神経
医療情報科学研究所 (編集)

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