胆石とは 胆石症 総胆管結石 胆嚢結石の原因 症状 治療 について

胆石とは何か、胆石症、総胆管結石、胆嚢結石、肝内結石の原因、症状、治療、胆石発作、胆石手術などについて解説します。

胆石

胆石とは

胆石(たんせき)は胆汁(たんじゅう)の成分が胆嚢(たんのう)の中で石のように結晶化したものです。
腸の病気と同様に胆石も食生活の欧米化と共に増加傾向にあります。

胆石には成分によって、コレステロール結石色素胆石に大別できます。

コレステロール結石

コレステロール結石は胆石の約70%を占めます。
コレステロールが主成分の純コレステロール結石、純コレステロール結石の周囲にビリルビンが固まった混成石、、純コレステロール結石にビリルビンやカルシウムが混ざった混合石などがあります。
40歳以上の肥満傾向にある女性に多くみられるのが特徴です。

脂肪や糖分の多い食生活に運動不足や不規則な生活などが加わると、肥満になりやすくなると共に、コレステロール結石ができやすくなります。
また、無理なダイエット行うことで、血中コレステロール値が上がり、コレステロール結石ができる引き金になることもあります。

色素胆石

色素胆石の割合は約30%です。 胆汁中のビリルビンとカルシウムが結合したビリルビンカルシウム結石や胆汁中のビリルビンとカルシウムが結合した黒色石があります。

胆汁の流れが悪くなり細菌感染を起こすとビリルビンが変質し、カルシウムと結合しやすくなって結石になります。

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ビリルビンとは

赤血球の色素であるヘモグロビンが変化したものです。
寿命を終えた赤血球は脾臓(ひぞう)に運ばれヘムとグロビンに分別されます。そのうちのヘムがビリルビンに変化します。ビリルビンは肝臓に運ばれ、そこでグルクロン酸という物質と結びつき、胆汁の成分として分泌されます。

胆石のできる場所による分類

胆石は存在する場所によって胆嚢結石総胆管結石肝内結石の3つに分けられます。
最も多いのは、胆嚢の中にできる胆嚢結石です。胆嚢の場所

胆嚢結石

胆嚢の中にできる結石で、胆石の70~80%を占めます。
大半はコレステロール結石です。

総胆管結石

総胆管にある結石で、胆石の約20%を占めます。
総胆管で作られる場合もありますが、ほとんどは胆嚢結石が胆汁と共に落下してきたもので、これを落下結石といいます。

落下結石はコレステロール結石が多く、総胆管で作られるものはビリルビンカルシウム結石が多いです。

肝内結石

肝臓内の胆管(肝管)にできる結石で、胆石に占める割合は1~2%だけです。
多くは色素結石です。総胆管に落下することもまれにあります。

胆石症の原因

上記したように、コレステロール胆石と色素胆石では原因が異なります。

コレステロール胆石は食生活と密接な関係があり、脂肪や糖分の過剰摂取や運動不足で肥満傾向にある人に多くみられます。
脂質異常症の人は特に注意する必要があります。

色素胆石は胆汁の細菌感染や肝障害、胃の切除後の貧血などが原因となります。

胆石症の症状

胆石が胆嚢や肝管にある場合は無症状の場合が多いです。(人によっては右肩に肩こりを感じる場合があります)
健康診断などで胆石が見つかった場合、無症状の場合は経過観察で様子を見ることになりますが、定期的な健診が必要となります。

胆石が胆汁に流されて移動し、胆嚢管や総胆管につまると激しい痛みが生じます。 これを胆石発作といいます。

典型的な胆石発作は疝痛(せんつう)と呼ばれるもので、みぞおちから右上腹部にかけて鋭く差し込むような痛みが起こります。
人によっては鈍い痛みやなんとなく張った感じのする程度の場合もあります。

総胆管がふさがると、肝機能が低下して黄疸や発熱が起こることが多くなります。 黄疸は白目の部分が黄色がかってくることで判断できます。
この場合すぐに病院へ行く必要があります。

痛みが長く続き、39度以上の高熱の場合は細菌による感染の可能性が高く、急性胆嚢炎や急性胆管炎の可能性も考えられます。

胆石症の治療

痛みが激しい場合は、鎮痙薬(ちんけいやく)や鎮痛薬で痛みを抑えます。
胆嚢や胆管が感染を起こしている場合は抗菌薬が用いられます。

次に胆石の場所、症状や緊急性などから総合的に判断し、以下の方法から胆石の除去方法を検討します。

薬物療法(溶解療法)

利胆薬と呼ばれる薬を服用して胆石を溶かす治療法です。
純コレステロール結石で胆石の直径が15mm以下、胆石が胆嚢内にある場合に限られ、胆嚢がきちんと機能していることなどがこの治療を行える条件となります。

薬を長期間服用しなければならず、胆石を完全に無くすというより、小さくして症状を軽減する目的で行われます。再発しやすいという欠点もあります。

体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)

体の外から強い衝撃はを当てて胆石を小さく砕く方法です。
胆嚢内や総胆管に胆石がある場合に有効です。

胆嚢や胆管にスペースがある場合に限られ、胆石の大きさがあまり大きくない場合に行われます。体に負担が少ないのが利点です。

内視鏡的治療

口から挿入した内視鏡により胆石を除去します。
主に総胆管に石がある場合に行われ、最も多いのは破石器具を内視鏡に装着して石を砕く方法です。
他にバルーンで排出する方法などがあります。

腹腔鏡下胆嚢摘出術

お腹に数か所、穴をあけて胆嚢を摘出する方法です。
胆嚢に炎症がある場合や、穴があいている場合、胆嚢水腫など、胆嚢を取り除いたほうがいいと判断された場合に行われます。

開腹手術に比べると体への負荷は少なく入院期間も短くてすみます。

胆嚢を取ってしまうことで、濃縮機能が失われ、薄い胆汁が出っぱなしの状態になります。
そのため下痢、消化不良、食欲不振、軽い吐き気などが起こる可能性があります。
これらは消化酵素薬や整腸薬の服用で通常は3~4ヶ月すると気にならなくなります。

開腹手術

胆嚢を摘出する必要があり、胆嚢の炎症が強い場合、腹膜炎の可能性がある場合、炎症による癒着がある場合、肝硬変を起こしている場合、がんの疑いがある場合など腹腔鏡下胆嚢摘出術が無理な場合に行われます。

全身麻酔により手術を行い、退院までの期間は合併症などが無ければ1週間~10日間くらいです。

温めて治す

ひどい痛みが無い場合、徹底して体を温めることが効果的と医学博士の安保徹先生は述べています。
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胆石症の予後

胆嚢を除去した場合、再発の可能性はほぼ無くなりますが(可能性がゼロではありません)、それ以外の場合は砕いてちいさくなった石が大きくなったり、石を除去した場合でも再び胆石が形成される可能性があります。

再発を防ぐためには、脂っこいものやコレステロールの多いものは控え、運動するなど規則正しい生活を心がける必要があります。 また1日3食を規則正しく食べることも重要です。

朝食を抜いたり、1度に沢山食べて1日1食や2食などにすると、胆汁が排出されない状態が続き、胆汁が濃縮され胆石ができやすくなってしまいます。
特に朝食を抜くと、前の晩から胆汁が排出されない状態が長く続いてしまうので気をつけましょう。

西式甲田療法

西式甲田療法では、胆石を予防することが可能です。ただしすでに石が大きくなってしまった場合は通常の治療が必要です。

西式甲田療法では朝食を抜くことが推奨されていますが、食事の質も変えるので朝食を摂らないほうが胆石の予防としては効果が高くなります。

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参考文献

「名医の図解 最新肝臓・胆のう・すい臓の病気をよくする生活読本」
横山 泉

膵臓・胆のう・胆管の病気の最新治療
白鳥 敬子 著

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