クローン病 炎症性腸疾患とは?原因、症状、 治療、食事について

炎症性腸疾患であるクローン病(Crohn病)とは何か、食事との関係、原因、症状、治療について解説します。

ファーストフード

炎症性腸疾患とは

炎症性腸疾患は腸に炎症をきたす疾患の総称です。
一般的にはクローン病潰瘍性大腸炎のことを指します。

厳密には細菌や薬剤など原因がはっきりした特異的炎症性腸疾患と原因不明の非特異的炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)に分けられます。

クローン病とは

クローン病は特定疾患(難病)に指定されている原因不明の病気です。
10代後半~20代の若年者に多くみられます。

欧米に多くみられ、日本人には少なかった病気ですが、近年患者数が増加しています。

口から肛門までの消化管壁のどこかに障害が起こりますが、特に回盲部によく起こります。
腸管(ここでは主に小腸、大腸)の免疫機構が正常に働かなくなり、免疫細胞が暴走し過剰な炎症反応を起こす自己免疫疾患でもあります。

根治させる方法が無い為、長期に渡る治療が必要となる病気です。

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クローン病の原因

原因は不明ですが、日本人の生活習慣、特に食生活に欧米食が取り入れられることに比例して患者数が増加しているので、食事が大きな要因ではないかと考えられています。

遺伝的要因も考えられますが、後天的な要素(環境的要因)が強いと考えられる一因に、近年同じように経済的な発展を遂げている中国や韓国でも同様にこの病気が増加傾向にあることが挙げられます。

欧米食であるファーストフードや菓子類を食べる機会が増え、魚に代わって肉類を多く摂るようになったことなどが大きな要因でしょう。

腸内には無数の腸内細菌が存在しますが、ファーストフードや菓子類を多く摂ると善玉菌が増えません。腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:腸内の善玉菌、悪玉菌、日和見菌のグループや比率を意味する、腸内フローラともいう)のバランスが良くないことはあらゆる病気を招き寄せる原因となります。

クローン病を悪化させる要因

  • 腸内細菌―悪玉菌が増え、善玉菌が減る
  • 食事―高脂肪食、刺激物、繊維質(特に狭窄があるとき)
  • 喫煙
  • 精神的ストレス
  • 感染―風邪や感染性腸炎などが契機となる
  • 薬剤―鎮痛薬、解熱剤などNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の服用

これらはクローン病を悪化させる要因となります。 クローン病の最大の原因は腸内細菌などを含めた体内生態系にあることが明らかになりつつあります。
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クローン病の症状

主な症状として、腹痛(特に右下腹部)、触って腹部に腫瘤(しゅりゅう、こぶのようなもの)を感じる、下痢、発熱、体重減少、肛門部の病変(腫瘍や痔瘻等)があります。

他にアフタ性口内炎、関節炎、血便などを生じることがあります。

急性期の症状

発症早期は一過性の痛みが多いです。
食事をとった後に、おへその周りや下腹部に持続的な痛みが起こることが一般的です。

回盲部に生じることが多い為、お腹の右下が痛くなる傾向があります。
腸に狭窄(きょうさく:狭くなること)があると痛みがひどくなったり、ガスがたまり膨満感(ぼうまんかん:お腹の張った感じ)を感じることもあります。

狭窄が進んで腸閉塞の状態になると、激しい痛みや悪心(吐き気)を感じたり、嘔吐する場合があります。

その他に、下痢、肛門痛、発熱、体重減少などが起こります。

慢性期の症状

小腸、大腸の慢性的な炎症が起こります。また、口腔から肛門までの消化管のいずれの場所にも潰瘍(かいよう:粘膜の炎症にとどまらず、その下の層にまで傷が深くなること)が生じる可能性があります。

難治性の痔瘻(じろう)や肛門周囲膿瘍を合併することもあります。
腹痛、下痢、発熱、体重減少、全身倦怠感、貧血などの症状が起こります。

クローン病の治療

現在根治療法が存在しないため、治療は長期におよぶ可能性は高いです。

主な治療法として、栄養療法、薬物療法、外科的治療があります。

また現在、検討されている治療法に便移植(健康な人の腸内細菌を移植する)というものもあります。(現在効果が検討されている段階です)

便移植・寄生虫療法についてはこちらを参照してください。
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栄養療法

腸管(消化管)の安静と、食事によるアレルギーを防ぐことが目的となります。

経腸栄養剤を症状に応じて経口(口から摂取)、経鼻チューブ、輸注ポンプなどで摂取します。
減少した体重はBMI22の理想体重を目指すことが一般的です。

薬物療法

副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤、抗TNFα製剤などが主に用いられます。
他に、サルチル酸塩製剤や抗菌薬が用いられることもあります。

特に、抗TNFα製剤であるインフリキシマブ(レミケード)はクローン病の切り札的な薬となっています。本来は免疫細胞が作り出す抗体を人為的に合成する薬です。

外科的治療

イレウス(腸閉塞)、消化管穿孔、大量出血などが生じた場合、外科手術が必要となります。
また難治性狭窄や痔瘻の場合も必要に応じて手術等が検討されます。

手術を繰り返し、大部分の小腸を失ってしまった人に小腸を移植する手術が海外で行われることがあります。日本ではまだ一般的ではありませんが、今後行われるようになる可能性もあります。

クローン病患者の食事について

クローン病は食生活に問題があることが原因ではないかと考えられています。 食生活を改善することは非常に重要な問題です。

クローン病になってしまうと、これまでは低脂肪、低残渣食など色々と食事制限がありました。しかしこの考えは最近変わりつつあるようです。
近年、クローン病の食事療法に大きな変化が!?

この記事を読むと、現在では、クローン病の標準的な食事法は無いという考えに変わっていることが分かります。

藤田紘一郎先生の「最新! 腸内細菌を味方につける30の方法 – 健康・長寿・美容のカギは腸内フローラと腸内細菌!」によると、腸内細菌は人によって持っている菌がすべて異なり、その人に必要な食事は持っている腸内細菌によりそれぞれ異なる、ということが書かれています。

これは健康な人もクローン病の人も同じだと思われます。
特にクローン病の人は腸内細菌が貧弱である可能性が非常に高いので、自分の腸内細菌を強化するような食事を摂る必要があるでしょう。

症状により摂れる食事は変わってきてしまいますが(本来腸のためにとても良い食物繊維もクローン病の場合気をつける必要があります)、まんべんなくビタミン、ミネラル、酵素などを摂取することはもちろん、ヨーグルト(種類により含まれている乳酸菌、ビフィズス菌の種類が異なる)などの発酵食品で様々な腸内細菌を摂取する必要があります。

欧米化した食生活に問題がある可能性が高いので、伝統的な日本食を摂ることは腸にとても良いことです。伝統的な日本食は塩分の摂りすぎにさえ注意すれば、栄養素や善玉菌が豊富に含まれ健康にとても良いものです。

しかし若年者の場合、幼少の頃に日本食を食べ慣れていないと、納豆(食物繊維なので注意が必要、ひきわり納豆がオススメ)や漬け物などが食べられない、という人もいるでしょう。そのような場合、無理してそれらを食べるのではなく、自分ができるだけおいしく食べられ、栄養や善玉菌が摂れるものを探すということも治療の一環となってきます。

腸に良い食事についてはこちらを参照してください。
腸内環境を改善する食事 腸に良い食事 腸内細菌 腸内フローラについて

食事で改善できない場合、便移植や海外で始まりつつある寄生虫療法が期待されています。
アレルギー、自己免疫疾患、自閉症の原因は体内の生態系にあった!

西式甲田療法

西式甲田療法では、自己免疫疾患が完治した例が多数報告されています。
実行する場合、必ず専門家の監視下で行ってください。

難病 原因不明の病気が治る西式甲田療法とは 少食 断食の効果について

Bスポット療法を受ける

原因不明の病気や自己免疫疾患の症状を和らげる方法としてBスポット治療があります。
Bスポット治療について

爪もみを行う

ストレスを解消し、薬をなるべく使わないことが回復へつながると医学博士の安保徹先生は述べています。人差し指の爪の生え際をもむことが効果があります。
免疫力低下の原因は?免疫力を高める 冷え性を治す血流改善方法!

遺伝子組み換え食品や食品添加物は避ける

遺伝子組み換え食品や遺伝子組み換え作物を使用した食品添加物を食べることで炎症性腸疾患になるという報告もあります。
遺伝子組み換え食品を食べたことが原因で起こる病気について

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参考文献

「クローン病ってこんな病気―食生活から見直す」
福田 能啓 ,奥田 真珠美 編集

「病気がみえる 〈vol.1〉 消化器」
医療情報科学研究所 (編集)

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