クッシング症候群 原発性アルドステロン症の原因 症状 治療について

クッシング症候群、原発性アルドステロン症、副腎皮質機能低下症の原因、症状、治療について解説します。

クッシング症候群

ムーンフェイス Original Update by Ozlem Celik, Mutlu Niyazoglu, Hikmet Soylu and Pinar Kadioglu

クッシング症候群とは

クッシング症候群(Cushing症候群)は慢性のコルチゾール過剰分泌が起こる病気の総称です。

40~50歳代の女性に多くみられます。

クッシング症候群の原因と分類

クッシング症候群には大きく分けて内因性のものと外因性のものがあります。

内因性

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌過剰

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が過剰に分泌されることでコルチゾールの分泌過剰が起こります。

クッシング病、異所性ACTH症候群(肺小細胞癌、胸腺腫、カルチノイド、膵がんなど)、CRH産生腫瘍などがあります。

コルチゾールの自律性過剰分泌

コルチゾールそのものが過剰に分泌されるものです。

副腎腺腫、副腎癌、副腎皮質過形成などがあります。

外因性

ステロイド剤を長期投与したことでグルココルチコイド(糖質コルチコイド)過剰症状が起こる医原性のものと、アルコールや肥満が原因で起こる偽性クッシング症候群があります。

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クッシング症候群の症状

コルチゾール分泌過剰症状はクッシング病と同様です。

コルチゾール分泌過剰症状として、ムーンフェイス(満月様顔貌:脂肪の沈着により丸顔になる)、中心性肥満(手足は痩せているのに顔や体が太っている)、野牛肩・水牛様肩(バッファローハンプ:水牛のように肩や背中、首に脂肪がついて盛り上がる)、赤色皮膚線条(皮膚に赤いすじが現れる)、皮膚が薄くなる(菲薄化:ひはくか)、高血圧、浮腫脂質異常症骨粗鬆症尿路結石、皮下溢血(ひかいっけつ:皮下の内出血)、易感染症、筋力低下、精神異常などが起こります。

アンドロゲンが過剰分泌される場合もあり、その場合、にきび、女性の場合、月経異常、男性化徴候(多毛)が起こります。

クッシング症候群の治療

手術が治療の第一選択となります。

副腎腺腫や副腎癌の場合、腫瘍摘出手術が行われます。

副腎皮質過形成の場合、両側の副腎を摘出し、ホルモン補充療法が行われます。

クッシング病の場合、経蝶形骨洞手術やガンマナイフ治療が行われます。

異所性ACTH産生腫瘍の場合、原発巣の摘出が行われます。

手術が困難な場合、薬物療法が行われます。

原発性アルドステロン症とは

副腎からアルドステロンが過剰に分泌されることで高血圧が起こる病気です。
高血圧の5%を占め、本態性高血圧(原因不明の高血圧)とされている人の中にこの病気が原因の人が多くいるといわれています。

本態性高血圧と診断され降圧薬を飲んでいる場合、腺腫(腺細胞にできる腫瘍)が見逃されているなら本当は外科的処置が必要です。

原発性アルドステロン症の原因

アルドステロン産生腺腫が原因の70%以上を占めます。原因不明の特発性のものは約20%です。

原発性アルドステロン症の症状

高血圧、低カリウム血症(筋力低下、四肢の麻痺、テタニー症状など)などが起こります。

原発性アルドステロン症の治療

アルドステロン産生腺腫の場合、病変のある片側の副腎を摘出します。
手術が不可能な場合、アルドステロン拮抗薬やカルシウム拮抗薬などによる薬物療法が行われます。

特発性(原因不明で両側の副腎に問題がある)の場合、アルドステロン拮抗薬、降圧薬、カリウム製剤などによる薬物療法が行われます。

副腎皮質機能低下症とは

副腎皮質ホルモン(コルチゾール、アルドステロン、アンドロゲン)の分泌が低下する病気です。

副腎皮質に問題がある原発性、視床下部や下垂体に問題がある続発性、長期におよぶステロイド剤の投与による医原性のものがあります。

副腎皮質機能低下症の原因

原発性

先天性のものと後天性のものがあります。

先天性

先天性副腎皮質過形成、先天性副腎低形成、ACTH不応症などが原因となります。

後天性

特発性副腎萎縮(特発性特発性アジソン病、シュミット症候群など)、手術、放射線照射、外傷による副腎の障害、感染症(結核、エイズなど)、悪性腫瘍の副腎転移、全身性疾患(サルコイドーシス、アミロイドーシスなど)などが原因となります。

続発性

視床下部・下垂体腫瘍性病変(下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫など)、頸部手術、放射線照射、外傷による下垂体損傷、出血、梗塞、血栓症(シーハン症候群、下垂体卒中など)、感染症(結核、梅毒、真菌症、化膿性炎症など)、特発性下垂体炎、全身性疾患(サルコイドーシスなど)などが原因となります。

医原性

ステロイド剤(糖質コルチコイド)や副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)投与の中断などが原因となります。

副腎皮質機能低下症の症状

コルチゾール欠乏症状として、体重減少、低血糖、精神症状、倦怠感、悪心・嘔吐、発熱などが起こります。

アルドステロン欠乏症状として、血清ナトリウムの低下、血清カリウムの過剰、低血圧などが起こります。

アンドロゲン欠乏症状として、女性の場合、月経不順、恥毛・腋毛の脱落などが同時に起こります。

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌過剰がある場合、顔面・頸部・歯肉・舌・手指に色素沈着が起こる場合があります。(続発性の場合は起こらなない)

副腎皮質機能低下症の治療

ホルモン補充療法(ヒドロコルチゾンの投与)が行われます。

続発性の場合、原因疾患の治療を行います。

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参考文献

「病気がみえる vol.3: 糖尿病・代謝・内分泌」
医療情報科学研究所

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