糖尿病合併症 糖尿病網膜症 糖尿病神経障害 糖尿病足病変などについて

糖尿病合併症である糖尿病網膜症、糖尿病神経障害、糖尿病足病変などについて解説します。

糖尿病網膜症

糖尿病合併症について

糖尿病合併症には急性と慢性があります。

糖尿病急性合併症については、こちらを参照してください。
ケトアシドーシスとは 糖尿病ケトアシドーシスの原因 症状 治療について
空腹で手が震える機能性低血糖症 低血糖症の原因 症状 治療等について

主な糖尿病慢性合併症には、糖尿病の三大合併症と呼ばれる糖尿病網膜症糖尿病性腎症糖尿病神経障害、その他に糖尿病足病変などがあります。

また、糖尿病患者は健康な人に比べ動脈硬化を起こしやすく、それにより、虚血性心疾患脳血管障害閉塞性動脈硬化症などの血管障害を合併しやすくなります。

その他の合併症として、ガンなどの悪性腫瘍、認知症、骨粗鬆症白内障歯周病、手根管症候群等があります。

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糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、糖尿病患者の約40%がかかる病気で、糖尿病罹患後治療せずに放置すると数年~10年経って発症します。

発症初期は自覚症状が無いので、気がつかないうちに病状が進行し、失明してしまうケースも少なくありません。(患者数約300万人で毎年3,000人以上が失明する)

病状は単純網膜症(網膜の浮腫や出血)→増殖前網膜症(網膜の虚血)→増殖網膜症(硝子体への血管新生、牽引性網膜剥離)と進行していきます。

糖尿病を発症したら定期的に眼科検診を行う必要があります。

糖尿病網膜症の原因

慢性の高血糖により網膜細小血管が障害され新生血管(新しい血管)が発生します。新生血管はとても脆く(もろく)これが破綻すると出血が起きます。増殖力が強く、硝子体にこの血管が伸び大出血を起こすと視力の低下につながります。

糖尿病網膜症の症状

飛蚊症(小さな虫のようなものが見える)、黒いカーテンのようなものが見える(硝子体の出血による)等の症状があります。

糖尿病網膜症の治療

単純網膜症は血糖コントロール(高血糖を抑える)を行うことが治療となります。

増殖前網膜症は血糖コントロールに加えて、光凝固療法(レーザーを網膜に照射し網膜症を鎮静化する)を行います。

増殖網膜症の場合は、血糖コントロール、光凝固療法に加えて硝子体手術を行い進行を抑制します。

糖尿病腎症

糖尿病性腎症(糖尿病腎症)についてはこちらを参照してください。

糖尿病性腎症 ループス腎炎の原因 症状 治療について

糖尿病神経障害

糖尿病三大合併症の中では最も早期に現れ、頻度も高い病気です。

高血糖に伴う神経細胞の代謝異常や血管の障害などにより起こると考えられています。

進行するとQOL(生活の質)の低下や糖尿病足病変(後述)などが起こり、血管障害による突然死の原因となることもあります。

糖尿病神経障害の原因

神経栄養血管の障害や血栓症、または神経組織の代謝異常により感覚神経や自律神経などが障害されることで起こります。

糖尿病神経障害の症状

感覚運動神経障害として、足先・足底から始まるしびれ、左右対称に手足にしびれが起こる、足のほうから感覚低下が始まりやがて手足のしびれ・痛み・感覚低下が起こる、こむらがえり、疼痛などがあります。

自律神経障害として、起立性低血圧(立ちくらみ)、下痢便秘、発汗異常、脈拍の異常、排尿障害、皮膚の乾燥、勃起障害(ED)などが起こります。

また感覚低下により、虚血性心疾患が起こっても症状が感じられず危険な状態(最悪の場合突然死)となる、低血糖が起こっても症状が感じられず突然倒れる、などが起こることもあります。

糖尿病神経障害の治療

血糖コントロールと生活習慣の改善が基本です。軽症の場合これだけで治ることもあります。 痛みなどがある場合、薬物療法(プレガバリン、抗けいれん薬等)で抑えます。

代謝改善の為の薬物治療としてアルドース還元酵素阻害薬、ビタミンB12製剤の投与などが行われます。

感覚障害は足のほうから起こるので、糖尿病が発症したら足のチェックを欠かさないようにすることが大切です。

糖尿病足病変

糖尿病神経障害や血流障害に外傷や感染などが加わり、足に、胼胝(べんち:たこ)、魚の目(うおのめ:鶏眼)、変形、潰瘍(かいよう)、壊疽(えそ)などが起こります。 最悪の場合、足の切断が必要となる場合もあります。

糖尿病足病変の原因

糖尿病神経障害、血流障害に加えて、糖尿病による免疫力低下状態での外傷や細菌等の感染が原因となります。

糖尿病足病変の症状

初期症状として、槌趾(つちゆび:ハンマートゥ)、つま先の靴ずれ、かかとの乾燥・亀裂、陥入爪(かんにゅうそう:爪の端が皮膚に刺さる)、爪白癬(つめはくせん:爪の間に白癬菌が感染し変色・ボロボロになる)、たこ、うおのめ、などが起こります。

進行すると潰瘍(かいよう:皮膚の欠損)から壊疽(えそ:組織の壊死)に至ります。

糖尿病足病変の治療

血糖コントロールを基本に、壊疽組織の外科的除去、血流障害に対して血管拡張薬などの薬物治療、感染症に対して抗菌薬・抗生剤の投与、等が行われます。

上記の治療で改善されない場合、外科的切断が行われる場合があります。

西式甲田療法

西式甲田療法では、糖尿病が完治した例が多数報告されています。
実行する場合、必ず専門家の監視下で行ってください。

難病 原因不明の病気が治る西式甲田療法とは 少食 断食の効果について

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糖尿病とは 1型糖尿病の原因 症状 治療 インスリンと血糖の関係について
2型糖尿病の初期症状 検査 診断基準 原因 症状 治療などについて

参考文献

「病気がみえる vol.3: 糖尿病・代謝・内分泌」
医療情報科学研究所

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