腸内環境を改善する食事 腸に良い食事 腸内細菌 腸内フローラについて

腸内環境を改善する食事、腸に良い食事、腸内細菌と腸内フローラなどについて解説します。

腸内細菌 近年日本では消化器系の病気が非常に増えています。
特に大腸がんをはじめとした大腸の病気は胃の病気を上回るようになりました。

これらは食生活の欧米化が原因といわれています。
具体的には、食物繊維や発酵食品の摂取量が減り、肉やファーストフード、カップラーメンなどのインスタント食品に代表される加工食品や砂糖の摂取量の増加です。

この食生活の変化は日本人の腸内環境を悪化させ、様々な生活習慣病(成人病)を引き起こすことが最近の研究で明らかになってきています。

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腸内細菌と腸内フローラとは

大腸や小腸には無数の細菌が生息しています。
これらを腸内細菌といいます。
この細菌達は便宜的に善玉菌悪玉菌日和見菌に分類されます。
便宜的というのは、例えば「悪玉菌」という名前からするとあっては困る菌のように思われがちですが、外敵と戦ったり、消化を助けるような働きもします。

ではなぜ悪玉菌と呼ばれてしまうのか、それはその比率の問題です。
腸内環境のことを腸内フローラということがありますが、これは腸内を花壇やお花畑に見立てた言い方です。細菌一つ一つを植物と考え、お花畑を形成している、という考え方です。

腸内細菌が体の為に最も効率的に作用するには、その数の比率が、 日和見菌>善玉菌>悪玉菌という腸内フローラになっている必要があります。

しかし、多くの現代人が日和見菌>悪玉菌>善玉菌という状態になっているので、腸やその他の病気につながりやすく、便秘下痢などになりやすい状態であるといえます。

この腸内フローラを改善して善玉菌>悪玉菌という状態にすることは、病気に強い体作りに直結し、腸の病気だけでなくあらゆる生活習慣病の予防にもなります。

理想的な比率は日和見菌7:善玉菌2:悪玉菌1というのが一般的ですが、人によっては、6:3:1や6:3.5:0.5という人もいます。

善玉菌の代表は乳酸菌ビフィズス菌でこれらは免疫の強化や整腸作用、アレルギーの抑制など様々な効果があります。これらは増えすぎて困るということはありません。

一方悪玉菌の代表であるウェルシュ菌や一部の大腸菌は数が増え過ぎると、便秘や臭いオナラの元になったり、様々な病気を引き起こす原因となります。

しかし前途した通り悪玉菌も消化や免疫において大事な役割があります。抗菌薬などで死滅させてしまえば病気の原因になるので、無くてはならないものだが増えすぎると困る菌だということを忘れないでください。

そして最大勢力である日和見菌は数が多いほうに加勢する傾向があります。 悪玉菌優勢の腸内フローラでは日和見菌も悪玉菌に加担してしまうので、この点からも善玉菌を増やす必要があるということができるでしょう。

芸能人は腸内環境が悪かった

芸能人 2016年1月に放送された「駆け込みドクター!年の初めの健康チェックSP」では、9人の出演者の腸内細菌を調べ腸内環境の良い順にランキングするという企画がありました。

なんと9人中悪玉菌より善玉菌の数が多い人は一人もいませんでした。 1位の一路真輝さん(51歳)でも、日和見菌 42.4% 善玉菌 25.6% 悪玉菌 32%という結果でした。(番組では日和見菌とその他の菌を分けていましたが、ここでは分かりすくするために日和見菌にまとめています)

ただし、善玉菌は年齢と共に減り、悪玉菌は増える傾向にあるので一路さんの腸内年齢は実年齢より3歳若い48歳とのことでした。

最下位の片岡安祐美さん(29歳)は、日和見菌 53% 善玉菌 0.7% 悪玉菌 42.5%でした。腸内年齢54歳とのことです。善玉菌がほとんどいない状態です
。 野球をやっているスポーツタレントで運動は十分です。

お酒をよく飲みますが、きちんと自炊し、それほどひどい食生活には思えません。 肉や野菜などのバランスはそれほど悪くなさそうですが、発酵食品や食物繊維が不足していると思われます。
過去にひどい便秘で病院へ行ったことがあるそうです。

残念ながら各人がどういう食生活でこのような腸内環境になったかということは分かりませんでしたが、8位のかとうれいこさんは、日和見菌 52.7% 善玉菌 5.1% 悪玉菌 42.1%という数字ながら、自分ではバランス良く食事していると語っており、食生活が乱れている自覚はありませんでした。

先生からは、オナラも臭いはずだ、とまで言われ可哀想でしたが、都会で一般的な食生活を送ればこのような数字になり得るということでしょう。

田舎暮らしの人を見習う

芸能人の例を見ても分かるように、都会で暮らす人は特に腸内環境が良くない傾向にあると思います。

2015年6月に放送された「主治医が見つかる診療所【あなたの腸を大改善!腸内フローラSP】」では腸内環境が良い人々の食生活を見てみる企画がありました。

島根県の知夫里島の食生活

生物学者で「大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌」の著者でもある辨野義己先生が自ら長寿県である島根県の知夫里島(ちぶりじま)という島に食生活の調査に出かけています。

島内は平地がほとんどなく、坂道を歩くだけでもインナーマッスルを鍛えられるそうです。島民の特長は便秘が少なく、65歳ではまだ若くバリバリ働いているとのことでした。

80代で元気に働いている夫婦宅の食生活を見せてもらうと、食卓に並んだものは、 「芋とヨモギと木の芽の天ぷら」「ワカメの茎の炒め物」「大豆とワカメの煮物」「椎茸と切り干し大根の煮しめ」「ホウレン草のゴマ和え」などおかずはどれも食物繊維がたっぷりです。

これらの食材のほとんどは自宅や近くの海で自分達で採ったものです。
特に島なのでワカメなどの水溶性食物繊維を多く摂っているのが特徴です。

そしてこの島伝統の自家製発酵食品である「なめ味噌」を味噌汁やおかずの調味料として使用しています。このなめ味噌は直接ご飯のおかずとしても食べられる、舐められるということからこの名前がついています。 味噌は大豆を発酵させた発酵食品で乳酸菌が豊富に含まれています。

 

このような食生活を送っている島民82歳女性の腸内フローラを調べてみたところ、 日和見菌 6: 善玉菌 3.5: 悪玉菌 0.5(日和見菌 60% 善玉菌 35% 悪玉菌 5%) という素晴らしい結果が出ました。 ちなみに普通50~60歳以上の人の腸内フローラは、 日和見菌 7: 善玉菌 1: 悪玉菌 2 ぐらいが一般的とのことです。

徳島県上勝町の食生活

次に番組が調査に訪れた場所は徳島県の上勝町(かみかつちょう)という所です。 ここは阿波番茶(あわばんちゃ)というお茶の生産地です。

畑仕事を生業としている87歳の女性は便秘をしたことがないそうです。 この女性のある日の朝食を見せてもらうと、「ご飯」「豆腐、ワカメ、ネギの味噌汁」「鮭の切り身」「切り干し大根」「フキの煮付け」「梅干し」「生卵」「みかん」というメニューでした。

そして、まず食前にお茶を飲みます。このお茶が阿波番茶です。
茶葉を発酵させた発酵食品です。
このお茶が腸内環境にとても良いようです。

この人の腸内フローラは、 日和見菌 7: 善玉菌 2.5: 悪玉菌 0.5 というものでした。年齢からすれば驚異的な数字です。

腸内フローラはどのように形成されるか

腸内フローラは一人一人異なり、どんな種類の細菌が生息しているかは各人で違います。
お腹の中にいる胎児の腸の中は無菌状態です。

まず出産時、産道を通り体外に出る過程でお母さんから細菌をもらいます。
次に看護師さんなどとの接触でも細菌が取り込まれ、生後1年から遅くとも3年くらいで細菌の種類は決まってしまうそうです。

その後は新しい細菌を摂取しても、よほど大量に摂取するなどのことがないと、既存の細菌との戦いに負けてしまい、定着するのは困難だといわれています。

ですので、クローン病潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患に若いうちにかかってしまうのは、早い時点での腸内フローラの形成に問題があった可能性が高い上に食生活の乱れが重なった為ではないかと推測できます。

とにかく最初の時点で善玉菌が少なくてもその数を増やす為には、腸内にいる同じ細菌を摂取すればその細菌を増やすことができます。
自分の腸の中にどの細菌が居るのかは正確には分からないので、とにかく乳酸菌やビフィズス菌、そしてビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖が含まれた食物繊維など様々な種類を食べてみる必要があります。

自分の腸内フローラを検査する

下記のサービスで自分の腸内フローラがどうなっているのか、善玉菌と悪玉菌のおよその比率を知ることができます。

腸内フローラ検査「ビフィチェック」
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腸内フローラを改善する食事・食品

腸内フローラは食事を変えることで数日で改善することができます。 医学博士の藤田紘一郎先生によると腸内フローラの勢力図を塗り替えるには2週間あれば十分とのことです。

善玉菌を増やす食事・食品

乳酸菌やビフィズス菌は発酵食品に多く含まれています。 発酵食品とは、ヨーグルト、納豆、味噌、醤油、漬け物、キムチ、チーズ等の食品です。

特に日本食・和食は発酵食品が多く使われています。
ご飯に味噌汁、漬け物、納豆などを朝食として食べれば、それだけで善玉菌を沢山摂ることができます。

これらを食べていた日本人にはかつて大腸がんや炎症性腸疾患などがは多くありませんでした。(その代わり塩分の摂りすぎによる胃がんなどの病気のリスクはありました)

これを朝食にパンとジャム、卵とコーヒーという欧米スタイルの食事に変えてしまえば発酵食品が大幅に減少してしまうことが分かると思います。 腸内フローラ

ヨーグルトはどの種類を食べればよいか

ヨーグルトには善玉菌が沢山含まれていますが、どのヨーグルトを食べればよいか迷ってしまう人は多いと思います。人それぞれ持っている菌が違うので、人によって合うヨーグルトは異なります。

色々な種類のヨーグルトを食べるようにするか、1~2週間くらい食べ続けてみてお腹の調子が良くなったと感じるものを食べるようにするとよいです。

なおヨーグルトに含まれる乳糖は人によっては分解能力が弱く、下痢をしてしまうことがあります。そのような人は無理にヨーグルトを食べず、他の発酵食品を食べたほうがよいでしょう。
藤田先生はヨーグルトにお金をかけるのも良いが、味噌にお金をかけて良いものを摂ることも同じように効果があると述べています。

ちなみに前述した生物学者の辨野先生は毎日ヨーグルト(BB536)を500~600gも食べて花粉症が治ったそうです。脂質の摂りすぎに注意は必要ですが、辨野先生は毎日200g以上の摂取を推奨しています。

またできるだけ砂糖の入っていないプレーンヨーグルトをフルーツと一緒に食べたり、下記のオリゴ糖やはちみつと合わせて食べることをお勧めします。

プレバイオティクスのオリゴ糖を摂る

元から腸に棲んでいる善玉菌のエサになる成分のことをプレバイオティクスといいます。このプレバイオティクスの代表はオリゴ糖です。オリゴ糖は特にビフィズス菌のエサとなります。

オリゴ糖がたくさん含まれている食材は、きなこ、ごぼう、タマネギ、はちみつ、りんご、バナナ、大豆などです。

オリゴ糖は甘味料としても売られているので、コーヒーや紅茶に使用するのもよいでしょう。 白砂糖は体に良いとはいえないので、代わりに使うことをお勧めします。

食物繊維を摂って体を若く保つ

前途した藤田先生の著書である「最新! 腸内細菌を味方につける30の方法」によると、腸内細菌が食物繊維を発酵させる過程で大量の水素を発生させる、と書かれています。

体内に発生する活性酸素は強い毒性を持っていますが、腸内細菌が発生させた水素は活性酸素と結合することで水になります。つまり有毒物質を無害な水に変えることができるわけです。これはまさにアンチエイジング(老化防止)の作用です。

また、食物繊維は便の材料となって便秘を防いだり、悪玉菌の増殖を抑制する作用もあります。肉食は悪玉菌を増やす作用がありますから肉が好きな人は特に食物繊維を多く摂る必要があるともいえます。

不溶性と水溶性食物繊維

食物繊維には不溶性水溶性があります。
便秘気味の人は特に腸に優しい水溶性の食物繊維を多く摂るとよいでしょう。
ただし完全な便秘で何日も出ていないような状態の場合は、食物繊維の摂取は控えたほうがよいです。

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健康な状態ならば水溶性、不溶性のどちらもバランスよく摂りましょう。 サプリなどで摂り過ぎると下痢になることがあるので、できるだけ食事で摂るように心がけます。

水溶性食物繊維には腸内環境を改善し、便秘や高血圧を予防するなどの効果があります。

特にワカメや昆布、りんごなど果物の皮、こんにゃくなどに多く含まれます。

不溶性食物繊維には便秘や痔、糖尿病の予防や有害物質の排出などの効果があります。きくらげ、えだまめ、玄米、根菜類などに多く含まれます。

玄米は調理が面倒ですが、簡単に食べられる玄米もあります。
簡単に食べられる玄米

野菜や果物、豆類などを摂るようにすれば、自然と両方の食物繊維は摂取できます。両方の食物線維が多く含まれるものは、納豆、ごぼう、オクラ、ライ麦パン、そば、切り干し大根、モロヘイヤ等です。

大抵の食材は不溶性食物繊維のほうが水溶性食物繊維より多く含まれています。 健康な状態ならば、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の摂取量の割合は2:1くらいが良いとされています。

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藤田先生おすすめの「酢玉ねぎ」を食べる

「腸内細菌を味方につける30の方法」には腸内フローラ改善のお勧め食品として「酢玉ねぎ」を挙げています。玉ねぎはオリゴ糖と食物繊維のバランスがとても良く、さらに活性酸素を除去する抗酸化物質も豊富に含まれているとのことです。

そして「酢」は腸を活性化させ、玉ねぎと合わせることで高い効果を発揮するそうです。
注意点は酢には体を冷やす作用があるので、冬は暖かいものを一緒に食べるようにすると良いということです。

酢玉ねぎの作り方

(1)玉ねぎを薄くスライスして少々の塩をまぶす。 (2)密閉容器に入れ、ひたひたまで酢を加える。 (3)ハチミツを少量混ぜる。分量はお好みでOK。

他にもニンニクや椎茸などのキノコ類、納豆などを食べることを強く推奨されています。

腸内フローラを悪化させる食べ物・物質について

まず薬の類は良くありません。特に抗菌薬・抗生物質は細菌を殺すための薬なので、ターゲットとなる細菌以外の菌も殺してしまいます。

最近では少なくなりましたが、以前は風邪程度でも医者に行くと抗生物質を処方されることが珍しくありませんでした。腸内フローラを守る為にも気軽に薬を服用することはやめましょう。

食品にも化学物質が含まれているものがあります。化学的に作られた保存料などの食品添加物は危険です。これらは主に加工食品(インスタントラーメン、カップラーメン、レトルト食品、冷凍食品、菓子類、ハム、ソーセージ、かまぼこ、調味料等々)に含まれているので、できるだけ自然に近いものを食べるようにしてください。

肉類は悪玉菌を増やしますが、悪玉菌も必要な菌です。肉を食べないということよりも、発酵食品や食物繊維を沢山食べて、善玉菌を増やすことを考えて下さい。肥満や食べ過ぎの傾向がある人は肉類や糖質を控えたほうがよいでしょう。
ヤセ菌・デブ菌と腸内細菌について

腸内環境を良くすることが全身に与える影響についてこちらを参照してください。
アレルギー、自己免疫疾患、自閉症の原因は体内の生態系にあった!

参考文献

最新! 腸内細菌を味方につける30の方法 – 健康・長寿・美容のカギは腸内フローラと腸内細菌! – (ワニブックスPLUS新書)
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