子宮外妊娠(異所性妊娠)の原因、症状、治療について

異所性妊娠(子宮外妊娠)の原因、症状、治療について解説します。

悲しむ女性

子宮外妊娠は異所性妊娠

これまで子宮外妊娠という呼び方が一般的でしたが、子宮外妊娠には頸管妊娠など厳密には子宮外ではないものも含まれていました。

そこで欧米と同様に異所性妊娠という呼び方が使われるようになり、現在正式なのは異所性妊娠という名称です。

この記事でも子宮外妊娠という呼称は使わず、異所性妊娠として扱います。

異所性妊娠とは

正常な妊娠では精子と卵子が卵管で出会い受精し、受精卵となって子宮内膜にくっつく(着床)ことで妊娠しますが、異所性妊娠とは受精卵が子宮内膜以外に着床するものをいいます。

多くは卵管に着床する卵管妊娠ですが、それ以外の部位に着床することもあります。

異所性妊娠は着床する場所によって卵管妊娠腹膜妊娠卵巣妊娠頸管妊娠の4つに分けられます。

それぞれの頻度は卵管妊娠 98.3%、腹膜妊娠 1.4%、卵巣妊娠 0.15%、頸管妊娠 0.15%となっています。

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異所性妊娠の原因

異所性妊娠は大きく分けて3つの原因が考えられます。

卵管の異常

卵管の繊毛上皮細胞の障害や癒着(卵管内癒着、卵管周囲癒着)により受精卵が子宮内膜に到達できず途中で着床してしまうことで起こります。

クラミジア感染症子宮内膜症、卵巣・卵管の手術などが原因で起こります。

受精卵の移動で異常

受精した卵が腹腔内に排出されてしまい発育した後、腹膜や卵巣、反対側の卵管等に着床してしまうことで起こります。

また、不妊治療の体外受精にて受精卵を子宮腔に注入(胚移植)する際、受精卵が子宮体部を通り越して卵管内に着床したり、子宮頸部に着床してしまうことで起こる場合があります。

子宮の異常

子宮内避妊具(IUD)を使用していたり、人工妊娠中絶の経験があるなど子宮環境の変化により、受精卵が卵管等に着床して起こります。

異所性妊娠の症状

月経が無くなる(無月経)、少量の性器出血、下腹部の痛みなどが起こります。

卵管で胎芽が発育してしまうと卵管壁が破裂し、多量の出血や急激な下腹部の痛みが起こり、出血性ショックを起こす場合もあります。

異所性妊娠の治療

状態が安定しhCGの値が減少傾向にある場合、待機して様子をみる経過観察となります。

薬物療法として、抗ガン剤の一種であるメトトレキサートを用い、異所性妊娠を起こした受精卵の絨毛の増殖を抑制し胎嚢の成長を止める場合があります。(MTX療法)

手術療法として、胎嚢(たいのう)を卵管から排出させる卵管圧出術(ミルキング)、卵管内の胎嚢を除去する卵管線状切開術、卵管ごと妊娠部位を除去する卵管切除術、子宮をすべて摘出する単純子宮全摘術などが行われる場合があります。

卵管破裂により出血性ショックや急性腹症がある場合は緊急手術となり抗ショック療法などが行われます。

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参考文献

「病気がみえる vol.10: 産科
医療情報科学研究所 (編集)

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