家族性高コレステロール血症(FH)の原因、症状、治療について

家族性高コレステロール血症の原因、症状、治療について解説します。

遺伝子

家族性高コレステロール血症(FH)とは

遺伝子(LDL受容体)の異常により血液中にLDLコレステロール(俗に言う悪玉コレステロール)が高くなる病気です。

遺伝子は両親から一つずつ受け継がれ一対になっていますが、家族性高コレステロール血症の場合、一対のうちどちらか一方に異常があれば発生する常染色体優性遺伝です。
(両方に異常が無ければ発症しないものを常染色体劣性遺伝、どちらか一方が正常であれば発症しないものを伴性劣性遺伝といいます)

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ヘテロ接合体(ヘテロ型)とホモ接合体(ホモ型)

一対の遺伝子の片方だけに異常がみられるものをヘテロ接合体(ヘテロ型)、両方共に異常があるものをホモ接合体(ホモ型)といいます。

ヘテロ型

200~500人に1人の割合でこの病気を持つ人がいます。
健常者に比べ動脈硬化性の病気にかかる可能性が非常に高くなりますが、薬物療法での治療が可能です。

ホモ型

ホモ型は非常に稀で16万人~100万人に1人といわれているので日本における患者数は数百人程度ということになります。
薬物療法の効果が薄く、若くして冠動脈疾患などの血管障害を合併する確率が高くなります。

家族性高コレステロール血症の原因

LDL受容体関連遺伝子の異常が原因です。

両親が共に正常なLDL受容体関連遺伝子を持つ場合この病気になることはありません。
両親の片方がヘテロ型の場合、子供が正常である確率は50%、ヘテロ型となる確率は50%となります。

両親が共にヘテロ型の場合、正常の確率は25%、ヘテロ型50%、ホモ型25%です。

両親がヘテロ型とホモ型の場合、ヘテロ型50%、ホモ型50%となり、共にホモ型なら子供は100%ホモ型となります。

家族性高コレステロール血症の症状

腱黄色腫(おうけんしょくしゅ)、皮膚結節性黄色腫(肘、膝、臀部などに結節が現れる)、若年性角膜輪(角膜の外輪が白色~灰青色に変色する)などの症状が現れます。

腱黄色腫には、アキレス腱黄色腫や手背伸筋腱の黄色腫があります。 アキレス腱や手背伸筋腱が厚くなります(肥厚)。
腱黄色腫の画像
膝に現れた皮膚結節性黄色腫の画像

また冠動脈疾患による胸痛が起こることもあります。

家族性高コレステロール血症の治療

遺伝子の異常によるものなので、現在の医学で根治治療の方法はありません。
対処療法が中心となります。

ヘテロ型の治療

HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)による治療が基本となります。

ホモ型の治療

LDL受容体がほぼ無いため薬物治療は効果が期待できません。
LDLアフェレーシスによる治療が基本となります。

LDLアフェレーシスとは、透析のように血液中のLDLを除去し、また体内に戻す治療法です。
1回の所要時間は約2時間で、1~2週間に一度の割合で生涯続ける必要があります。

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参考文献

「病気がみえる vol.3: 糖尿病・代謝・内分泌」
医療情報科学研究所

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