慢性胃炎(委縮性胃炎)と急性胃炎 ピロリ菌感染時の症状について

急性胃炎(急性胃粘膜病変)と慢性胃炎(委縮性胃炎)の原因、症状、治療についてと、ピロリ菌の感染について解説します。

胃が痛い人

急性胃炎と急性胃粘膜病変について

急性胃炎とは胃の粘膜に炎症が起こる病気です。
急性胃粘膜病変は急性胃炎を含むもので、粘膜の欠損がびらん(ただれたようになること)にとどまらず潰瘍(粘膜の下の層まで欠損がおよぶもの)になるなど症状が重いものを指すことがありますが、急性胃炎との区別があいまいな時もあります。

急性胃炎の症状が強いものを急性胃粘膜病変と捉えてもらってよいと思います。

急性胃炎(急性胃粘膜病変)の原因

大半は、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)に未感染だった胃にピロリ菌が感染した時に起こります。
その他にNSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性抗炎症薬、鎮痛剤、解熱剤に用いられる)の服用、ストレス、アニサキス感染(生の魚などに含まれる寄生虫)により起こることもあります。

ピロリ菌を発見した研究者の一人であるバリー・マーシャルは、培養したピロリ菌感染のための動物実験がうまくいかず、自分でピロリ菌を飲んで感染を証明しました。
その際、吐き気や嘔吐など急性胃炎の症状が3日間続いたそうです。

マーシャルの場合、一週間後の内視鏡検査では胃粘膜は正常に戻っており、ピロリ菌も消失していたとのことです。
ピロリ菌は除菌しないほうがいい?検査方法や感染経路について

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急性胃炎(急性胃粘膜病変)の症状

突発的な心窩部痛(しんかぶつう:みぞおちの辺りの痛み)、悪心(おしん:胸がむかむかしたり吐き気がすること)、嘔吐、吐血など。

急性胃炎(急性胃粘膜病変)の治療

薬物治療として酸分泌抑制剤(プロトポンプ阻害薬、ヒスタミンH2受容体拮抗薬)などが用いられます。

出血がある場合、内視鏡を使った止血が行われます。

また原因がNSIDsの場合、ただちに服用を中止します。
アニサキス感染の場合はアニサキスを除去します。

慢性胃炎と萎縮性胃炎について

慢性胃炎とは長期間にわたり胃の粘膜が糜爛(びらん:粘膜の欠損、ただれ)と再生を繰り返し、胃粘膜の萎縮などの変化が起こる病気です。

胃粘膜の萎縮が起こる萎縮性胃炎(いしゅくせいいえん)は慢性胃炎の一つの病態です。 慢性胃炎には萎縮性胃炎以外にも、胃粘膜にびらんが見られるびらん性胃炎や発赤(赤くなる)が見られる表層性胃炎、その他に浮腫(ふしゅ:水分による腫れ、むくみ)が生じるものもあります。

ピロリ菌に感染して慢性胃炎となっている場合、無症状の場合もありますが、放置すると胃潰瘍胃がんになりやすいと言われています。

慢性胃炎(萎縮性胃炎)の原因

大半がピロリ菌の感染によるものです。
それ以外に悪性貧血などの自己免疫疾患が原因の場合があります。

慢性胃炎(萎縮性胃炎)の症状

慢性胃炎は、内視鏡検査などで胃の粘膜に異常が見られるものをいうので、症状があるとは限りません。

多く見られる症状は、胃のもたれ、食欲不振、膨満感(ぼうまんかん:お腹の張りや圧迫感)、むかつき等です。

慢性胃炎(萎縮性胃炎)の治療

ピロリ菌に感染している場合、抗菌薬によるピロリ菌の除去が行われます。
(2013年より胃炎に対するピロリ菌の除菌が保険適用となりました)

原因となる疾患がある場合、原因疾患の治療が重要です。 対処療法として酸分泌抑制剤などが用いられることがあります。
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こちらでもピロリ菌について取り上げています。
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西式甲田療法

西式甲田療法では、胃炎などの胃腸病を健康的に改善することが可能です。
専門家の指導の元に行うようにしてください。

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参考文献

「病気がみえる 〈vol.1〉 消化器」
医療情報科学研究所 (編集)

「胃の病気とピロリ菌―胃がんを防ぐために」
浅香 正博 著

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