成長ホルモン分泌不全性低身長症の原因 症状 治療

下垂体前葉機能低下症、成長ホルモン分泌不全性低身長症の原因、症状、治療について解説します。

低身長症

Original Update by Arne Hendriks

下垂体前葉機能低下症とは

下垂体の機能が低下し、下垂体前葉ホルモンの分泌が低下してしまう病気です。
視床下部が原因で起こる視床下部性と下垂体が原因で起こる下垂体性の2つに分類されます。

下垂体前葉機能低下症の原因

視床下部性と下垂体性があり、それぞれ原因となる疾患等は異なりますが、腫瘍によるものが多い傾向があります。

視床下部性

頭蓋咽頭腫、胚細胞腫瘍、肉芽腫病変、外傷、放射線、先天奇形などが原因となります。

下垂体性

下垂体腺腫、シーハン症候群、リンパ球性下垂体炎などが原因となります。

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下垂体前葉機能低下症の症状

欠乏するホルモンにより症状は異なります。

すべての下垂体前葉ホルモンが欠乏する汎下垂体機能低下症、2種類以上のホルモンが欠乏する部分的下垂体機能低下症、1種類のみのホルモンが欠乏する下垂体ホルモン単独欠損症の3つに分類されます。

各ホルモンに関してはこちらを参照してください。
脳下垂体と下垂体前葉ホルモン 成長ホルモン プロラクチン等について

汎下垂体機能低下症

性腺刺激ホルモン(LH・FSH)の分泌低下により、成人女性の場合、無月経、乳房・性器の萎縮、成人男性の場合、性欲低下(ED)、精巣の萎縮などが起こります。

成長ホルモン(GH)の分泌低下により、筋力・筋肉量の低下、体脂肪の増加などが起こります。

甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌低下により、耐寒性の低下、皮膚の乾燥、便秘、不活発、除脈性不整脈(徐脈)などが起こります。

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌低下により、全身倦怠感、食欲不振、消化器症状、低血圧低血糖低ナトリウム血症、好酸球増加などが起こります。

部分的下垂体機能低下症

上記、汎下垂体機能低下症の症状のうち、欠乏するホルモンの症状が起こります。

下垂体ホルモン単独欠損症

成長ホルモン単独欠損症(GH単独欠損症)

視床下部性の場合、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)の分泌が低下することで起こり、下垂体性の場合、成長ホルモン(GH)の分泌が低下することで起こります。

症状として、成長ホルモン分泌不全性低身長症(下記)を発症します。

ゴナドトロピン単独欠損症

ゴナドトロピンとは性腺刺激ホルモンのことです。

視床下部性の場合、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の分泌が低下することで起こり、下垂体性の場合、性腺刺激ホルモンである黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌が低下することで起こります。

症状として、外性器不全、二次性徴が欠如し女性の場合は無月経、男性の場合は類宦官体型(るいかんがんたいけい:やせ型で背が高く、手足が長く、身長よりも両腕を広げた幅が長い)などが起こります。

視床下部性が多く、遺伝子異常により起こることが多いです。

甲状腺刺激ホルモン単独欠損症(TSH単独欠損症)

視床下部性の場合、甲状腺放出ホルモン刺激ホルモン(TRH)の分泌が低下することで起こり、下垂体性の場合、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌が低下することで起こります。 症状として、甲状腺機能低下症が起こります。

副腎皮質刺激ホルモン単独欠損症(ACTH単独欠損症)

視床下部性の場合、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)の分泌が低下することで起こり、下垂体性の場合、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌が低下することで起こります。

症状として、副腎皮質機能低下症が起こります。

自己免疫によるものが多いです。

成長ホルモン分泌不全性低身長症とは

成長ホルモン分泌不全性低身長症は下垂体から成長ホルモン(GH)の分泌が低下することにより成長速度が低下し、低身長となる病気です。

成長ホルモン分泌不全性低身長症の原因

特発性は原因不明のものです。他に原因となる疾患がある器質性、遺伝子異常が原因の遺伝性のものがあります。

特発性は、幼児~小児期に明らかになることが多いです。

器質性で最も多いのは脳腫瘍によるものです。その他に外傷や髄膜炎などが原因となります。

成長ホルモン分泌不全性低身長症の症状

他の低身長になる疾患と異なるところは、全身のプロポーションは正常であるということです。

成長速度の急激な低下がみられたり、年齢と身長の推移を成長曲線にした場合、標準偏差が平均身長の-2SD以下、あるいは成長速度が2年以上にわたって平均値の-1.5SD以下になります。

低身長が認められない乳幼児の場合、成長ホルモンの分泌不全により低血糖となっている場合があります。

低身長以外に、骨年齢の遅延や筋緊張低下などが起こることがあります。

性腺刺激ホルモン(LH・FSH)の分泌低下を合併している場合

男性の場合、幼児体型、声が高い、外性器の発育障害などが起こる場合があります。

女性の場合、無月経、乳房や内性器の発育障害などが起こる場合があります。

成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療

成長ホルモン補充療法により不足しているホルモンを補い、身長増加を促進します。
方法は、週に6~7回、就寝前に大腿部や臀部(でんぶ:尻、殿部)に患者自身や保護者が注射します。 原疾患がある場合はその治療を行います。

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参考文献

「病気がみえる vol.3: 糖尿病・代謝・内分泌」
医療情報科学研究所

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