橋本病の原因 症状 治療と甲状腺機能低下症の症状について

橋本病と甲状腺機能低下症の症状についてです。

橋本策

橋本病とは

橋本病は日本人の橋本策(はかる)博士(↑写真)がこの病気についての論文を発表したことから病名がつけられました。

橋本病はバセドウ病同様に自己免疫疾患であり、甲状腺に慢性の炎症が出る病気で、甲状腺機能低下症の一種です。

甲状腺の病気は女性に多いのが特徴ですが、この病気は特に顕著で一般に男女比は1:17あるいはそれ以上に女性が多いといわれています。

症状が外に出にくいのも特徴で、橋本病になっていても気付いていない人が相当数いると考えられています。

橋本病の原因

バセドウ病同様に甲状腺が免疫による攻撃を受けることが原因ですが、なぜそのようなことが起こるのかは不明です。

また同じくバセドウ病同様に病気に罹りやすい体質が遺伝することは原因の一つと考えられています。

橋本病の患者の血縁者に甲状腺の病気を持つ人がいることがしばしばあるからですが、バセドウ病ほどは遺伝についてはっきりと分かっていません。

自己免疫疾患の原因についてはこちらの記事で言及しています。
アレルギー、自己免疫疾患、自閉症の原因は体内の生態系にあった!

橋本病発症のメカニズム

原因は不明ですが、甲状腺の細胞に対して免疫が攻撃を加えるようになります。 攻撃を受けた甲状腺は徐々に慢性の炎症を起こし、細胞が傷ついていきます。

次第に甲状腺ホルモンが作られなくなり、ホルモン不足から機能低下の症状が現れるようになります。

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橋本病の症状

首の腫れ

初期症状はほとんど現れず、首の腫れだけが起こります。 バセドウ病の腫れが柔らかく表面はなめらかなのに対して、橋本病の腫れは、表面がゴツゴツして硬くなり、ときには結節(しこり)状になるという特徴があります。

橋本病の腫れの見分け方はバセドウ病同様に鎖骨の上の辺り喉仏の下が腫れているかどうかを確認します。

機能低下による全身の症状(甲状腺機能低下症の症状)

ホルモン不足の程度により症状には個人差がありますが、一般的に起こり得る症状は下記のようなものです。

体の冷え、寒がりになる

甲状腺ホルモンの不足は代謝を弱め、熱を作りだす力を低下させます。
このため寒がりや冷え性になりやすく、冬が苦手になる傾向があります。便秘

肌がカサカサし、蒼白になる

新陳代謝が悪くなる為、汗をかかず、皮膚は潤いや艶(つや)を失いがちになり、乾燥しカサカサします。症状が進むと白く粉をふいたようになることもあります。

貧血があると皮膚が冷たくなり、蒼白に見えます。

太りやすくなる

新陳代謝が悪くなる為、水分が汗となって外へ出ず体に溜まり、皮膚がむくんできます。
このため、食べていないのに太りやすくなります。

体にむくみがでる

顔がむくむとまぶたが腫れて目が細くなり、唇は厚く、頬(ほほ)が垂れ下がり、鼻が広がります。

舌が肥大することもあり、もつれて呂律が回らない話し方になります。 声帯や咽頭の粘膜がむくむと、声がしわがれて低くなります。

便秘になる

甲状腺ホルモンは腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を促すので、ホルモン不足は腸の活動を弱らせ便秘になります。
便秘とは 便秘を解消する食べ物 マッサージ 運動 ツボ等について

意欲の低下や物忘れ、眠気

居眠り甲状腺ホルモンは脳の細胞を働かせるためにも必要です。
従ってホルモン不足は記憶力や思考力の低下につながります。

また精神活動も鈍くなるため、気力が無くなり動くのが面倒になったり、 片付けができなくなったりします。

朝起きられず、すぐに昼寝したり電車で居眠りするということが増えます。

筋肉がつる

ふくらはぎなどが急につったり、首や腕がつることもあります。

脈拍の低下

心臓の動きがゆっくりになるため脈が弱くなり、心電図の波形も小さくなります。

月経過多や流産

女性の場合、月経の間隔が長くなったり量が多くなる場合があります。
流産の原因となることもあります。

橋本病の検査

橋本病の検査は内科、または内分泌科で行います。

  • 首の腫れの有無が一つの目安なので触診による確認や超音波(エコー)検査をします。
  • 血液検査により甲状腺ホルモンやTSHの状態を確認します。

橋本病の治療

血液検査で橋本病と診断されても甲状腺ホルモンの状態が正常であれば治療の必要はありません。

橋本病と診断され首の腫れだけがある場合、この腫れを小さくする治療法は現在ありません。

ただ甲状腺ホルモン剤の服用で小さくなる場合があるので、服用して様子を見る場合はあります。

その場合半年くらいで効果が出ない場合は服用を中止します。 橋本病の治療は基本的に甲状腺ホルモン剤の服用のみで行います。

甲状腺ホルモン剤の服用

甲状腺ホルモンの不足が確認された場合、たとえ症状を感じなくても、臓器に影響が出てしまうことを防ぐため甲状腺ホルモン剤の服用による治療を受けます。

症状がはっきり出ている人はホルモンの服用により症状が改善され、元気を取り戻すことができます。

服用の際の注意点

いきなり大量に服用すると体のバランスが崩れるため少しずつ薬の量を調節し、必要な量を見極めます。特に心臓病などの病気がある人は慎重に調整します。

甲状腺ホルモン剤は決まった量を毎日飲みますが、1~2日くらいの飲み忘れなら特に影響はありません。

症状が治まったからといって病気が治ったわけではないので、自己判断で服用の中止や薬の量を変えることはせず、医師の指示に従うようにします。

なお量を多く飲んでしまうと甲状腺機能亢進症の症状が出る場合があります。

副作用は?

適切な量を飲んでいれば副作用はほとんどありません。

橋本病は完治するのか?

これについてはバセドウ病とほぼ同じになります。
バセドウ病は完治するのか?

橋本病と診断され、上記リンクにある「Bスポット療法」を受ける場合、橋本病の治療(甲状腺ホルモン剤の服用)と並行して行って大丈夫です。

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参考文献

甲状腺の病気の最新治療―バセドウ病・橋本病・甲状腺腫瘍ほか (よくわかる最新医学)
伊藤 公一 監修

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