心不全とは?原因 症状 治療 うっ血性心不全 急性 慢性心不全等について

心不全とは何か、原因、症状、治療と心不全の種類などについて解説します。

心不全の人

心不全とは

心不全とは病名や疾患名ではなく、病態(病気の状態)であり、心臓のポンプ機能の障害により全身の各組織に必要な血液が供給できなくなった状態のことをいいます。

心不全の原因

ほぼすべての心疾患(心臓病)が原因となり得ます。
また、心疾患以外の病気が原因となることもあります。

日頃、食生活で鉄分の摂取が不足している人も心不全になりやすい傾向があります。
鉄分は肉類(特にレバー)や魚、海藻、納豆などに多く含まれます。

心不全の分類

心臓

Original Update by Wapcaplet and Yaddah (translated by Hatsukari715)

うっ血性心不全

血液の循環が停滞することで「うっ血」が生じ、肺うっ血、肝腫大(肝臓がうっ血して機能不全となる)、浮腫(ふしゅ:むくみ)などが起こってくるものを「うっ血性心不全」といいます。

左心不全

左心のポンプ機能が低下することにより、左心房圧が上昇し、左心房、肺静脈に血液がうっ血することで肺うっ血の状態となります。
進行すると肺水腫(血液中から肺に染み出す水分量が多くなる為呼吸不全となる)を起こします。

左心不全の症状

心拍出量低下によるもの

頭痛、動悸、全身倦怠感、頻脈(ひんみゃく:心拍数が増加)、冷や汗、乏尿(ぼうにょう:尿の排泄量の低下)、四肢冷感(四肢チアノーゼ)、血圧低下、意識障害などです。
重症化すると心原性ショック(下記)を起こすことがあります。

肺うっ血によるもの

息切れ、呼吸困難、喘鳴(ぜんめい:ゼーゼー、ヒーヒーという呼吸音)、咳などです。
進行すると肺水腫(左心不全を参照)となります。

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右心不全

右心のポンプ機能が低下することにより、右心房圧、中心静脈圧が上昇し、右心房、静脈系に血液がうっ血することで、全身の浮腫、肝腫大を起こします。

右心不全の症状

右脇腹の痛み、頸静脈怒張(けいじょうみゃくどちょう:頸静脈が拡張することで、めまいや悪寒がする)、浮腫、食欲不振、体重増加、吐き気、嘔吐、腹部膨満感、黄疸などです。

急性心不全

心筋梗塞による左心不全などにより、急激に心臓のポンプ機能が低下します。
血液循環の悪化による心臓への負担増大により呼吸困難となります。
悪化した場合は血圧を維持できず、心原性ショックや心肺停止を起こす可能性があります。

心原性ショック(しんげんせいショック)とは

ショックとは急性循環不順のことで、低酸素症による臓器障害をきたす状態のことです。
心疾患により急激に心臓の機能が悪化し、心拍出力が減少して起こるショックを心原性ショックといいます。

心原性ショックの症状

脈が弱まる、発汗、冷や汗、顔面蒼白、チアノーゼ(血液中の酸素濃度低下により皮膚や粘膜が青紫色を帯びること)、意識レベル低下、低血圧、無尿、乏尿、左心不全(上記)の症状、などです。

慢性心不全

心臓のポンプ機能低下が長期間続き、ポンプ機能の低下が徐々に進行していく状態です。

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心不全の治療

原因となる疾患と心不全の病状に対するもの両方の治療が必要となります。
薬物療法が第一選択で行われます。

薬物療法

急性心不全

肺うっ血の状態や心拍の状態などに応じて使用される薬物が異なります。
主に、鎮静薬、利尿薬、血管拡張薬、強心薬などが使用されます。

慢性心不全

RAA系抑制薬、β遮断薬、利尿薬、血管拡張薬、強心薬などが使用されます。
薬物療法とともに、塩分摂取制限や禁煙、禁酒、体重コントロール、適度な運動など日常生活の管理も重要となります。

心臓再同期療法

心不全患者は左室の伝導障害により収縮に乱れが生じやすいので、左右の収縮を同期させるために、ペースメーカーを使用して右室と左室を同期させます。
(左右の収縮がバラバラの場合、同時に起こるようにする)

補助循環療法

薬物療法が無理な場合や効果がない場合、心原性ショックを起こした場合などに用いられる方法です。

大動脈内バルーンバンピング(IABP)

専用のバルーンカテーテルを大動脈に挿入し、心拍に同期してバルーンを収縮、拡張させます。これにより血流を増加させ、心臓の負荷を軽減します。

経皮的心肺補助(PCPS)

人工心肺装置とカテーテルを使用して血液の循環を補助します。
鼠径部から大腿静脈と大腿動脈にカテーテルを挿入するので開胸手術の必要はありません。

心室補助人工心臓(VAS)

IABPやPCPSでも改善しない場合、心臓の近くに人工心臓を設置し、循環補助を行う方法です。

心臓移植

他に治療手段の無い末期の心不全に考慮される方法です。
感染症のリスクが高いため、免疫抑制療法を続けていく必要があります。

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参考文献

全部見える 図解 循環器疾患(スーパービジュアルシリーズ)
黒澤博身

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