血友病とは?血友病A、血友病Bの原因、症状、治療について

血友病とは何か、血友病A、血友病B、後天性血友病の原因、症状、治療について解説します。

抗血友病因子

抗血友病因子Ⅷ イメージ

血友病とは

全部で14ある凝固因子のうち第Ⅷ因子(抗血友病因子)が先天的に欠乏あるいは活性が低下しているものを血友病A第Ⅸ因子(クリスマス因子)が先天的に欠乏あるいは活性が低下しているものを血友病Bといいます。

これらの凝固因子は二次止血において重要な役割を持ちますが、血友病では欠乏や活性低下により止血がうまく行われず、出血時に血が止まらないという症状が起こります。

止血のメカニズムについてはこちらを参照してください。
止血機構と血小板の働き 一次止血 二次止血 線溶などについて

血友病A:Bの比率は5:1でAが多くなっています。

両方共に伴性劣性遺伝疾患であり患者はほとんどが男性です。

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血友病の原因

第Ⅷ因子または第Ⅸ因子の活性が先天的に低下あるいは欠乏していることにより起こります。

第Ⅷ因子、第Ⅸ因子の遺伝子はX染色体上にあります。
人間の場合、男性の染色体はXY、女性はXXです。

異常な遺伝子をX’とすると、男性の場合X’Yとなると血友病を発症します。
女性の場合、X’Xでは発症しません。発症するのはX’X’となった場合のみです。

X’YとXXという父親が血友病で母親が正常の両親から生まれた子供の場合、息子は父親のY染色体と母親のX染色体を引き継ぐため血友病になることはありません。娘の場合、X’Xとなるので保因者となりますが、発症することはありません。

しかし保因者となったX’Xの女性が正常な男性とカップルになった場合、その息子が母親のX’を引き継ぐとX’Yとなってしまい血友病となります。(Xを引き継げばXYとなるので問題ありません。)

父親が正常で母親が保因者の子供は、息子の場合50%の確率で血友病となり、娘は50%の確率で保因者となります。

血友病であるX’Yの男性と保因者であるX’Xの女性のカップルから生まれた娘は50%の確率でX’X’となり血友病を発症し50%の確率で保因者となります。息子の場合は50%の確率で血友病を発症し、50%の確率で正常となります。

以上からこの病気は隔世遺伝で発症することが多いことが分かります。
また、家系に血友病の患者がいなくても女系の家系の場合、異常因子はずっと引き継がれている可能性はあります。

約3割の患者は母親が保因者でなくとも、遺伝子の突然変異により発症しているといわれています。

血友病の症状

皮下出血、関節内出血・筋肉内出血による痛みを伴った腫れ、抜歯後の止血困難、頭蓋内出血、口腔内出血、消化管出血、血尿などが起こります。

血友病の治療

凝固因子補充療法として、血友病Aの場合、第Ⅷ因子製剤の投与が行われ、血友病Bの場合、第Ⅸ因子製剤の投与が行われます。

これらは定期的に投与されると共に、出血時や運動前など必要に応じて投与されます。(運動時には健常者でも関節内や筋肉内では少量の出血が起こっている)

凝固因子の補充は注射により自宅で行うことも可能です。

補助的治療法として軽症~中等度の血友病Aの場合、酢酸デスモプレシンを投与することで第Ⅷ因子を増加させることができます。

トラネキサム酸を投与することで線溶を抑制し、止血療法として用いることができます。

インヒビター保有先天性血友病

凝固因子補充療法を行った患者の中には製剤中の第Ⅷ因子や第Ⅸ因子を非自己と認識しインヒビター(循環抗凝固因子)という抗体が出現することがあります。

インヒビターが発現すると補充療法の効果が薄れる又は無くなってしまいます。

そこで、血中のインヒビターを中和するインヒビター中和療法や、第Ⅶa因子・第Ⅹa因子を用いるバイパス止血療法が行われます。

後天性血友病

膠原病、悪性腫瘍、分娩などをきっかけに後天的に第Ⅷ因子に対する自己抗体が作られる自己免疫疾患です。(基礎疾患がない場合もあります)

突然重症の出血傾向が起こります。

高齢の男女、20~30歳代の女性に多くみられます。

ステロイド等を使用した免疫抑制療法が行われ、出血時にはバイパス止血療法が行われます。

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参考文献

「病気がみえる vol.5: 血液」
医療情報科学研究所 (編集)

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2017年10月24日 血友病とは?血友病A、血友病Bの原因、症状、治療について はコメントを受け付けていません。 血液