羊水過多症 羊水過少症 羊水異常の原因 症状 治療について

羊水異常、羊水過多症、羊水過少症の原因 、症状、治療について解説します。

羊水

Original Update by drsuparna

羊水異常とは

羊水の量に異常があることを羊水異常といいます。

羊水の量は妊娠週数が進むにつれて増加し、妊娠30~35週頃にピークとなります。
妊娠40週を過ぎると減少傾向になります。

妊娠中期以降の羊水成分は胎児尿が大部分を占めるため、羊水異常は胎児尿の排出と羊水吸収のバランスの崩れにより起こるということになります。

羊水量の測定は経腹超音波検査にて行います。

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羊水過多症とは

羊水の量が800mL以上あるものを羊水過多といいます。

羊水過多の状態で症状を伴うものが羊水過多症です。

羊水過多症の原因

約60%は原因不明(特発性)で起こります。

羊水の産生が過剰になる原因として、妊娠糖尿病、糖尿病合併妊娠、双胎間輸血症候群の受血児、無脳症、水頭症、二分脊椎などがあります。

羊水の吸収が低下する原因として、食道閉鎖症、十二指腸・小腸上部閉鎖症、横隔膜ヘルニア、無脳症、水頭症、二分脊椎などがあります。

羊水過多症の症状

急激な子宮の増大、体重増加が起こります。

子宮増大の圧迫症状として、腹部膨満感、呼吸困難、起座呼吸(寝ていると苦しい為、上半身を起こして呼吸しようとすること)、悪心・嘔吐、頻尿などが起こります。

胎児の約20%に先天性奇形があり、早産、異常分娩のリスクもあります、そのため胎児の死亡率は健常児よりも高くなります。(約2~7倍)

起こり得る合併症

妊娠中・分娩時

切迫早産、微弱陣痛、遅延分娩、前期破水を起こす場合があります。

破水時

常位胎盤早期剥離、臍帯脱出、逆子など胎位・胎勢異常を起こす場合があります。

分娩後

弛緩出血、子宮復古不全を起こす場合があります。

羊水過多症の治療

原因となる疾患があればその治療を行います。

入院して安静にし前期破水や切迫早産の予防に努めます。
必要に応じて子宮収縮抑制剤の投与が行われます。

圧迫症状が強い場合、羊水穿刺・排液を行う場合があります。

羊水過少症とは

羊水の量が100mL未満であるものを羊水過少といいます。

羊水過少の状態で症状を伴うものが羊水過少症です。

羊水過少症の原因

胎児尿の産生障害(腎無形成[ポーター症候群:腎臓が形成されず尿が排出されない]、腎形成不全、多嚢胞腎、尿路閉鎖など)、破水による羊膜腔からの羊水流出により起こります。

原因の約半数は前期破水によるものです。

羊水過少症の症状

妊婦の腹部(子宮)が妊娠週数に比べて小さいですが、自覚症状として感じられるものは特にありません。

起こり得る合併症

臍帯が圧迫され血行障害による胎児機能不全が起こる場合があります。

子宮壁による圧迫のため、肺低形成、四肢の変形、関節拘縮(こうしゅく:関節の動きが制限される)が起こる場合があります。

羊膜と密着し羊膜癒着(羊膜索症候群)を起こす場合があります。

羊水過少症の治療

本質的な治療方法はありません。

臍帯圧迫などにより一過性頻脈が認められた場合、人工羊水を注入する場合があります。

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参考文献

「病気がみえる vol.10: 産科」
医療情報科学研究所 (編集)

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