尿酸 尿酸値 プリン体とは 高尿酸血症の原因 症状 治療などについて

プリン体、尿酸、尿酸値、高尿酸血症の原因、症状、治療等について解説します。

プリン体

プリン体とは

プリン体は生物の必須エネルギーであるATP(アデノシン三リン酸)、GTP(グアノシン三リン酸)、DNAやRNAなどの核酸の原料となる成分です。

プリン体の85%~90%は体内で作られ、10~15%は食べ物として口から摂取されます。 プリン体はATP等のエネルギーが燃やされた後の燃えカスに含まれます。また代謝によって古い細胞が死ぬと核酸が分解されプリン体が体内に放出されます。

尿酸とは

プリン体は肝臓で処理され(生合成)、尿酸となります。尿酸の3/4は尿として、1/4は便として排泄されます。 ただし尿酸は難溶性で排出されにくい性質があるため、体内に留まって痛風の原因となることがあります。

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尿酸値と高尿酸血症

血液中(血清中)の尿酸の量を表すものが尿酸値です。 尿酸値の男性の平均値は3.5~7.0mg/dLで、女性は2.4mg~5.8mg/dLと、男性の方が高くなる傾向があります。

この値が7.1mg/dLになると高尿酸血症ということになります。

高尿酸血症には、尿酸が体内で過剰生産される尿酸産生過剰型と、尿酸の排泄がうまくいかない尿酸排泄低下型、その両方が合わさった混合型の3つの病型があります。

それぞれの頻度は尿酸産生過剰型が約10%、尿酸排泄低下型が約60%、混合型が約30%となっています。

病型は血液検査と尿検査により判定します。 

高尿酸血症の原因

高尿酸血症のほとんどは原因となる疾患の無い原発性ですが、他の病気が原因となる二次性の場合もあるので注意が必要です。

原因不明の特発性のものはストレスが関与していることもあります。

尿酸産生過剰型 原発性

原因不明(特発性)のものと、PRPP合成酵素亢進症、レッシュ・ナイハン症候群等の遺伝子の異常によるものがあります。

尿酸産生過剰型 二次性

造血器疾患(多血症、溶血性貧血、白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫)、化学療法によるもの、乾癬(かんせん:皮膚病の一種)、糖原病3,5,7型、甲状腺機能低下症副甲状腺機能低下症、薬剤によるもの等が原因となります。

尿酸排泄低下型 原発性

ABCG2等の遺伝子の異常によるもの(原因不明の特発性とされていますが原因遺伝子は解明されつつあります)と、遺伝性腎症である家族性若年性高尿酸血症腎症(FJHN)によるものがあります。

尿酸排泄低下型 二次性

腎不全脱水尿崩症、利尿薬によるもの、飢餓、糖尿病ケトアシドーシス、高乳酸血症、薬剤によるもの等が原因となります。

混合型 原発性

原因は不明です(特発性)。

混合型 二次性

糖原病1型、アルコール過剰摂取、過激な運動(無酸素運動)、ショック、心不全、呼吸不全、メタボリックシンドローム等が原因となります。

高尿酸血症の症状

高尿酸血症自体は無症状(無症候性高尿酸血症)であることも多いですが、進行すると痛風、腎機能低下(CKD腎不全)、動脈硬化等が起こります。 また高血圧脂質異常症糖尿病尿路結石、等を合併しやすくなります。

高尿酸血症の治療

原発性の場合、遺伝的要因(※)で尿酸値が下がりにくい人も含め、食事療法(飲酒制限を含む)、運動療法、ストレスを溜めないようにする、など生活習慣の改善が重要となります。

遺伝的要因により尿酸値が7.0mg/dL以下に下がらなくても、生活習慣に気をつけ可能な限り7.0mg/dLに近づけることで、痛風などに進行させないことが可能です。

高尿酸血症を治療せず放置して、尿酸値が8.0mg/dLを超えるような状態が続くと痛風による激痛やその他の病気に襲われる可能性が高くなります。

※両親や家族に痛風・高尿酸血症がある人は特に注意が必要ですが、そうでない場合でも、肥満もなく生活習慣に気をつけているのに尿酸値が下がらないという場合は遺伝子の問題である可能性が高くなります。

二次性の場合、原因となる疾患の治療、薬物使用の見直しなどを行います。

食事療法

肥満(BMI25以上)の人は体重を落とすようにします。内臓脂肪を落とすことも尿酸値を落とすことにつながります。
自分のBMIを知る

糖質制限食はダイエットに効果的です。また炭水化物や砂糖・果糖は尿酸値を高める傾向にあるので制限したほうがよいです。
糖質制限とは 糖尿病の食事と糖質制限食・糖質制限ダイエットについて

制限し過ぎて栄養不足にならないよう、しっかり栄養を摂ることも大切です。

プリン体を含むものを制限する

前述したように食べ物から摂るプリン体は全体の15%ほどです。プリン体を摂らないだけで劇的に改善することはありませんが、やはり食べ過ぎは良くありません。

プリン体の多い食品

かつお、鶏レバー、するめいか、牡蠣(かき)、にしん、豚レバー、まあじ、さんま、牛レバー、ずわいがに、まいわし、べにます(缶詰)、まだこ、鶏ささみ、まぐろ、どじょう、鶏手羽肉、ひらめ、たらこ、はまぐり、豚ひれ肉、鶏砂肝、牛もも肉等に多く含まれています。

アルコールを制限する

アルコールそのものが尿酸値を上げるので、お酒全般を控える必要があります。特にビールはプリン体も含むので要注意です。

ワインは200ml程度なら痛風につながらないと言われています。 具体的には週に2日は禁酒日を設け、1日に飲む量を日本酒なら1合、ビール500ml以下、ウイスキー60ml以下という具合に制限します。

野菜や海藻を多めにする

野菜に含まれるプリン体は問題が無いことが分かっています。 また野菜や海藻は尿をアルカリ化する効果があります。(尿のpHを上げるということ。pHは通常弱酸性)

※pH(ピーエイチ:水素イオン指数)は、0~14の数値で表します。0~7が酸性、7が中性、7.1~14はアルカリ性です。

特にもずくには尿酸値を下げる効果があるのでお勧めです。

水を飲む

水を飲むことは尿酸の排泄に効果的です。 藤田紘一郎先生は自身の糖尿病と痛風を食生活改善と水を飲むことで治したそうです。

水はアルカリ性pH8以上の非加熱軟水(尿路結石の合併を防ぐため)のものがお勧めとのことです。
水道水と塩素 ミネラルウォーター 水素水 炭酸水 硬水 軟水の違いについて

1日に飲む水の量などについてはこちらを参考にしてください。
水を飲むだけの健康法!病気を治す飲水法 水ダイエットの効果は?

水以外の飲み物に注意する

清涼飲料水など砂糖や果糖の入ったものは控える必要があります。

緑茶、ココア、紅茶にはシュウ酸が含まれ尿路結石を招く可能性があるので、飲み過ぎに注意しましょう。

コーヒーは尿酸値を下げる効果があります。ただし、シュウ酸が含まれているので結石がある人は控えるべきです。

牛乳やヨーグルトを摂る

2017年1月に放送された「ガッテン!」で尿酸値を下げるには牛乳やヨーグルトを毎日摂ると効果があるということです。

また低脂肪や無脂肪のほうがより効果が高いそうです。

毎日コップ1杯の牛乳を飲むことで痛風の発症率が43%下がるとのことです。
直接飲んでも料理に使っても同様の効果があります。

運動療法

激しい運動(無酸素運動)は避け、ウォーキング、水泳(ゆっくり泳ぐ)等の有酸素運動を継続的に行うようにします。

その際、水分補給もこまめに行うようにすると良いでしょう。

薬物療法

尿酸値が9.0mg/dL以上の場合、薬物療法が検討されます。 病型により尿生産抑制薬、または尿酸排泄促進薬が投与されます。

また、尿酸値が8.0mg/dL以上で腎障害や血管障害のリスクとなる合併症がある場合も薬物療法が検討されます。 尿酸値が8.0mg/dL未満の場合、薬物療法は行いません。 

西式甲田療法

西式甲田療法では、高尿酸血症を改善することが可能です。
実行する場合、必ず専門家の監視下で行ってください。

難病 原因不明の病気が治る西式甲田療法とは 少食 断食の効果について

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参考文献

「病気がみえる vol.3: 糖尿病・代謝・内分泌」
医療情報科学研究所

「尿酸値の高い人がまず最初に読む本 最新版」
谷口 敦夫 (監修), 主婦と生活社 (編集)

体をつくる水、壊す水
藤田紘一郎 著

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