間質性肺炎 肺線維症 放射線肺炎 じん肺の原因、症状、治療について

間質性肺疾患に分類される間質性肺炎、肺線維症、放射線肺炎、じん肺(塵肺 )の原因、症状、治療について解説します。

肺胞間質性肺疾患とは肺間質に起こる炎症や線維化などの病気の総称です。
間質とは臓器の実質でない部分のことを言い、肺間質は肺胞(上のイラスト)を取り囲む隔壁のことを指します。

間質性肺炎とは(特発性間質性肺炎)

間質性肺炎といった場合、通常は原因が不明の特発性間質性肺炎のことを指します。

気管支の末端にある肺胞の実質である肺胞腔内(肺胞の中)に炎症が起こるものが通常の肺炎ですが、肺胞の外側の間質に炎症が起こるものが間質性肺炎です。

高齢者、特に男性に多くみられます。

肺線維症(特発性肺線維症)とは

間質性肺炎の多くは肺間質に持続的な炎症が起こり、その炎症が修復される時にコラーゲン線維が産生されるということが繰り返され瘢痕(はんこん:治癒した後に残る変性)になります。
これを線維化といいます。喫煙者に多くみられる傾向があります。

過剰な修復により次第に肺が線維化されることから、間質性肺炎は肺線維症と呼ばれることがありますが、厳密には間質性肺炎のうち線維化を起こすものを特発性肺線維症といいます。

線維化した肺胞は硬くなり、柔軟性を失い、結果的に息切れや呼吸困難を招きます。

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間質性肺炎(肺線維症)の原因

特発性間質性肺炎(特発性肺線維症)の原因は不明です。

間質性肺炎の症状

初期症状は痰を伴わない乾いた咳(せき)や、歩いたり動いたときの息切れです。
症状(線維化)が進むと、安静時にも息苦しく感じられ、呼吸困難、ばち指(下記)などが起こることがあります。さらに重症化するとチアノーゼ(下記)が現れます。

ばち指とは

酸素不足により指の先端が太鼓のばちのように太くなることです。

チアノーゼとは

酸素不足により皮膚や粘膜が青紫色になることです。

間質性肺炎の治療

線維化されてない状態ならばステロイド単独でも治療効果が期待できます。

線維化が進んだ場合、治療は安定期と増悪期(症状が悪化して不安的な状態)で異なりますが、特発性肺線維症の場合、有効性が明らかな治療法が確立していないのが現状です。

安定期の治療

抗線維化薬(ピルフェニドン)の投与(下記)、N-アセチルシステイン吸入療法(下記)、ステロイド+免疫抑制薬の投与、肺移植などが状況に応じて行われます。

ピルフェニドンの副作用

光線過敏症、悪心、嘔吐などが起こることがあります。

N-アセチルシステイン吸入療法とは

抗酸化作用から呼吸機能の低下を抑制する作用があります。
長期的に使用しても副作用はほとんど無いとされています。

増悪期の治療

ステロイドの大量投与、パルス療法(下記)、好中球エラスターゼ阻害薬の投与、PMX-DHP療法などが状況に応じて行われます。

パルス療法とは

ステロイド薬である「メチルプレドニゾロン」の注射と「プレドニゾロン」の内服を繰り返して行う治療法です。

放射線肺炎

放射線の照射によって引き起こされる間質性肺炎のことです。
肺は放射線感受性が高いため、癌(がん)などの悪性腫瘍に対する治療で大量の放射線が照射されたときに発症することがあります。

放射線肺炎の症状

乾いた咳、発熱、呼吸困難などですが、無症状のまま経過することも多いです。

放射線肺炎の治療

ステロイドが用いられます。

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じん肺(塵肺)

長期にわたって粉塵(ふんじん)を吸入することで肺の間質に炎症が起こり、さらに線維化により硬くなってしまう病気です。
炭鉱や粉塵の多く出る工場などで働く人に多く見られます。

1960年(昭和35年)に制定された「じん肺法」により、職場で吸入した無機粉塵が原因となっている場合のみじん肺と呼びます。

粉塵を吸いこんでも発症するまでに早くて5~15年、通常は20年以上かかるので、中高年に多く見られます。

じん肺を発症すると、肺結核、間質性肺炎、COPD、肺がんなどの病気を合併しやすくなります。

じん肺の種類

珪肺(けいはい)

遊離珪酸の吸入により起こります。
石の加工、陶器製造、ガラス製造作業などを行う人に多く見られます。

石綿肺

石綿(アスベスト)の吸入により起こります。

アルミニウム肺

アルミニウムの吸入により起こります。

炭肺

炭粉の吸入により起こります。
炭坑内作業に従事する人に多く見られます。

炭鉱夫

セメント肺

セメントの吸入により起こります。

じん肺の症状

初期には自覚症状が無いことがほとんどです。
進行すると咳や痰、労作時の息切れ、呼吸困難などが現れます。

じん肺の治療

一旦粉塵によって侵された肺は元には戻りません。
根本的な治療法が無い為、予防がとても大切です。

対処療法として、咳を抑えるための鎮咳薬(ちんがいやく)、痰を抑える去痰薬(きょたんやく)、呼吸困難を抑える気管支拡張薬などが症状に応じて用いられます。

また合併症がある場合はその治療も行われます。

残存肺機能の保持のため、禁煙呼吸リハビリテーションを行うことが大切になります。

参考文献

「病気がみえる vol.4 呼吸器」
医療情報科学研究所 編集

これだけは知っておきたい呼吸器の病気」
福地 義之助 総監修

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