過敏性腸症候群(IBS)とは 診断 原因 症状 治療 食事について

過敏性腸症候群とは何か?原因、症状、治療、診断、食事などについて解説します。

過敏性腸症候群 過敏性腸症候群(IBS)は腹痛などの症状はあるものの、器質的には問題なく原因がはっきりしない病気です。

同じように原因不明で胃や十二指腸に症状が出るものを機能性ディスペプシアといいますが、心因性のものと考えられている点では同じです。

過敏性腸症候群のタイプ

過敏性腸症候群には症状によって4つのタイプがあります。

  1. 下痢型
  2. 便秘型
  3. 交替型(混合型)
  4. ガス型

下痢型は男性や若年者に多くみられる傾向があります。

便秘型は女性に多くみられます。毎日出なくても2~3日に1度など定期的に便が出ていれば便秘とはいいません。

便秘の場合、便が出るときは硬い便のため排便が困難になる傾向があります。

交替型は下痢になったり便秘になったりと両方を繰り返すものです。

ガス型は排ガス(おなら)が多くなります。

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過敏性腸症候群の診断

過敏性腸症候群の診断基準は、6ヶ月以上前から症状があり、過去3ヶ月は「月に3日以上にわたって腹痛や腹部不快感が繰り返し起こり、下記項目の2つ以上に該当する」という基準に当てはまることです。

  1. 排便により症状が軽減する
  2. 発症時に排便頻度の変化がある
  3. 発症時に便形状の変化がある

これは「Rome委員会」という国際機関による診断基準(RomeⅢ)です。

過敏性腸症候群は内視鏡検査や血液検査などで異常が見られないことが特徴です。

過敏性腸症候群の原因

原因は不明ですが、心理的なストレスによるものと考えられています。 またストレスがかかったとき、人はその人の弱い部分に症状が出るといいます。

その点では、腸が弱いということの大きな要因に腸内細菌が弱いということが考えられます。 幼少期の保育が不適切(虐待、育児放棄、愛情不足など)であった場合も要因になるとされています。

過敏性腸症候群の症状

腹痛、腹部不快感があり排便で軽減する、下痢、便秘、排ガス(おなら)などです。

発熱や血便、体重減少などを伴う場合は別の病気です。

過敏性腸症候群の治療

対処療法(症状を抑える治療)として、高分子重合剤、消化管運動調節薬、必要に応じて抗不安薬や抗うつ薬、整腸薬などが処方されます。

ストレスへの対処方法は機能性ディスペプシアと同様なのでこちらを参照してください。
ストレスに対処する機能性ディスペプシア)

過敏性腸症候群の食事

腸内細菌を強化する食事については炎症性腸疾患と同様なので以下を参照してください。仮に今あるストレス要因を排除できて治ったとしても、また別のストレスがかかってきた時に再発する可能性を無くすためには腸内細菌を改善する必要があります。

クローン病患者の食事について
潰瘍性大腸炎患を完治させる食事について

過敏性腸症候群のタイプ別・克服方法、治し方

下痢型

下痢は本来ウイルスや害をもたらす細菌などの毒素を排出する体の反応です。

下痢は体の水分や栄養も外に出してしまうので、水分補給、栄養補給をしっかりして補う必要があります。

病気を完治させる為には本来薬は飲まないほうがいいのですが、公共の場や渋滞中の車の中など、下痢に襲われたらどうしようという不安による悪循環に陥る可能性があるので、下痢止めや整腸剤を上手く使って不安を無くすということも必要になります。

薬に関しては症状をきちんと説明して病院で処方してもらうことをお勧めします。

過敏性腸症候群の場合は腸に問題があるわけではないので、下痢を恐れて食事を摂らないというのは良くありません。腸に良いものをしっかり食べることは病気を治す為に重要なことです。

下痢の原因は?下痢してる時の食べ物 乳糖不耐症 水様便とは

便秘型

便秘は毒素を体内に溜めこんでしまう為、他の病気の原因にもなりかねないものです。薬で出そうとすることは極力控え、食事の改善やストレスのコントロール、腸のマッサージなどで治します。

簡単な腸もみの方法として、自分で左右の脇腹(肋骨の下の柔らかい部分)をそれぞれの手で揉む、という方法があります。簡単で効果の高い方法なので、トイレに入る前や、排便したいタイミングで実行してみるとよいでしょう。

便秘とは 便秘を解消する食べ物 マッサージ 運動 ツボ等について

女性に便秘が多い理由

女性に便秘が多い理由として、女性ホルモンの一つである黄体ホルモンの働きがあります。

生理前に便秘になることが多いと感じたら、これが原因の可能性が高いでしょう。

黄体ホルモンは子宮を守ろうとして腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を抑制し、便秘の原因となることがあります。

また排卵後、妊娠に備えて便の水分を吸収し体に水分を保持しようと働くことが、便が出にくい原因になります。

これらの対策として、水分補給を多めにする、蠕動運動を促すために腹筋運動などで体を動かす(特に女性は男性に比べて筋力が弱いことが便秘につながりやすいです)ということを心がける必要があります。

便秘とは 便秘を解消する食べ物 マッサージ 運動 ツボ等について

ガス型

おならが出るということは自然現象の一つなので、止めようとか気にし過ぎることは体に良いことではありません。

おならの臭いが気になる場合は、肉食を控え、野菜や果物を多めに摂るようにします。

腸内に善玉菌が多くなるとおならの臭いは無臭に近くなるので、乳酸菌やビフィズス菌の豊富な発酵食品(納豆やヨーグルト等)、ビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖(タマネギ、ごぼう、豆類などに含まれています)を多く摂るようにします。

またファーストフードやお菓子(特に加工品)を食べることも臭いのあるガスが出やすくなる原因となります。

過敏性腸症候群の人のおならは臭いが強い傾向がありますが、これは腸内環境が悪いということを表しているとも言えます。善玉菌を増やす食事を心がけましょう。

炭酸飲料はおならが出やすくなるので、控えたほうが良いでしょう。

どうしても膨満感(お腹が張って苦しい)が辛い場合、ガス減少薬であるジメチコンという薬を飲む方法もあります。処方に関しては病院で相談するようにしてください。

腸に良い食事はこちらを参考にしてください。
腸内環境を改善する食事 腸に良い食事 腸内細菌 腸内フローラについて

爪もみを行う

薬をなるべく使わないことが回復へつながると医学博士の安保徹先生は述べています。人差し指の爪の生え際をもむことが効果があります。

また鍼灸治療には大腸運動異常を回復させる作用があるので、自律神経免疫治療は過敏性腸症候群に効果があると思われます。

↓爪もみや自律神経免疫治療についてはこちらを参照してください。
免疫力低下の原因は?免疫力を高める 冷え性を治す血流改善方法!

西式甲田療法

西式甲田療法では、様々な胃腸病が完治した例が多数報告されています。
実行する場合、必ず専門家の監視下で行ってください。

難病 原因不明の病気が治る西式甲田療法とは 少食 断食の効果について

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参考文献

「最新版 過敏性腸症候群の治し方がわかる本」
伊藤 克人 著

「病気がみえる 〈vol.1〉 消化器」
医療情報科学研究所 (編集)

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