低カリウム血症 高カリウム血症の原因 症状 治療 カリウム不足について

低カリウム血症、高カリウム血症の原因、症状、 治療、カリウムの多い食べ物やカリウムの不足・過剰などについて解説します。

アボカド

カリウムについて

カリウム(K)は細胞内の主要な陽イオンであり、体内のカリウムのほとんどが細胞内に存在します。食事で摂取したカリウムは発汗や排便でも排泄されますが、最も多いのは排尿による排泄です。

細胞内液に多く存在するカリウムの濃度は細胞外液に多く存在するナトリウムの濃度とほぼ同じなる作用が働いています。また、腎臓の尿細管にて輸送されるカリウムは多くの場合ナトリウムの輸送と連動しています。

これらの作用から、カリウムを多く摂取して排泄することはナトリウムの排泄を促進することにつながり、血圧を下げ、高血圧を予防する効果があると考えられています。

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カリウムの不足と過剰症

カリウムの1日の摂取基準は成人男性で2,500mg、成人女性が2,000mg、目標摂取量は成人男性で3,000mg以上、成人女性が2,600mg以上とされています。

カリウム不足は低カリウム血症、過剰は高カリウム血症につながりますが、通常の食事を摂っていれば欠乏や過剰にはなりません。

カリウムとナトリウムのバランスは通常1:2になっています。ナトリウム(塩分)よりカリウムを多めに摂る(1:2以下にする)ことで血圧を下げる効果が得られるので、しっかり食事で摂取したい成分ですが、腎不全などがあるとカリウム量を調節できなくなるので腎臓の病気がある人は注意が必要です。

カリウムを多く摂ると尿で排泄させるので、腎臓の機能に問題が無ければ多めに摂ることは問題ありません。

カリウムを多く含む食品

アボカド、納豆、バナナ、ほうれん草、スイカ、枝豆、パセリその他野菜や芋など様々な食品に含まれています。煮ると多く消失してしまうので、スープや味噌汁に入れた場合、その汁を飲むことでカリウムを逃さず摂取できます。

低カリウム血症とは

体内のカリウム不足などにより血清カリウム濃度が低下して起こる病気です。

低カリウム血症の原因

大きく分けて摂取低下細胞内シフト排泄増加の3つが原因となります。

カリウム摂取量の低下

飢餓などで摂取不足が長期間続くと起こります。

血液中のカリウムが細胞内へ移動

血液のアルカリ度上昇、β2受容体刺激薬の投与、インスリンの作用によるもの、リフィーディング症候群(長期間の絶食後に急速に栄養補給することで起こる)など。

カリウム排泄量の増加

下痢、嘔吐、ドレナージ(人工的に体液を排出)、尿細管の機能障害、RAA亢進、利尿薬の使用など。

低カリウム血症の症状

多尿、口渇、不整脈、倦怠感、しびれ、麻痺性イレウス、筋肉痛、脱力、筋力低下などが起こります。

慢性的な低カリウム血症では多くの場合無症状です。
長期におよぶ低カリウム血症は腎不全に至ることがあります。
アンモニアの産生が促進されるので肝不全の人は肝性脳症に注意する必要があります。

低カリウム血症の治療

症状が軽い場合、カリウムの経口投与が行われます。
重症の場合、点滴によるカリウム投与が行われます。

高カリウム血症とは

体内のカリウム過剰などにより血清カリウム濃度が上昇して起こる病気です。

高カリウム血症の原因

大きく分けて摂取過剰細胞外シフト排泄低下の3つが原因となります。

カリウム摂取量の増加

輸血、カリウム剤の投与、高カリウム含有食、ナトリウムの代わりにカリウムを用いた代用塩の使用など。

細胞内のカリウムが血液中へ移動

血液のアルカリ度低下、β受容体拮抗薬の投与、絶食や糖尿病などによるインスリンの欠乏、溶血(赤血球が破壊される)や内出血などによる細胞崩壊、高血糖、筋弛緩薬などとして使われるサクシニルコリンの作用によるものなど。

カリウム排泄量の低下

腎機能低下、アルドステロン欠乏、急激な塩分制限による集合管でのカリウム分泌低下、薬剤の使用など。

高カリウム血症の症状

不整脈、心室細動、心停止、呼吸筋麻痺による低換気、脱力、筋力低下、弛緩性麻痺、下痢などが起こります。

高カリウム血症の治療

心室細動、心停止などの超緊急処置としてカルシウム製剤の投与が行われます。
低血糖などの緊急処置としてインスリンや重炭酸ナトリウムが投与されます。
準緊急処置(慢性期)として利尿薬や陽イオン交換樹脂の投与を行いカリウムの排泄を促します。

カリウム制限食の実施や人工透析が行われる場合もあります。

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参考文献

「病気がみえる vol.8: 腎・泌尿器」
医療情報科学研究所 (編集)

栄養の基本がわかる図解事典」
中村 丁次 監修

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