無顆粒球症 伝染性単核球症 血球貪食症候群の原因 症状 治療について

白血球の異常である無顆粒球症、伝染性単核球症(伝染性単核症)、ランゲルハンス細胞組織球症、血球貪食症候群の原因、症状、治療について解説します。

白血球

無顆粒球症

顆粒球には好中球好酸球、好塩基球がありますが、無顆粒球症はこれらが減少する病気で特に好中球が著しく減少します。

無顆粒球症の原因

薬剤の作用や薬剤に対するアレルギーが主な原因となります。

抗甲状腺薬、抗菌薬、消炎鎮痛薬などの頻度が高いです。

他に先天性のものや血液疾患によるものもあります。

無顆粒球症の症状

高熱(39~40℃)、咽頭(いんとう:のど)・扁桃に白苔をともなう潰瘍(かいよう)ができる、のどの強い痛み、全身衰弱感、などの症状が現れます。

無顆粒球症の治療

原因となる薬剤の使用を中止します。

抗菌薬G-CSF(好中球の産生を促進)などの投与が行われます。

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伝染性単核球症(伝染性単核症)

ヘルペスウイルスの一種であるEBウイルス(EBV:エプスタイン・バーウイルスあるいはエプスタイン・バールウイルス)がB細胞に感染することで起こる感染症です。

キスで感染するのでキス病ともいわれます。

B細胞ではなくT細胞NK細胞に感染すると慢性活動性EBウイルス感染症となり、蚊に刺されることでアレルギー反応を起こします。

伝染性単核球症の原因

EBウイルスに感染することで起こりますが、このウイルスは3歳までに約80%が初感染し、その場合症状が出ないことがほとんどです。

思春期になってから初感染すると伝染性単核球症を発症しやすくなります。

キスなど唾液により感染することが多いです。

本来は幼児期に感染(母子感染)し、このウイルスと共生することで、体を守ってもらえると考えたほうがよさそうです。
EBVとの共生

伝染性単核球症の症状

発熱(38℃以上の熱が1~2週間続く)、全身のリンパ節の腫れ(特に首)、のどの痛み、白苔を伴う扁桃腫大、発疹、肝腫大(肝臓が腫れて大きくなる)、眼瞼浮腫(がんけんふしゅ:まぶたの腫れ)、関節痛、脾腫(脾臓の腫れ)などが起こります。

これらの症状は1~3ヶ月で自然治癒します。

伝染性単核球症の治療

基本的に安静にしていることで治癒します。

細菌感染合併症がある場合、ペニシリン系以外の抗菌薬を投与します。

ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)

樹状細胞の一つであるランゲルハンス細胞が増殖し様々な臓器を浸潤(しんじゅん:浸み込んで広がる)するものです。

10歳以下の小児に多くみられます。

ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)の原因

原因は不明です。

ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)の症状

骨病変(骨の痛みなど)、皮膚病変(発疹など)、リンパ節の腫れ、呼吸器症状、肝腫大(肝臓が腫れて大きくなる)、眼球突出、尿崩症などが起こります。

ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)の治療

LCHには限局型と多発型があり、限局型の場合は経過観察となり、多発型の場合、多剤併用化学療法、免疫抑制療法などが行われます。

血球貪食症候群(HPS)

活性化されたT細胞が過剰にサイトカインを産生し、高サイトカイン血症となることで起こる病気です。

過剰なサイトカインによりマクロファージが活性化され血球が食べられ減少します(貪食される)。

T細胞やマクロファージの役割や性質、サイトカインについてはこちらを参照してください。
免疫とは?自然免疫と獲得免疫 免疫細胞の働き 炎症とは何か等について

血球貪食症候群(HPS)の原因

HPSには遺伝性に起こる一次性と感染症やリンパ腫などにより起こる二次性のものがあります。

一次性

家族性血球貪食症候群、チェディアック・東症候群などがあります。

二次性

HPSのほとんどは二次性であり感染症や悪性腫瘍、自己免疫疾患などが原因となります。特に多いのはEBウイルス(EBV)によるものです。

感染症

ウイルスによるものとして、EBウイルス、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルスなどがあります。

他に細菌性や真菌性のものもあります。

悪性腫瘍

悪性リンパ腫、白血病などによるものがあります。

自己免疫疾患

全身性エリテマトーデス(SLE)、成人スティル病などによるものがあります。

その他

アレルギー疾患、薬剤性、造血幹細胞移植、アルコールなどによるものがあります。

血球貪食症候群(HPS)の症状

高熱が続く、肝臓や脾臓の腫れ、汎血球減少(はんけっきゅうげんしょう:赤血球、血小板、白血球が減少)、肝機能障害、DIC(全身の細小血管内に微小血栓が多発する)などが起こります。

血球貪食症候群(HPS)の治療

高サイトカイン血症に対して、ステロイド、γ-グロブリン、シクロスポリン(抗生物質)、エドポシド(抗癌剤)などが投与されます。

血球減少に対して輸血が行われる場合があります。

原因となる疾患の治療が行われます。

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「病気がみえる vol.5: 血液」
医療情報科学研究所 (編集)

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2017年10月18日 無顆粒球症 伝染性単核球症 血球貪食症候群の原因 症状 治療について はコメントを受け付けていません。 血液