リンパとは?場所や働き リンパ節、胸腺、脾臓の役割等について

リンパとは何か、リンパはどこにあるのか?場所や働き、リンパ管、リンパ節、胸腺、脾臓の役割などについて解説します。

リンパマッサージ

リンパとは

リンパ」と言った場合、「リンパ液」、リンパ液が流れる「リンパ管」、リンパ管の節目にある「リンパ節」により構成されるリンパ系のことを指している場合とリンパ液のことを指して言う場合があります。

例えば「リンパを流す」と言った場合はリンパ液の流れを促進させるということを意味します。

また扁桃パイエル板虫垂、骨髄、胸腺、脾臓などのリンパ組織、リンパ器官が含まれる場合もあります。

リンパの役割・働き

リンパの役割の一つは細胞や組織の余分な水分などの老廃物を回収することです。

もう一つは生体防御の為、免疫系においての役割です。
特にリンパ節やリンパ組織には免疫細胞が集まっており、異物の排除や病原体との戦いが繰り広げられます。またリンパ管は免疫細胞の移動に使われます。

免疫とは?自然免疫と獲得免疫 免疫細胞の働き 炎症とは何か等について

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リンパ液

血管から組織に漏れ出した血漿(けっしょう)を組織液と言いますが、組織液を毛細リンパ管が吸収したものがリンパ液です。

血漿とは血液から血球や血小板を取り除いたものですが、白血球(≒免疫細胞)は自ら血管の外に出てくることができます。特にサイトカインにより血管が緩められることで、白血球は大量に移動しリンパ液に含まれます。

リンパ液には赤血球はほどんど含まれていない為、薄い黄色味を帯びた透明の液体となっており、含まれる白血球のほとんどはリンパ球(B細胞、T細胞、NK細胞)です。

以上からリンパ液の成分は血漿+白血球ということになります。また、リンパ液中の血漿成分のことをリンパ漿といいます。
なお血漿(リンパ漿)の成分は水分、脂質、糖質、蛋白質、電解質、老廃物などです。

リンパ球などの免疫細胞(白血球)やサイトカインについてはこちらを参照してください。
免疫とは?自然免疫と獲得免疫 免疫細胞の働き 炎症とは何か等について

リンパ管とリンパ節

リンパ管は脳以外の全身に分布しています。
リンパ管の走行途中にはリンパ液の濾過装置であるリンパ節(下図の黒丸部分)があります。

リンパ節はリンパ流の関所のような場所であり、異物や病原体などの抗原がせきとめられ、抗原の侵入を他の場所にいる免疫細胞に伝える為の作業が行われたり、免疫細胞と病原体による戦闘が起こったりします。

この免疫戦争が起こると、リンパ節内の免疫細胞が活性化し増殖するので、リンパ節が肥大します。触るとグリグリするのは免疫戦争による腫れのためです。

さらに腫れにともなって発熱や痛みを生じる状態がリンパ節炎です。
リンパ管とリンパ節

リンパの流れ

毛細血管から漏れ出した血漿は組織液としてリンパの源流である毛細リンパ管に吸収され、リンパ液となりリンパ管へと流れて行きます。

毛細リンパ管

顔のリンパは頚リンパ節へ集まり、手指のリンパは肘を通って腋窩(えきか)リンパ節へ、足指のリンパは膝を通って鼠径リンパ節へ集まります。

更に鼠径リンパ節→乳び槽→胸管と流れてきたリンパは頸部(首)にある左右の静脈角へ注ぎ、静脈に合流します。同様に頚リンパ節、腋窩リンパ節からも静脈角へと流れ静脈に合流します。

リンパ管にはリンパの流れが逆流することを防ぐ弁があり、弁と弁の間のリンパ管分節の収縮や蠕動運動(ぜんどううんどう)によって、常に一方向に流れていきます。

胸腺

胸腺は免疫反応の中心的役割を担っており、心臓の上前方に位置しています。
新生児では約10gで生後2~3年で急成長し、思春期においては30~40gに達します。

その後成人になると性ホルモンの影響を受けて退縮し結合組織に置き換わってしまいます。

胸腺の発生過程の早い時期に、骨髄で作られた未熟なリンパ球(T細胞)が胸腺に入ってきます。
未熟なT細胞は厳格に選別され、基準に満たしていないものは排除されます。

生き残ったT細胞は成熟したナイーブT細胞として胸腺から巣立つことが許されます。胸腺が退縮する頃には、T細胞は成熟して全身に巣立っています。

なお、胸腺が退縮してもT細胞を成熟させる機能が完全に消失するわけではありません。胸腺

脾臓

脾臓は腹腔の左上隅、横隔膜のすぐ下にある臓器です。
血液を作る造血器であり、リンパ組織として免疫機能に大きく関わっています。

脾臓内の白脾髄(はくひずい)は白血球の集まるリンパ組織です。血液中の異物や細菌などの抗原を処理し、抗体の産生を行います。

抗原や抗体についてはこちらをご覧ください。
免疫とは?自然免疫と獲得免疫 免疫細胞の働き 炎症とは何か等について

また、赤脾髄(せきひずい)は血液を貯蔵し、血液量を調節しています。
老化した赤血球の解体処理やヘモグロビンの鉄や蛋白質などを再利用するために貯蔵し、骨髄での造血に役立てています。

リンパ管の末端は赤脾髄につながっており、血液水分や組織液の調節を行っていることを示唆します。脾臓

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参考文献

リンパの科学」
加藤 征治 (著)

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