髄膜炎とは 細菌性髄膜炎 無菌性髄膜炎等の原因 症状 治療について

髄膜炎とは何か、細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、真菌性髄膜炎、無菌性髄膜炎の原因、症状、治療について解説します。

くも膜

髄膜 Original Update by Jmarchn

髄膜炎とは

髄膜は脳および脊髄を覆う3層構造(硬膜、くも膜、軟膜)の膜のことです。

髄膜炎とはくも膜、軟膜、その両者に囲まれたくも膜下腔に炎症が起きたものです。

細菌やウイルス等の感染性のものとガンや膠原病、薬剤などが原因となる非感染性のものがあります。

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細菌性髄膜炎(急性化膿性髄膜炎)

細菌の感染が原因で起こる髄膜炎です。

急激に発症し放置すれば死に至る可能性も高いため、緊急に治療が必要となります。

細菌性髄膜炎の原因

年齢により原因菌は異なります。

新生児の場合(4ヶ月まで)

B群レンサ球菌、大腸菌、インフルエンザ菌などが原因で起こります。(左から多い順)

乳幼児の場合(4ヶ月~6歳)

インフルエンザ菌、肺炎球菌、髄膜炎菌などが原因で起こります。(左から多い順)

小児から成人の場合(6歳~50歳)

肺炎球菌、インフルエンザ菌、髄膜炎菌などが原因で起こります。(左から多い順)

壮年から老年の場合(50歳以降)

肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌などが原因で起こります。(左から多い順)

細菌性髄膜炎の症状

発熱、頭痛、嘔吐、意識障害、頭部硬直(仰向けに寝ている状態で他人が頭を持ち上げようとすると抵抗がある)、ケルニッヒ徴候(仰向けに寝ている状態で足を上げようとしても膝から上が上がらない)などの症状が起こります。

細菌性髄膜炎の治療

抗菌薬ステロイドの投与が行われます。

結核性髄膜炎

結核菌が原因で起こる髄膜炎です。

結核性髄膜炎の原因

結核菌に感染することで起こります。

1~6歳の幼児と成人に多く見られます。

結核性髄膜炎の症状

発熱、頭痛、嘔吐、意識障害などが起こります。

放置すると脳底部の炎症、水頭症、脳神経麻痺などを起こし死亡します。

結核性髄膜炎の治療

抗結核薬、ステロイドの投与が行われます。

脳浮腫が強い場合グリセロールの点滴が行われます。

真菌性髄膜炎

真菌が原因で起こる髄膜炎です。

真菌性髄膜炎の原因

真菌は元々体内に常在していますが、免疫抑制剤を使用している人やエイズの人、抗菌薬やステロイドを多用している人などは免疫力が低下するため真菌が増殖しやすくなり、発症の原因となります。

真菌にはクリプトコックス、カンジダ、アスペルギルス、ムーコルなどがあり、最も頻度が高いのはクリプトコックスによるものです。

真菌性髄膜炎の症状

発熱、頭痛、嘔吐、意識障害などが起こります。

アスペルギルスが原因となるものは、脳梗塞脳出血、脳膿瘍などを起こす場合があります。

ムーコルが原因となるものは、眼球突出、眼筋麻痺などを起こす場合があります。

真菌性髄膜炎の治療

アムホテリシンB、フルシトシン、フルコナゾールなどの抗生物質、抗真菌薬が投与されます。

無菌性髄膜炎

髄膜炎の症状が現れているにも関わらず、髄液から菌が検出されないものです。

主に子供に多くみられ、症状は細菌性のものより軽い傾向があります。

無菌性髄膜炎の原因

ウイルス性のものが大半を占めます。

最も多いのはエンテロウイルスによるもので無菌性髄膜炎の約80%を占めます。

次いで多いのがムンプスウイルスによるもので約10%を占めます。

その他に、単純ヘルペスウイルスによるものや膠原病、薬剤や造形剤などによって起こるものがあります。

無菌性髄膜炎の症状

発熱、頭痛、嘔吐、羞明(しゅうめい:普通の光が異常に眩しくかんじられる)などが起こります。

エンテロウイルスによるものは胃腸症状や発疹、ムンプスウイルスによるものは耳下腺腫脹、単純ヘルペスウイルスによるものは発疹が現れます。

無菌性髄膜炎の治療

通常は2~3週間で自然治癒するので治るまでは安静にします。

頭蓋内圧が高い場合、抗脳浮腫薬が投与されます。

単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスが原因の場合、アシクロビル(抗ウイルス薬)が用いられます。

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参考文献

病気がみえる 〈vol.7〉 脳・神経
医療情報科学研究所 (編集)

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