月経(生理) 月経周期と月経異常 月経痛(生理痛) 閉経等について

月経(生理)とは何か、月経周期や月経異常、月経痛(生理痛)、閉経などについて解説します。

月

月経とは

月経とは、約1ヶ月間隔で起こり数日で自然に止まる子宮内膜からの周期的な出血のことをいいます。

月経のサイクル

月経周期は通常28~30日であることが最も多いです。

増殖期(卵胞期)→分泌期(黄体期)→月経期(黄体~卵胞期)というサイクルを繰り返します。

増殖期

卵胞はエストロゲンを分泌します。その作用により子宮内膜が増殖・肥厚します。

増殖期から分泌期に移行するタイミングで排卵が起こります。

分泌期

排卵した卵胞は黄体となり、プロゲステロンとエストロゲンを分泌します(主にプロゲステロン)。

また子宮内膜腺からグリコーゲンを含む分泌物を分泌します。

排卵後はプロゲステロンの作用により基礎体温が0.3~0.6℃上昇します。

プロゲステロンは子宮内膜の質を変え、着床に適した状態にします。

受精すると受精卵は分裂を繰り返し子宮内膜に着床します。着床した場合は、妊娠となります。この場合プロゲステロンの分泌が続くので出血は起こりません。

受精しなかった場合や、受精しても着床しなかった場合は月経期に移行します。

月経期

月経期は3~7日ほどです。
エストロゲン、プロゲステロンの減少により子宮内膜が剥がれ子宮外に排出されます。

黄体は退縮し白体となります。

再びエストロゲンが増え始めると子宮内膜が再生を始め止血され、増殖期に移行します。

月経痛(生理痛)

月経時には子宮内膜の剥離が起こり、子宮筋の収縮や血流低下が起こります。
これにより腹痛や下腹部の痛みが起こると考えられています。

また月経時にはプロスタグランジンという生理活性物質が合成され、これが血流に入り体内を巡ることで悪心、頭痛、倦怠感などが起こると考えられています。

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月経異常

正常の場合、月経(生理)は10~14歳で始まります。

月経(生理)開始時期の異常

早発月経

10歳未満で月経が始まってしまうものを早発月経といいます。

早発月経は早発思春期の診断基準の一つでもあります。

早発思春期の多くは原因不明の特発性ですが、頭蓋内腫瘍や中枢神経障害、性ホルモン産生腫瘍、甲状腺機能低下症などが原因で起こる場合もあります。

早発思春期の診断基準は他に7歳以下での乳房発育、9歳未満での陰毛発生があります。1つでも基準を満たせば早発思春期ということになります。

遅発月経

15歳以降に月経が始まることを遅発月経といいます。
18歳になっても月経が起こらない場合は原発無月経といいます。

乳房発育11歳、陰毛発生13歳、初経発来14歳、これらがいずれもみられないものを遅発思春期といいます。

遅発月経の原因として考えられるものに、性分化異常症、アンドロゲン不応症ターナー症候群、副腎性器症候群、下垂体機能低下症クラインフェルター症候群などがあります。

閉経時期の異常

正常の場合、閉経は43~54歳で起こります。

早発閉経

43歳未満で閉経したものをいいます。

骨粗鬆症動脈硬化のリスクが上がります。

遅発閉経

55歳以降に閉経したものをいいます。

子宮体がんや乳がんの発症リスクが上がります。

月経の量、持続期間の異常

正常の場合、1回の月経量は20~140mlです。
また、月経の持続期間は3~7日間です。

過少・過短月経

月経量が20ml以下のものを過少月経といい、月経期間が2日以内のものを過短月経といいます。

過少月経と過短月経は同時に起こることが多く、原因は同じです。

無排卵の場合、無排卵周期症の可能性があります。

頻発月経(下記)の場合、黄体機能不全の可能性があります。

内分泌に異常がない場合、アッシャーマン症候群や子宮内膜炎が原因で起こる場合があります。

過多・過長月経

月経量が140ml以上のものを過多月経といい、月経期間が8日以内のものを過長月経といいます。

過多月経と過長月経は同時に起こることが多く、原因は同じです。

過多月経の目安として最も出血の多い日(多くは月経周期2日目)にナプキンの交換頻度が30分おきだったり、血の塊がみられる、貧血症状が起こる等の場合があります。

抗凝固薬を服用している場合に起こることがあります。

初経や2回目の月経で起こった場合、血液疾患の可能性があります。

20~40歳の場合、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などが原因で起こる場合があります。

40歳以降の場合、子宮内膜増殖症、子宮体がんなどが原因で起こる場合があります。

無排卵の場合、無排卵周期症の可能性があります。
排卵がある場合、黄体機能不全症の可能性があります。

血液検査により凝固因子異常があった場合、血液凝固系の疾患(特発性血小板減少性紫斑病や白血病)の可能性があります。

細胞診断や組織検診、画像検査で異常があった場合、子宮内膜増殖症、子宮筋腫、子宮腺筋症の可能性があります。

月経周期の異常

正常の場合、月経周期は25~38日です。

頻発月経

24日以内で次の月経が起こるものを頻発月経といいます。

無排卵周期症黄体機能不全、子宮体がん、子宮頸がんなどが原因で起こる場合があります。

希発月経

39日以上3ヶ月未満のものを希発月経といいます。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、高プロラクチン血症、肝機能異常、糖代謝異常、膠原病などが原因で起こる場合があります。

続発無月経

3ヶ月以上月経がないものを続発無月経といいます。

続発無月経の原因として高プロラクチン血症、視床下部性、下垂体性、卵巣性、子宮性、その他に分けられます。

視床下部性

心因性のものを含む視床下部の機能障害によるもの、フレーリッヒ症候群 、キアリ・フロンメル症候群、アルゴンツ・デルカスティロ症候群、神経性食欲不振症、体重減少性無月経などが原因で起こる場合があります。

下垂体性

シーハン症候群下垂体腺腫などが原因で起こる場合があります。

卵巣性

早発卵巣不全、手術による卵巣摘出、抗ガン剤や放射線治療などが原因で起こる場合があります。

子宮性

アッシャーマン症候群、子宮内膜炎などが原因で起こる場合があります。

その他

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が原因で起こる場合があります。

不正出血(不正性器出血)

通常の月経以外の異常な性器出血のことを不正性器出血といいます。

不正出血には以下のような種類があります。

妊娠性出血

妊娠時の不正出血です。

流産、異所性妊娠、胞状奇形などで起こります。

性器外出血

出血部位が性器外のものです。

、出血性膀胱炎、尿道カルンクルなどで起こります。

器質性出血

器質的な異常により起こるものです。

炎症性疾患、腫瘍、外傷などにより起こります。

薬剤性出血

薬剤が原因で起こるものです。

経口避妊薬、抗エストロゲン薬、抗凝固薬などの使用時や薬剤性高プロラクチン血症などがあります。

血液疾患・肝疾患

血液疾患や肝疾患が原因で起こる場合があります。

機能性子宮出血

上記以外が原因で不正出血が起こるものです。

不正出血の約30%を占めます。

参考文献

「病気がみえる vol.9: 婦人科・乳腺外科」
医療情報科学研究所 (編集)

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