脳神経とは 視神経 三叉神経 顔面神経 内耳神経 迷走神経等について

脳神経とは何か、嗅神経、視神経、動眼神経、三叉神経、顔面神経、迷走神経等について解説します。

脳神経

脳神経 Original Update by Patrick J. Lynch

脳神経とは脳や脳幹から出ている末梢神経の総称であり、運動や感覚、自律神経機能の副交感神経を司っています。

脳神経は左右12本ずつあり、中枢神経系から出る高さの順にⅠ~Ⅻの番号が割り振られています。(上図参照)

脳神経核

脳神経核は脳神経の神経細胞体が集まった部分で、脳神経と大脳をつなぐ中継地点です。
第Ⅲ~Ⅻ脳神経の核は主に脳幹にあります。

脳神経核

脳神経核

スポンサーリンク

嗅神経(Ⅰ)

嗅神経は嗅覚を司る感覚神経です。
鼻の嗅細胞(嗅神経)から得た匂いの情報は嗅球→嗅索→中枢と伝わります。
嗅覚の経路は唯一視床を経由しません。

匂いがわからない 嗅覚の仕組みと嗅覚障害の原因 治療について

視神経(Ⅱ)

視神経は視覚を司る感覚神経で、眼球から入った視覚情報を後頭葉に伝えます。

視神経

左右の視神経は鼻側半分が視交叉で交叉します。
この為右視野の情報は左脳、左視野の情報は右脳に伝わります。

網膜からの情報は視神経を通り、大部分が視床の外側膝状体に入り、そこから視放線となって一次視野覚である後頭葉第17野に伝えられます。

これらの経路が障害されるとその部位により様々な視野欠損の症状が現れます。

視覚の経路

動眼神経(Ⅲ)・滑車神経(Ⅳ)・外転神経(Ⅵ)

動眼神経、滑車神経、外転神経は協調して眼球運動を司ります。

動眼神経は運動神経と副交感神経からなり、滑車神経、外転神経は運動神経です。

三叉神経(Ⅴ)

三叉神経(さんさしんけい)は顔面の感覚を司る感覚神経と咀嚼の運動を司る運動神経からなり、次の3つに分かれます。

眼神経(Ⅴ1)

角膜、結膜や頭頂から鼻にかけて分布し、顔面の感覚に関わっています。

上顎神経(Ⅴ2)

上顎から頬、下顎から側等部と外耳道の一部に分布し、顔面の感覚に関わっています。

下顎神経(Ⅴ3)

下顎から側等部と外耳道の一部、舌の前2/3に分布し、顔面の感覚と舌の前2/3の温痛覚、触覚に関わっています。

さらに下顎神経は唯一運動神経成分があり、咀嚼筋などに分布し咀嚼運動に関わっています。

顔面神経(Ⅶ)

顔面神経は運動神経、感覚神経、副交感神経からなり、主に表情筋などの運動を司ります。
額にしわを寄せる、眼を閉じる、口の開閉や口角を上げる、アブミ骨反射などは顔面神経の働きによるものです。

また、味覚や涙・唾液の分泌、外耳道・鼓膜の温痛覚などの機能も合わせもちます。

内耳神経(Ⅷ)

内耳神経(聴神経)は蝸牛神経と前庭神経からなる感覚神経です。

蝸牛神経は聴覚、前庭神経は平衡感覚の情報を伝えます。

内耳神経.

1前庭神経 nervus vestibularis、2蝸牛神経 nervus cochlearis、3:顔面神経 nervus intermediofacialis、4:膝神経節 ganglion geniculi、5:鼓索神経 chorda tympani、6:蝸牛管 cochlea、7:半規管 ductus semicirculares、8:槌骨malleus、9:鼓膜 membrana tympani、10:耳管 tuba auditiva

Original Update by Patrick J. Lynch, numbers by Uwe Gille

音の伝わり方

外耳道→鼓膜→耳小骨(ツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨)→蝸牛→有毛細胞→蝸牛神経→中枢

聴覚の伝導路

有毛細胞→らせん神経節(蝸牛神経)→蝸牛神経核→外側毛帯→内側膝状体→視覚野(側頭葉)

平衡感覚の伝導路

半器官・卵形嚢・球形嚢→前庭神経→前庭神経核→小脳・大脳・眼球運動系の核・脊髄

卵形嚢・球形嚢(耳石器)など内耳についてはこちらも参照してください。
内耳とは?三半規管 蝸牛の役割 めまい 耳鳴り 難聴について

舌咽神経(Ⅸ)・迷走神経(Ⅹ)・舌下神経(Ⅻ)

舌咽神経、迷走神経、舌下神経は互いに深く関わっています。

舌咽神経(Ⅸ)

舌咽神経(ぜついんしんけい)は舌の1/3の味覚、温痛覚、触覚を司ります。
また迷走神経とともに咽頭の運動・感覚を支配する他、耳下腺における唾液の分泌を司ります。

咽頭の挙上運動を行うのは運動神経です。

舌の後ろ1/3の味覚と、舌の後ろ1/3・咽頭・耳の温痛覚・触覚、咽頭・頸部の内臓感覚を感じるのは感覚神経です。

唾液の分泌は副交感神経によるものです。

迷走神経(Ⅹ)

迷走神経は咽頭・喉頭、胸腹部の臓器の運動や感覚などを司ります。

咽頭・喉頭の運動を行うのは運動神経、咽頭や臓器の内臓感覚は感覚神経、臓器の運動や分泌調節は副交感神経が行います。

舌下神経(Ⅻ)

舌下神経は舌筋を支配し、舌の運動を司る運動神経です。

舌の神経支配

舌の運動は舌下神経が支配し、舌の後1/3の温痛覚・触覚・味覚は舌咽神経舌の前2/3の温痛覚・触覚は三叉神経、味覚は顔面神経がそれぞれ支配しています。

舌の神経

Original Update by ArnoldReinhold

副神経(Ⅺ)

副神経は胸鎖乳突筋(顔を左右に向ける筋肉)と僧帽筋(肩を上げる筋肉)を支配する運動神経です。

スポンサーリンク

参考文献

病気がみえる 〈vol.7〉 脳・神経
医療情報科学研究所 (編集)

スポンサーリンク