中性脂肪とメタボリックシンドローム 体脂肪や内臓脂肪について

中性脂肪とメタボリックシンドローム、体脂肪(皮下脂肪と内臓脂肪)などについて解説します。

脂肪の多い太った人

中性脂肪について

コレステロールが体を作る材料だとすれば、中性脂肪は体を動かすために必要なエネルギーの貯蔵庫です。中性脂肪は脂質の摂取でも増加しますが、炭水化物やお菓子、果物などに含まれる糖質からも作られます。

食事として摂取した糖質は小腸から吸収された後、大半がブドウ糖に分解され、全身に供給されて消費しますが、全部使い切らずに一部は貯蔵分として肝臓に運ばれます。

肝臓に運ばれた糖質は中性脂肪に作り変えられ、体脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)として蓄えられます。そしてエネルギーが必要になったとき随時消費されます。

貯蔵分を消費しないうちに糖質や脂質を摂ってしまうと体脂肪が増えることになってしまいます。

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中性脂肪の役割

中性脂肪もコレステロール同様に体に欠かせません。
中性脂肪には主に次の3つの役割があります。

エネルギー源

いざというときのエネルギー源になります。
万一飢餓状態になっても、蓄えておいた中性脂肪を消費して生き延びることができます。

体温保持

体温が下がり過ぎると体の機能が低下します。
皮下脂肪は体から熱が逃げるのを防ぎ、体温を保ちます。

臓器の保護

臓器を外部の刺激から守ります。
皮下脂肪や内臓脂肪がクッションとなり臓器を保護します。

中性脂肪が増えるとどうなるか

エネルギー原として蓄えられる中性脂肪ですが、増えすぎることで肥満を招いてしまいます。
皮下(皮膚の下)に蓄えられた脂肪を皮下脂肪といい、腹腔内(お腹の中)のものを内臓脂肪といいます。

また中性脂肪の増加は「急性膵炎(すいえん)」を起こす原因にもなります。

皮下脂肪

他にエネルギーがなくなったときの長期備蓄分であり、すぐにはつきにくいものの、一旦つくと減りにくいという特徴があります。

皮下脂肪の多い「皮下脂肪型肥満」は一般的には女性に多くみられます。
皮下脂肪型肥満は下半身がふっくらと洋梨型体型になる傾向があります。

内臓脂肪

内臓脂肪はすぐにつく反面、比較的早く消費される為減りやすい脂肪でもあります。
ただしつき過ぎるとメタボリックシンドロームの要因となります。

内臓脂肪の多い「内臓脂肪型肥満」は一般的に男性に多くみられます。
内臓脂肪型肥満はお腹がポッコリと出るりんご型体型になる傾向があります。

女性は女性ホルモンの作用で内臓脂肪がつきにくい傾向がありますが、更年期以降は内蔵型肥満にも注意が必要です。

HDLコレステロールが減る

中性脂肪が必要以上に増えてしまうと善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールが減少してしまいます。HDLコレステロールが減るとコレステロールの回収率が下がり悪玉といわれるLDLコレステロールが増加し、動脈硬化が進んでしまいます。

お酒と中性脂肪

お酒の飲み過ぎも中性脂肪の増加につながります。
さらに「脂肪肝」という肝臓に中性脂肪が過剰に溜まった状態も招きます。

脂肪肝は肝硬変や肝がんへ進むこともあるので、中性脂肪が増加している場合はお酒の飲み過ぎに十分注意する必要があります。

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メタボリックシンドローム(代謝症候群)について

メタボリックシンドロームとは動脈硬化の危険因子が複数重なった状態で、最大の要因は内臓脂肪の蓄積にあります。

食べ過ぎと運動不足により肥満となりますが、肥満とは糖質や脂質を過剰に備蓄した状態です。

内臓脂肪が増えると、動脈硬化を抑制したり血糖値を下げる働きのある物質(アディポネクチン)が減少します。すると膵臓から分泌されるインスリンの効きが悪くなり血糖値が下がりにくくなってしまいます。

高血糖、高血圧にもつながり動脈硬化や糖尿病のリスクを高めます。

メタボリックシンドロームの診断基準

下記(1)と(2)の両方の条件に当てはまればメタボとなります。

(1)腹囲(おへその位置で測る)が男性85cm以上、女性90cm以上ある。
(2)下記3つのうち2つ以上に該当する。

  • 中性脂肪 150mg/dl以上
  • 血圧 収縮期血圧(上)が130mmHg以上、または拡張期血圧(下)が85mmHg以上
  • 空腹時の血糖値が110mg/dl以上

メタボリックシンドロームを改善するには

食事の量を減らすことも大切ですが、最も効果的な方法は運動することです。
内臓脂肪はウォーキングなどの簡単な運動ですぐに減らすことができます。

参考文献

脂質異常の最新治療
石川 俊次

「図解でわかる動脈硬化・コレステロール」
白井 厚治、 大越 郷子 著

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