切迫早産と早産の原因、症状、予防、兆候、リスクなどについて

早産について。切迫早産と早産の原因、症状、兆候、リスクなどについて解説します。

早産

早産は妊娠22~37週未満での出産をいいます。
正常な出産(正期産)は37~42週です。

特に22~34週未満は合併症のリスクが高くなります。

早産の原因

早産は、高齢出産や生殖補助医療による出産、性行動の奔放化、妊婦の喫煙やダイエットなどの要因により増加傾向にあります。

早産は自然早産人工早産に分けられます。

自然早産

文字通り自然に分娩に至るものです。

自然早産の原因

過去にあった問題として、前回妊娠での早産、頸管円錐切除、頸管無力症の既往などは原因となり得ます。

現在抱える問題として、細菌性膣症(絨毛膜羊膜炎へ移行する可能性がある)、絨毛膜羊膜炎頸管無力症、多胎妊娠(生殖補助医療によるものも多い)、羊水過多症常位胎盤早期剥離前置胎盤、その他重篤な妊娠合併症などが原因となり得ます。

このうち最も多いのは絨毛膜羊膜炎によるものです。

生活習慣として、痩せている(ダイエット)、喫煙、ストレスなども原因となり得ます。

人工早産

母子の安全のために分娩誘発や帝王切開により人為的に出産させるものです。

人工早産の原因

前期破水、重い妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離、前置胎盤、その他重篤な妊娠合併症、胎児機能不全、胎児発育不全などが原因となり得ます。

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早産児の合併症

早産(発育不十分)のため起こるものと、子宮内での感染が原因の合併症があります。

早産によるもの

脳室内出血、未熟児網膜症、呼吸窮迫症候群、動脈管開存症、高ビリルビン血症などが起こる場合があります。

感染によるもの

脳性麻痺、敗血症、慢性肺疾患、壊死性腸炎などが起こる場合があります。

胎児炎症反応症候群

母体で起こった絨毛膜羊膜炎は子宮内に炎症を起こし、この炎症で放出される炎症性サイトカインは早産を引き起こすとともに、胎児の全身で炎症反応を引き起こします。

胎児に感染がないにも関わらず多臓器障害が生じるものを胎児炎症反応症候群(FIRS)といいます。

成人してからの問題

早産により低出生体重児として生まれた場合、臓器の発育が不十分であることにより、成人してから高血圧2型糖尿病、腎疾患などの生活習慣病になる確率が高いことが近年明らかになってきました。

早産の予防

予防としてできることは、

・妊娠したら仕事などで過度なストレスをかけないようにする
・少なくとも妊娠中の喫煙はやめる
・しっかり栄養を摂る
・帯下(おりもの、たいげ、こしげ)の量や臭いなどに異常を感じたら検査を受ける
・早産や破水の兆候を少しでも感じたら検査を受ける

ということが挙げられます。

切迫早産とは

切迫早産とは妊娠22週~37週未満において、早産の危険性が高い状態のことをいいます。

切迫早産の兆候・症状

下腹部痛、腹部膨満感が起こります。
破水の兆候として少量の性器出血や血性の帯下(おりもの、たいげ、こしけ)、液状の帯下などがみられます。

切迫早産の治療

絨毛膜羊膜炎や胎児発育不全の疑いがある場合、分娩誘発または帝王切開が検討されます。

破水している場合

32週未満の場合、母体にステロイドや抗菌薬を投与し妊娠を継続します。

34週未満で胎児の肺の成熟が不完全な場合、抗菌薬を投与し妊娠を継続します。

34週以降で胎児の肺が成熟している場合、分娩誘発を行うか、陣痛が来るのを待ちます。

未破水の場合

子宮収縮抑制薬、副腎皮質ステロイドなどが用いられます。

ステロイドは細胞の分化・成熟を促進します。そのため妊娠末期の妊婦に投与することで、肺が未成熟の胎児肺を成熟させることができます。ただし最低2日間はかかります。

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参考文献

「病気がみえる vol.10: 産科」
医療情報科学研究所 (編集)

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2017年8月2日 切迫早産と早産の原因、症状、予防、兆候、リスクなどについて はコメントを受け付けていません。 婦人科・産科