腎血管性高血圧 溶血性尿毒症症候群 腎梗塞の原因 症状 治療について

腎臓の血圧・血液量を維持するRA系、RAA系についてや、腎血管系の病気である腎血管性高血圧、溶血性尿毒症症候群、腎梗塞の原因、症状、治療について解説します。

腎血管

Original Update by winnifredxoxo

血圧・血液量を維持するRA系、RAA系について

血圧や循環血漿量の低下が起こると腎臓は蛋白質分解酵素であるレニンを血液中に分泌します。レニンは主に肝臓から分泌されるアンジオテンシノゲン(アンジオテンシノーゲン)を一部分解してアンジオテンシンⅠに変換します。

アンジオテンシンⅠは肺に存在するアンジオテンシン分解酵素(ACE)によりアンジオテンシンⅡに変換されます。アンジオテンシンⅡは全身の血管を収縮させ血圧を上昇させます。また口渇を感じさせ体内水分量を増やしたり、腎臓の近位細尿管にてナトリウムと水の再吸収を促し循環血漿量を増加させます。

このレニン分泌からアンジオテンシンⅡの作用までをRA系(レニン・アンジオテンシン系)と呼びます。

アンジオテンシンⅡは副腎皮質を刺激してステロイドホルモン(ミネラルコルチコイド)の一つであるアルドステロンを分泌させます。アルドステロンが腎臓の集合管で働くことで、ナトリウムの再吸収を促進し、循環血漿量など体液量を増加、さらに血圧を上昇させます。

レニン分泌からアルドステロンの作用までをRAA系(レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系)と呼びます。

血漿(けっしょう)とは血液の白血球、赤血球、血小板を除いた成分のことです。

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腎動脈とは

泌尿器

Original Update by Jordi March i Nogué

①尿路系 ②腎臓 ③腎盂 ④尿管 ⑤膀胱 ⑥尿道 ⑦副腎 腎動静脈
⑨下大静脈 ⑩腹部大動脈 ⑪総腸骨動静脈 ⑫肝臓 ⑬大腸 ⑭骨盤

⑧の赤い血管が腎動脈です。(青は腎静脈)

腎血管性高血圧

腎動脈の狭窄により腎血流が低下し、レニン、アンジオテンシン、アルドステロンの亢進(こうしん:分泌や作用が過剰になること)により高血圧が引き起こされる病気です。

狭窄は両側の腎動脈に起こる場合と片側だけの場合があります。

腎血管性高血圧の原因

以下の可能性があります。最も多いのは1.の粥状硬化(じゃくじょうこうか:血管に粥状の塊ができる)です。

  1. 脂質異常症糖尿病により、血管に粥状硬化が起こる。中年以降の男性に多くみられます。
  2. 原因不明で大動脈の分岐に数珠状の狭窄が起こる。(線維筋性異形成)若年~中年女性に多くみられます。
  3. 高安動脈炎により大動脈、主要分岐に瘢痕化(はんこんか:組織欠損後に修復が不完全となる)が起こる。若い女性に多くみられます。
  4. 上記以外に、血栓塞栓症、大動脈解離、外傷なども原因となります。

腎血管性高血圧の症状

急激に血圧が上昇し高血圧となります。

腎血管性高血圧の治療

バルーンカテーテルによる血管拡張術が行われます。

薬物療法として、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、カルシウム拮抗薬、β遮断薬などが投与されます。

安保徹先生の見解

薬を使うと透析に追い込まれてしまうので、温める治療により血流を改善すれば徐々に血圧は下がるとのことです。

交感神経緊張の生き方を変え、副交感神経優位にしていく工夫が必要とのことです。(ストレスを和らげ、リラックスする生き方をする)

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溶血性尿毒症症候群とは

溶血性尿毒症症候群ようけつせいにょうどくしょうしょうこうぐん)とは、血栓性微小血管症という血管内皮細胞の障害により微小血管内に血栓形成が多発する病気の一種です。

溶血性尿毒症症候群は乳幼児に多くみられ、血小板減少、溶血性貧血、急性腎不全の3つが起こる病気です。

溶血性尿毒症症候群の原因

多くは腸管性出血性大腸菌に感染後、そのベロ毒素を原因として発症します。

成人の場合、膠原病や悪性腫瘍の基礎疾患に対する薬剤がきっかけとなって発症することが多いです。

溶血性尿毒症症候群の症状

下痢、激しい腹痛、血便などが起こり、その約1週間後に浮腫(ふしゅ:むくみ)、高血圧、乏尿(ぼうにょう:尿の量が減ること)、ヘモグロビン尿(赤や赤褐色の尿が出る)、時に脳症が起こる場合があります。

溶血性尿毒症症候群の治療

急性腎不全に対しては輸液、降圧療法、血液浄化療法などが行われます。急性期に適切な治療を行うことで予後は良好です。

腎梗塞(じんこうそく)

腎梗塞とは、腎動脈やその分岐が閉塞することにより腎臓の組織が壊死に陥る病気です。

腎梗塞の原因

心房細動や感染性心内膜炎、外傷などが原因となります。

腎梗塞の症状

小さな梗塞では症状にあまり現れないこともあります。梗塞が広範囲に及ぶと、脇腹痛が起こります。

他に悪心・嘔吐、高血圧などが起こります。

腎臓の両側お腎動脈に梗塞が見られる場合、急性腎不全となります。

腎梗塞の治療

血栓溶解療法や抗凝固療法などの保存的治療(薬物療法や理学的療法)が行われます。保存的治療が無効である場合、外科的治療が考慮されます。

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参考文献

「病気がみえる vol.8: 腎・泌尿器」
医療情報科学研究所 (編集)

「安保徹のやさしい解体新書」
安保徹 著

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