呼吸器とは?気管、気管支、肺、肺胞とガス交換、咳、痰について

呼吸器の仕組みやガス交換、咳(せき)、痰(たん)について解説します。

呼吸器

Original Update by Theresa knott and Luigi Chiesa (translated by Hatsukari715)

呼吸に関する器官のことを呼吸器といい、これらすべての構造をまとめて呼吸器系といいます。
鼻から喉にかけてを上気道鼻腔咽頭、喉頭)、気管(気管、気管支)から肺を下気道といい、鼻から吸った清浄な空気を肺に届けます。

気管は左右の肺(右肺と左肺)へ気管支(主気管支)で分岐し、肺の入り口である肺門から入った気管支は、肺葉気管支小気管支細気管支終末細気管支と枝分かれしつつ段々細くなっていきます。

その先は呼吸細気管支肺胞道肺胞嚢から最終的に末端にある肺胞という小さな袋状の組織に空気が送り込まれます。

気管支と肺胞

肺を守る気管(気道)の役割

気道(鼻から肺までの空気の通り道)には肺を守る為の異物排除の作用があります。

鼻腔咽喉のワルダイエル咽頭輪、喉頭の粘膜で取り除くことができなかった小さな粒子は、その先の気管や気管支で排除が試みられます。

気管の内側は線毛(せんもう)と呼ばれる細い毛が隙間なく生えた上皮細胞で覆われています。この線毛がムチ振り運動を猛スピードで繰り返すことで異物を出口の方向に追い立てます。

また気管の内側は薄い粘液で覆われ、入り込んだ粒子はこの粘膜によってからめ取られ(たん)として口から外に出されるか、食堂のほうに飲み込まれます。

スポンサーリンク

呼吸はガス交換を行うためのもの

何の為に私たちは呼吸を行うのでしょうか?
それは、息を吸って空気中の酸素を血液に取り込み、息を吐いて不要な二酸化炭素を外に排出するためです。

肺胞はガス交換を行う為の器官です。ガス交換とは肺胞の中で空気中の酸素を、血液中の赤血球の中に存在するタンパク質であるヘモグロビンに与え、代わりに二酸化炭素を受け取る働きのことです。

肺胞は直径20~30㎛(マイクロメートル:1㎛=0.001mm)という小さな球状の袋で周囲を毛細血管で覆われています。ガス交換はこの毛細血管を通して行われます。

心臓の右心室から肺動脈を通って送られてきた血液は、肺胞でガす交換を終えると、肺静脈を経て心臓の左心房に戻ります。これら一連の血液の流れを肺循環といいます。
肺循環を含む心臓からの血液の流れについて

呼吸運動について

呼吸は肺の伸縮によって行われますが、肺自体には筋肉がないため自ら伸縮することはできません。

息を吸うとき(吸気)は外肋間筋(がいろっかんきん)が肋骨(ろっこつ)を引き上げ、横隔膜(最上図参照)が収縮してお腹のほうへ下がることで胸腔(きょうくう)が広がり圧力が下がります。これにより肺が拡張し空気が入ります。

息を吐く時(呼気)は内肋間筋が肋骨を引き下げ、横隔膜が緩んで胸腔のほうへ上がり胸腔が狭くなり圧力が上がります。これにより筋肉が収縮し肺の中の空気を排出します。

※胸腔(きょうくう)とは、肋骨、胸椎(きょうつい)、胸骨、横隔膜に囲まれた空間のことです。

咳(せき)・咳嗽(がいそう)

咳は咳嗽ともいいます。

気管に異物が入ってきたり、炎症が起きるなど過剰に刺激されると、その情報が脳に伝えられ、異物や炎症による分泌物を取り除くために咳が出ます。

痰を出すときには、線毛の作用で除去するより一瞬で外に出せるという利点があります。

咳(せき)

乾いた咳(痰を伴わない)

乾いた咳が頻繁に出るときは風邪やインフルエンザなどのかぜ症候群の疑いがあります。
風邪で起こる咳は大抵一週間もすれば治まります。

咳が長引く場合、例として以下の病気の可能性があります。

  • 喘名(ぜんめい:ゼーゼー、ヒューヒューといった音がする)がある場合は気管支ぜんそく等の可能性があります。
  • 胸痛がある場合、自然気胸の可能性があります。
  • 寝汗や発熱を伴う場合、肺結核の可能性があります。
  • 血痰も長く続く場合、肺がんの可能性があります。

湿った咳(痰を伴う)

湿った咳は気管支や肺胞に強い炎症が起こっている可能性があります。
気管支ぜんそくや肺炎の疑いがあります。

喫煙者の場合、COPD(慢性閉塞肺疾患)の可能性があります。

慢性副鼻腔炎のある人は、びまん性汎細気管支炎の可能性もあります。

痰(たん)

健康な人でも1日に100mlほどの痰を分泌していて知らないうちに飲みこんでいます。
これが飲み込めないほど増え、痰が多いと自覚したり、膿のような痰や血痰が出る、悪臭を伴う、といった場合は病的な状態にあるといえます。

無色や白色の痰は風邪によるものが多いですが、量が多いと気管支ぜんそくの可能性があります。
黄色い膿のような痰は肺炎気管支拡張症、悪臭を伴うときは肺化膿症の可能性があります。血痰は肺塞栓症肺結核、肺がんなどの可能性があるので要注意です。

喫煙者で痰が出る場合、COPD(慢性閉塞肺疾患)の可能性があります。

スポンサーリンク

参考文献

これだけは知っておきたい呼吸器の病気」
福地 義之助 総監修

COPD(慢性閉塞性肺疾患)と言われたら…―お医者さんの話がよくわかるから安心できる」
木田 厚瑞

スポンサーリンク