虚血性大腸炎 大腸憩室炎 便秘が原因?症状 治療 再発について

便秘が原因となりやすい虚血性大腸炎、大腸憩室炎、大腸憩室出血と虚血性腸疾患、消化管憩室について解説します。

大腸

虚血性大腸炎は虚血性腸疾患の一つ

虚血性腸疾患とは、腸間膜血管の血流障害が原因で腸管に酸素や栄養が十分に供給されない為に起こる病気の総称です。(虚血は局所的な血液不足のことです)

虚血性腸疾患は虚血性大腸炎以外に、急性腸間膜動脈閉塞症、腸間膜静脈血栓症、非閉塞性腸間膜虚血、腹部アンギナなどがありますが、ここでは、最も多い虚血性大腸炎について解説します。

虚血性大腸炎とは

大腸の血流障害により大腸粘膜が血液不足(虚血)となることで起こる病気です。 多くは左側結腸(下行結腸からS状結腸)に起こりますが、それ以外にも大腸のすべての部分に起こる可能性があります。

腸管が狭窄(きょうさく:せまくなること)する狭窄型や腸管壁が壊死する壊疽型などもあります。 50歳以上の高齢者に多くみられます。

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虚血性大腸炎の原因

便秘動脈硬化が原因と考えられています。 若年者に起こる場合は特に便秘の影響が大きいようです。
便秘とは 便秘を解消する食べ物 マッサージ 運動 ツボ等について

虚血性大腸炎の症状

突然の腹痛(特に左下部)、水のような下痢、下血などです。

虚血性大腸炎の治療

通常は手術を行わない治療(保存的治療)で1~2週間のうちに治癒します。 保存的治療として、安静、絶食、補液(失われた血液、水分などを補充すること)などを行います。また必要に応じて鎮痙薬、鎮痛薬、抗菌薬の投与が行われます。

壊疽型や一部の狭窄型で手術が行われます。

虚血性大腸炎の再発について

再発率は約10%です。
再発しないようにするためには、日頃から排便がスムーズに行われるよう食生活などを改善し、便秘にならないようにする必要があります。

大腸憩室炎、大腸憩室出血と消化管憩室について

憩室(けいしつ)・消化管憩室とは

憩室

Original Update by Anpol42

A.粘膜 B.粘膜下層 C.筋層 D.漿膜

憩室とは上図のように臓器などの壁が袋状に飛び出て部屋のようなこぶができたものです。
これが消化管のいずれかにできたものが消化管憩室です。

全層が突出したものを真性憩室、いずれかの層が欠損したものを仮性憩室といい、先天性のものと後天性のものがあります。(上図は筋層が欠損した仮性憩室です)

後天性の憩室は、周囲の炎症などにより外側に壁が引っ張られて憩室が形成される牽引性の場合(真性憩室)や、上図のように筋層の弱い場所に内部の圧力がかかり筋層を突き破って飛び出してしまう圧出性(仮性憩室)の場合があります。

憩室が最も多く起こるのが大腸憩室で、次に多いのが十二指腸憩室、他に食道憩室回腸にできる先天性のメッケル憩室などがあります。

憩室自体はあっても通常は無症状で治療を必要としませんが、出血や炎症などが起こった場合は治療する必要があります。

大腸憩室炎とは

大腸憩室が形成され、そこに糞便などが溜まり細菌が増殖することで炎症が起こるものです。
中年~高齢者に多くみられます。

大腸憩室炎の原因

大腸憩室がある人、過去に大腸憩室炎を発症した人によく起こります。 また便秘気味の人に多くみられます。
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大腸憩室炎の症状

腹痛、軽度の発熱などです。 腹部の右下が痛む場合、虫垂炎と間違われやすいので注意が必要です。

大腸憩室炎の治療

軽症の場合、保存的治療として、安静、絶食、補液(失われた血液、水分などを補充すること)、抗菌薬の投与などを行います。

膿瘍(のうよう:部分的な化膿)がみられる場合や、消化管穿孔(腸壁に穴があくこと)を起こした場合は膿瘍ドレナージや手術など外科的治療が必要となります。

大腸憩室炎の再発について

再発率は約25%と高いです。 再発しないようにするためには、日頃から排便がスムーズに行われるよう食生活などを改善し、便秘にならないようにする必要があります。

また再発を繰り返す場合は手術が検討されます。

大腸憩室出血とは

文字通り大腸憩室から出血が起こるものです。
高齢者に多くみられます。

大腸憩室炎(上記)を併発する場合もあります。

大腸憩室出血の症状

無痛性の下血、血便などです。

大腸憩室出血の治療

下血が少量で自然止血している場合は安静、絶食、補液などの保存的治療を行います。

出血が続いている場合、内視鏡的治療としてクリッピングによる止血が行われます。

出血が大量の場合は、カテーテル(血管へ通す柔らかい管)を用いた血管塞栓術(TAE)が行われます。TAEが困難な場合は外科手術が行われます。

大腸憩室出血の再発

再発率は約30%と高いです。 野菜、果物、食物繊維や乳酸菌、ビフィズス菌を含む食品を多く摂ることが再発予防につながります。

西式甲田療法

西式甲田療法では、様々な胃腸病が完治した例が多数報告されています。
実行する場合、必ず専門家の監視下で行ってください。

難病 原因不明の病気が治る西式甲田療法とは 少食 断食の効果について

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参考文献

「病気がみえる 〈vol.1〉 消化器」
医療情報科学研究所 (編集)

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