ステロイドとは?ステロイド剤の効果と副作用 注意すべき事は?

ステロイドとは何か?ステロイドの効果や副作用、注意点などについて解説します。

薬

ステロイドとは?

ステロイドは動物や植物が体内で自ら作り出し、ホルモンとしても利用している化合物です。
種類は色々分けることができますが、共通するのは分子構造にステロイド核と呼ばれる特殊な形を持つことです。

よく耳にする3種類のステロイド

ステロイドと総称されるもののうちよく耳にするものは次の3つです。

副腎皮質ステロイド(糖質コルチコイド)

医薬品として広く使われているステロイドホルモンで、免疫反応を抑えたり炎症を鎮める強い作用があります。医療の世界では(このサイトでも)ステロイドと言ったらこの糖質コルチロイドを指していると思ってください。

天然の糖質コルチコイド(コルチゾール)は腎臓の上にある2個の副腎から分泌されます。
また副腎は副腎皮質ホルモンとして糖質コルチコイド以外にも鉱質コルチコイドや男性ホルモンを分泌します。

副腎とは 副腎皮質と副腎皮質ホルモン コルチゾール等について

副腎

アナボリックステロイド(たんぱく同化ホルモン)

主に筋肉増強剤として使われています。
スポーツの世界ではドーピングの問題でよく取り上げられることが多い禁止薬物でもあります。

性ホルモン

睾丸や卵巣、副腎皮質が作りだすテストステロン、エストロゲン、プロゲステロンなどの性ホルモンで、生殖器の働きに大きな影響を及ぼします。

ステロイド剤の効果と特長

ステロイド剤は医薬品として劇的な効果を持ち、様々な局面で使用される人工的に作り出されたステロイドです。

皮膚の炎症や傷などに非常に効果があり、あっという間に炎症を抑え新しい皮膚の再生を助けます。

それ以外にもアトピーや喘息、リウマチ、また潰瘍性大腸炎、膠原病、メニエール病、白血病といった難病にも使用される他、臓器移植後の免疫抑制にも効果があります。

ステロイド剤の特長はこの薬がホルモンであるということです。
人の体にもともと備わるしくみを利用して病気の症状を抑えます。

ステロイド剤は体内からそのまま取り出したホルモンではすぐに分解されてしまうので、人工的に合成されたものが薬として用いられます。(合成ステロイド)

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糖質コルチコイドの働きとは

体が精神的あるいは肉体的ストレスにさらされると通常より多くこの物質が分泌されます。
糖質コルチコイドが分泌されると体内の代謝が活発になり体はストレスに素早く対応可能となります。
このステロイドはまず血糖値を上げ脳や心臓に糖を供給し体の基本的な働きを守ります。

また、炎症を起こす物質の生産を妨げたり免疫細胞の働きを妨害して炎症を抑える抗炎症作用の効果を持ち、血液を固まりやすくして傷の回復を早めたり、中枢神経を興奮させて気分を高揚させるといった効果を生みだします。

ステロイド剤の問題と副作用

ステロイドが外部から供給されると体はそれに慣れてしまい、2~3週間以上連用すると依存性が生じます。

ステロイド剤を使用すると血液中に十分なステロイドホルモンが存在するので、脳は副腎にステロイドホルモンの分泌指令を出さなくなります。

このため本来の生産能力が低下し使用期間が長くなると副腎は次第に萎縮していきます。
こうなってしまった状態でステロイド剤をやめると体にストレスがかかったときに低血糖を起こす可能性があります。

また炎症があった場合、体内のステロイド不足から炎症が悪化する恐れもあります。

一旦低下してしまった副腎の機能はステロイド剤の投与をやめてもすぐには回復しません。
投与期間が長いほど回復に時間がかかるので、ステロイド剤の長期にわたる投与は避けるべきでしょう。

副腎が回復しないからといってさらにステロイド剤を投与すると依存状態から抜け出せなくことに加え、ステロイドには副作用もあるので慢性疾患などでの長期投与はリスクが高いと言えます。

長期間投与した場合は徐々にステロイド剤の量を減らしながら副腎の回復を待つ必要があります。

副作用について

外用薬の副作用

ステロイドを外用薬として皮膚病などに使用した場合、皮膚が薄くなる、萎縮する、毛細血管が広がることで顔が赤らむといった副作用が起こることがあります。

内服薬の副作用

内服した場合、ステロイドを必要としていない臓器も影響を受けます。
副作用は特に長期使用で問題となります。

最も問題となる副作用は血糖値の上昇です。
糖尿病の患者では症状が悪化する恐れがあります。

たんぱく質や脂肪を利用して糖を生産するため、筋肉がやせ細る場合があります。
また、脂肪の代謝により血液中に脂肪酸が増え高脂血症になることがあります。

免疫系の働きを低下させる場合もあります。
炎症を抑える効果はありますが、その作用によって病原体となるウィルスや細菌を撃退できなくなる恐れがあります。

ステロイド剤の使用について まとめ

ステロイド剤は短期的な使用においてはとても有用で効果のある薬です。
しかし過去にアトピー性皮膚炎に対する長期使用でマスコミを賑わせたことでも分かるように、副作用も強く、使用方法を誤ると薬漬け状態になりかねない危険性を持ち合わせています。

アトピー性皮膚炎で医者に行けば、症状を抑えるためにステロイド剤等を処方されますが、アトピー性皮膚炎の本当の治し方はアレルギー体質の改善にあります。
その為には食生活の改善など生き方の見直しが必要になってきます。

アトピーに限らず、ステロイド剤を長期服用するような治療方法は医者(薬)に依存した状態ということもでき、残念ながら患者側の勉強不足は結果的に自分の身体の健康を脅かすことに繋がってしまいます。

この勉強不足の本質は、薬は体を治す為のものではなく、症状を抑える為のものであるということの理解と、体を治すためにはいかに免疫力を高めることが必要かということにあると思います。
これらについてはこのサイトでも徐々に取り上げていくつもりです。

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参考文献

「薬は体に何をするか」
矢沢サイエンスオフィス 著

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