くも膜下出血と脳動脈瘤の原因、症状、治療について

脳動脈瘤、くも膜下出血の原因、症状、治療について解説します。

頭痛

脳動脈瘤とは

脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)は動脈(特に分岐点)に瘤(こぶ:ふくらみ)ができるものです。

脳動脈瘤が徐々にふくらんでいくものを嚢状動脈瘤(のうじょうどうみゃくりゅう)といいます。

脳動脈瘤ができやすい部位はウイリス動脈輪(下図の青丸)の中大脳動脈、内頸動脈、前交通動脈、脳底動脈などです。特に内頸動脈の灌流域に多く形成されます。
ウィリス動脈輪 脳動脈瘤は大きくなればなるほど破裂しやすく、破裂するとくも膜下出血となります。 男女比は約1:5で女性に多くみられます。

脳動脈瘤の原因

脳動脈の中膜が先天的に欠損していることに加え、高血圧動脈硬化などの後天的な要因で形成されると考えられています。

脳動脈瘤の症状

多くは無症状(無症候性)ですが、散瞳(瞳孔が過度に拡大する)、複視(物が二重に見える)、眼瞼下垂(がんけんかすい:まぶたが目に覆いかぶさるように垂れ下がる)、視力・視野障害などが起こることがあります(症候性)。

脳動脈瘤の治療

症候性の場合、動脈瘤頸部クリッピング術(動脈瘤をクリップで挟んで止血する)などが行われます。

無症候性で瘤が小さい場合は、経過観察、血圧コントロール、生活習慣の改善など保存的治療が行われます。 瘤が大きい場合は頸部クリッピング術などの手術が検討されます。

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くも膜下出血とは

くも膜下出血は脳の血管が破裂するなど破綻をきたし、脳や脊髄の表面を覆う膜であるくも膜と軟膜との隙間(くも膜下腔)に出血がおよぶものです。

くも膜や軟膜は硬膜とともに髄膜(ずいまく)と呼ばれます。 硬膜とくも膜の間に出血がおよぶものは硬膜下出血です。
くも膜

髄膜 Original Update by Jmarchn

くも膜下出血の原因

主な原因は脳動脈瘤(上記)の破裂によるもので80~90%を占めています。

その他に、脳動静脈奇形の破裂、脳出血がくも膜下腔に流れる、もやもや病の側副血行路の破裂、脳腫瘍の新生血管からの出血、血管の炎症からの出血、血液疾患による出血、薬剤性のもの、外傷によるものなどがあります。

社会復帰できる人、後遺症が残る人、死亡する人の割合はそれぞれおよそ3分の1ずつといわれています。

中高年女性に多くみられます。(男女比1:2)

くも膜下出血の症状

バットやハンマーで殴られたような突然の激しい頭痛が起こり、それが続きます。(激しくない場合もあります。突然であることが重要です)

その他に、吐き気や嘔吐、意識障害などが起こる場合もあります。

くも膜下出血の治療

手術前の処置として再出血や脳ヘルニアを避けるために、血圧管理(降圧薬)、頭蓋内圧管理(抗脳浮腫薬)、鎮痛薬や抗けいれん薬が用いられます。

開頭し、動脈瘤頸部クリッピング術(動脈瘤をクリップで挟んで止血する)や、開頭せずに動脈瘤コイル塞栓術(脳動脈瘤にカテーテルを使ってコイルを詰め塞ぐ)などの手術が行われます。

手術後の処置も重要で、脳梗塞、脳血管攣縮などを防ぐために状況に応じて薬物治療やカテーテル治療、ドレナージ治療(血腫、髄液などを排出)などが行われます。

西式甲田療法

西式甲田療法は、脳動脈瘤やクモ膜下出血の予防に絶大な効果を発揮します。
ただしすでに発症してしまった場合は通常の医療機関での治療が必要です。

難病 原因不明の病気が治る西式甲田療法とは 少食 断食の効果について

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参考文献

病気がみえる 〈vol.7〉 脳・神経
医療情報科学研究所 (編集)

「患者のための最新医学 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血」
高木 誠(監修)

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