頻尿 尿漏れ 尿失禁 過活動膀胱 神経因性膀胱の原因 症状 治療について

頻尿、夜間頻尿、尿漏れ、尿失禁(腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁)、尿閉、過活動膀胱、神経因性膀胱の原因、症状、治療、骨盤底筋体操などについて解説します。

尿漏れ

頻尿とは?頻尿と夜間頻尿

頻尿(ひんにょう)とは1日の排尿回数が8回以上になることです。
正常な人は5~7回で、膀胱に150ml前後尿が溜まった状態で最初の尿意を感じ、300~500mlで排尿を我慢できなくなります。

少なすぎても問題があり、1~2回しか排尿がないことを希尿(きにょう)といいます。

夜間頻尿は就寝後から起床までに1回以上トイレに起きなければいけないことをいいます。正常とされるのは0~1回です。2回以上の場合、何らかの問題がある可能性が高くなります。

頻尿や夜間頻尿は、他に症状が無く自分で生活に支障が無いと思えれば特に治療の必要はありません。

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頻尿の原因

膀胱が小さい、過活動膀胱(後述)、腹圧性尿失禁(後述)、水分の過剰摂取、膀胱炎、間質性膀胱炎骨盤臓器脱(後述)、糖尿病、子宮筋腫、便秘(溜まった便に膀胱が圧迫される)、心因性(ストレス、緊張、心配など)、薬の副作用、などが原因として考えられます。

上記のような問題が無くても、尿意が無いのに早めに排尿する癖があると、膀胱は過敏になったり縮んだりして尿を溜める力が弱り、少しの尿量で尿意を感じるようになってしまいます。

特に腹圧性失禁など失禁(尿を漏らすこと)の経験があったりすると、その癖がつきやすくなります。その場合、膀胱訓練(後述)を行うことで改善される場合があります。

骨盤臓器脱

骨盤臓器脱とは、骨盤底が緩むことにより、骨盤内の膀胱や子宮、直腸などの臓器が膣(ちつ)や肛門からはみ出してしまうものです。

股関の違和感や、お風呂で洗っているときに何か出ているものに触れる、何となく何かが下がっているような不快感を感じます。下がってきた臓器に尿道が圧迫され尿が出にくくなったり、頻尿や尿失禁を起こしたりします。

軽度の場合、骨盤底筋体操(後述)で改善できますが、大きく出てしまう場合は、ペッサリー療法(リング状の器具を入れ矯正する)や外科手術などの治療が必要となります。

夜間頻尿の原因

夜間多尿

通常は昼間に比べて夜間の尿量は減りますが、加齢により抗利尿ホルモンの分泌が低下したり、腎臓の機能が衰えると、夜間に作られる尿が増えてしまいます。

日中の水分摂取過剰、高血圧や心臓の薬の副作用などで起こることもあります。また、立ち仕事の人が足が浮腫んだ(むくんだ)まま寝ると、下半身に溜まった水分が上半身に戻ることで排尿につながる場合があります。⇒浮腫(むくみ)について

他に糖尿病尿崩症などにより多尿になる場合があります。

機能的膀胱容量の減少

過活動膀胱や間質性膀胱炎などで膀胱に溜められる尿量が少なくなると、夜間に尿意を感じて起きることになってしまいます。

睡眠障害

尿意があって起きるわけではなく、眠りが浅くて起きてしまいトイレに行くのですが、本人は尿意で起きたと思ってしまうものです。睡眠時無呼吸症候群が原因の場合もあります。

膀胱訓練

膀胱訓練とは、尿意を感じてから排尿を我慢することで排尿間隔を延長させ、膀胱容量を増やす訓練法です。

頻尿や切迫性失禁(後述)の場合、強い尿意があっても実際に膀胱が一杯になっているわけではありません。膀胱の知覚過敏により尿意を感じてしまう状態です。

最初は尿意を感じても5分位我慢するようにします。1週間続けられたら、10分、15分と徐々に我慢する時間を延ばし、排尿間隔を2~3時間にすることができ1回の排尿量が200~400mlになれば目標達成です。

毎回の排尿で我慢する必要はなく、できる範囲で行っていくことが大切です。

注意事項

膀胱訓練は他に疾患が無いことを確認できた上で行うようにしてください。膀胱炎などの病気がある場合、病状を悪化させる恐れがあります。本来は医師の指導の元に行うものです。

排尿日誌

訓練結果は排尿日誌をつけることで、成果が分かりやすくなります。また、病院に行く場合、この日誌を持っていくと診察の大きな助けとなります。

日本排尿機能学会のホームページから排尿日誌のPDFをダウンロードすることができます。
排尿日誌は中段からやや下にあります

尿失禁とは(尿漏れ)

尿失禁とは、しようと思っていないのに尿が出てしまうことです。いわゆる尿漏れです。

腹圧性尿失禁

お腹に力が入ったはずみに漏れてしまうものです。

骨盤底筋が緩んだり、尿道閉鎖機能の低下により、咳(せき)やくしゃみ、重いものを持ちあげたときなどに腹圧が上昇すると尿道が閉鎖されず少量の尿が漏れ出してしまいます。
中高年女性に多くみられます。
尿漏れ

妊娠や出産、肥満、加齢などが原因となります。

軽症の場合、骨盤底筋体操で治りますが効果が現れるまで3ヶ月以上かかる為、その間薬物で抑える方法もあります。

重症の場合、外科手術(尿道スリング手術)を行います。(女性の場合)

切迫性尿失禁

トイレに行きたいと思ったら我慢できずに漏れてしまうものです。

膀胱に尿が溜まったときに排尿を抑制する機構が十分に働かず、強い尿意を突然感じ、耐えきれずに尿が出てしまいます。男性にも多くみられます。

過活動膀胱、神経因性膀胱、膀胱炎などが原因となります。

溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)

尿があふれて絶えずチョロチョロと漏れてしまうものです。

慢性的な下部尿路通過障害があると残尿量が大量になります。これにより膀胱内圧が上がり、尿道閉鎖圧を上回ることで少量ずつ尿が漏れ出します。男性に多くみられます。

神経因性膀胱、前立腺肥大症、尿道の狭窄、低活動膀胱(排尿筋収縮力の低下)などが原因となります。

反射性尿失禁

尿意が無いのに、排尿筋の不随意収縮(意図せずに収縮してしまう)により尿が漏れます。体の不自由な人や認知症の人に多くみられます。

神経因性膀胱が原因となります。

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過活動膀胱とは

急に抑えられないような強い尿意が起こる(尿意切迫感)もので、40歳以上の人に多くみられます。

過活動膀胱の原因

神経因性と非神経因性のものがあります。

神経因性

神経因性膀胱の一つで、中枢の排尿制御機構が働かず、尿が溜まったときに意図せず排尿筋が収縮してしまいます。

脳血管障害、パーキンソン病、多発性硬化症、脊髄不全損傷などが原因となります。

非神経因性

膀胱の知覚が過敏になることや、排尿筋が収縮しやすくなることで起こります。

前立腺肥大症による下部尿路閉塞(男性の場合)、加齢、骨盤底筋群の衰え(女性に多い)などが原因となります。

過活動膀胱の症状

尿意切迫感(抑えられないような強い尿意)が起こります。これが無ければ過活動膀胱ではありません。
それ以外に、頻尿、切迫性尿失禁などが起こります。

過活動膀胱の治療

神経因性の場合、原因疾患の治療が必要となります。

非神経因性の場合、膀胱訓練(上記)、骨盤底筋体操、生活指導として飲水制限や排尿習慣改善などが行われます。

薬物療法として、抗コリン薬やβ3受容体刺激薬などが用いられることがあります。

神経因性膀胱とは

排尿に関する脳、脊髄、末梢神経の障害によって、膀胱の畜尿・排尿機能に異常が生じた状態です。

障害のある部位により症状は異なります。

脳(大脳~橋)に障害

脳の大脳から橋にかけての神経経路に障害がある場合です。
排尿反射が亢進(過剰になる)します。

原因

脳血管障害、脳腫瘍、多発性硬化症、パーキンソン病などが原因となります。
乳幼児のおもらしもこの神経が発達途上のために起こります。

症状

過活動膀胱や切迫性尿失禁などです。

脳(橋)~脊髄(仙髄)に障害

脳の橋から脊髄の仙髄にかけての神経経路に障害がある場合です。
仙髄を中心とした排尿反射が起こります。

原因

脊髄不全損傷、多発性硬化症、HTLV-1関連脊髄症(HAM)などが原因となります。

症状

過活動膀胱や切迫性尿失禁、反射性尿失禁などです。

仙髄または末梢神経(骨盤神経)に障害

膀胱から仙髄に信号が伝わらない為、排尿反射が起こらなくなります。

原因

脊髄完全損傷、二分脊椎、骨盤内臓機手術後、糖尿病、脊髄癆(せきずいろう)などが原因となります。

症状

意識的に排尿することができなくなります。尿意が生じない場合もあります。
尿閉、低活動膀胱(排尿筋収縮力の低下)、溢流性尿失禁などが起こります。

尿閉とは

尿閉(にょうへい)とは膀胱に溜まっている尿を排泄できない状態をいいます。(腎臓は正常に尿を生成しています。)

尿を全く排泄できないものを完全尿閉、わずかな排泄を不完全尿閉といいます。

尿閉には急性と慢性があります。

急性尿閉

突然発生した下部尿路の閉塞により起こるものです。完全尿閉であることが多いです。

急性尿閉の原因

前立腺肥大症の人が飲酒や抗コリン薬などを飲んだとき、膀胱内の凝血塊や結石の嵌頓(かんとん)、尿道狭窄などが原因となります。

急性尿閉の特徴

強い尿意、恥骨上部痛、冷や汗などの苦痛を感じます。

慢性尿閉

ゆるやかに進行する下部尿路閉塞や残尿量の増加により生じます。
長期にわたると膀胱の線維化などによる機能低下が起こります。

慢性尿閉の原因

前立腺肥大症、尿路悪性腫瘍、神経因性膀胱などが原因となります。

慢性尿閉の特徴

尿意は無い、または軽いものです。溢流性尿失禁が起こりやすくなります。

尿閉の治療

早急に尿道カテーテルを挿入して尿を排出(導尿)します。
原因疾患の治療が必要となります。

骨盤底筋体操

骨盤底筋体操は女性の尿漏れ・尿失禁に効果があり、2~3ヶ月くらい続けると、7割ぐらいの人が尿失禁を改善できるとされています。
また、男性の場合、尿の切れの悪さを改善できるとされています。

過活動膀胱や軽度の骨盤臓器脱にも効果があります。

骨盤底筋体操

(1)仰向けに寝て足を少し開き(両ひざの間隔はこぶし1つ分くらい)、膝を立てます。
(2)お腹に手をあて、肛門と膣、尿道に意識を集中し、ギューっと胃のほうに引き上げる感じで締めます。
(3)10秒間引き締めたら力を抜いて30秒間リラックスします。これを10回繰り返します。
(4)次に速いテンポで肛門と膣、尿道を締めては緩める(ゆるめる)を10回繰り返します。

(1)~(4)を1セットで1日2~3回行います。特に朝起きたときや夜寝る前に布団の中で行うとよいでしょう。

慣れてきたら椅子に座って同様の動作を行います。テレビを見ながらや電車など乗り物の中でも行えます。朝と夜は仰向け、昼は椅子でなど、組み合わせて行うとよいでしょう。

舌の筋力アップが全身の筋力アップにつながることが最近の研究で明らかになりました。こちらも是非生活に取り入れてください。⇒舌の筋力を上げる

便秘を改善する

便秘を改善することも頻尿や尿漏れ対策になります。

便秘とは 便秘を解消する食べ物 マッサージ 運動 ツボ等について

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参考文献

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by ヨメレバ

「病気がみえる vol.8: 腎・泌尿器」
医療情報科学研究所 (編集)

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