泌尿器 腎臓の位置 腎臓の働き 尿管 膀胱 尿道 排尿メカニズムについて

泌尿器、腎臓の位置・場所、腎臓の働き・機能、尿管、膀胱の位置・働き、尿道、排尿メカニズムなどにについて解説します。

泌尿器とは

泌尿器

Original Update by Jordi March i Nogué

①尿路系 ②腎臓 ③腎盂 ④尿管 ⑤膀胱 ⑥尿道 ⑦副腎 ⑧腎動静脈
⑨下大静脈 ⑩腹部大動脈 ⑪総腸骨動静脈 ⑫肝臓 ⑬大腸 ⑭骨盤

泌尿器とは尿の生成から排泄に関わる器官のことで、ここでは主に腎臓尿管膀胱尿道(上図の②~⑥)について取り上げます。男性は泌尿器と生殖器が一部共通していますが、女性はそれぞれ独立しています。

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腎臓とは

腎臓は体内の老廃物を排出するという重要な働きをしています。

血液は全身に栄養素と酸素を供給する代わりに、炭酸ガスや代謝過程で発生した様々な老廃物を受け取って戻ってきます。これらの有害物質を濾過(ろか)して排出する必要がありますが、腎臓はそのフィルターの役割を果たしています。

また、体内の水分と電解質を調節したり、血中の酸・アルカリの調節、ホルモンの産生・分解などの役割があります。

腎臓の位置・場所

腎臓の位置

Original Update by NIH Image Gallery

腎臓はお臍(へそ)や腰より少し上の高さの背中側に左右一つずつあります。

腎臓の構造

腎臓は縦の長さが約10cm、幅は約5~6cmのそら豆のような形をした臓器です。

図1 腎臓

腎臓の仕組み

Original Update by Piotr Michał Jaworski; PioM EN DE PL

1.腎錐体 2.輸入細動脈 3.腎動脈 4.腎静脈 5.腎門 6.腎盤
7.輸尿管 8.腎杯 9.腎被膜 10.下端 11.上端 12.輸出細動脈
13.ネフロン 14.小腎杯 15.大腎杯 16.腎乳頭 17.腎柱  WIKIより

ネフロンの構造

図2 ネフロン

ネフロン

Original Update by Burton Radons

1.糸球体 2.輸出性細動脈 3.ボーマン嚢 4.近位尿細管 5.集合管
6.遠位尿細管 7.ヘンレ係蹄 8.乳頭管 9.尿細管周囲毛細血管 10.弓状静脈
11.弓状動脈 12.輸入細動脈 13.傍糸球体装置

腎臓の働き・機能について

心臓から送り出された血液は全身を巡りながら酸素と栄養素を供給し、炭酸ガスや代謝の過程でできる尿素、尿酸、クレアチニン、アンモニアなどの老廃物を含んで腎動脈(図1の3)から腎臓に入ってきます。

血液中の老廃物を除去

腎動脈は腎臓内で枝分かれしながら細くなり、輸入細動脈(図1の2、図2の12)となって糸球体(図2の1)に入っていきます。糸球体はボーマン嚢(ボーマンのう:図2の3)という袋に覆われ、このユニットを腎小体といいます。さらに腎小体と尿細管のユニットをネフロン(図1の13、図2)といいます。ネフロンは腎臓一つにつき約100万個あります。

腎小体

糸球体は毛細血管が糸玉のように巻いてあることからこの名がついています。血液はこの毛細血管を通過する間に濾過(ろか)され、小さな分子の成分と水分はボーマン嚢に流れ込みます。これを原尿といいます。原尿は1日に成人で約150ℓ作られます。

体内の水分と電解質を調節

原尿には上記した老廃物以外に水分やアミノ酸、ブドウ糖など体に必要なものも入っています。原尿が尿細管を通るときにその大部分が再吸収され血液に戻ります。

尿細管は糸球体に近い位置から近位尿細管(図2の4)、ヘレン係蹄(ヘレンけいてい:図2の7)、遠位尿細管(図2の6)、集合管(図2の5)の4つに区分けされます。

ボーマン嚢を出た原尿は近位尿細管で電解質、アミノ酸、ブドウ糖が再吸収され、次にヘレン係蹄で水分が再吸収され、遠位尿細管ではカルシウムが再吸収されナトリウムがカリウムと交換される形で再吸収されます。尿を希釈することもありますが、量が多いと行われません。

最後に集合管でも水分が再吸収され酸が排出されます。こうしてできた最終尿は腎盂(じんう:図1の6腎盤と同義)へと流れます。

血中の酸・アルカリを調節

人体の血液のpHは通常7.4±0.5の弱アルカリ性に保たれています。腎臓はこの血液の酸性度を調節する機能も果たしています。血液中の酸を尿に排出するほか、濾過された重炭酸イオンを血液中に再吸収し、pHを調整しています。

※pH(ピーエイチ)は水素イオン指数のことで、0~14の数値で表されます。値が高いとアルカリ性、低いと酸性、7が中性です。

ホルモンの産生・分解

赤血球をつくる作用を促すエリスロポエチン、血圧上昇作用をもつレニン、低下作用をもつカリクレイン、プロスタグランディンが腎臓で作られます。腎臓は貧血や血圧の調整にも深く関わっています。

またビタミンDを活性化させる働きも腎臓にあります。そのため腎機能が低下するとビタミンDが活性化できず骨がもろくなります。

他に、使用されなかったインスリンなどのホルモンを分解する役割もあります。

尿路と排尿メカニズム

尿管、膀胱、尿道では尿の輸送、貯留、排泄が行われます。

尿路

尿管

尿管は腎盂から膀胱までをつなぐ長さ約25cm、口径約5mmの管です。腎臓で生成された尿は腎盂から尿管を通って膀胱へと送られます。

尿の移動は周期的に起こる尿管の蠕動運動(ぜんどううんどう)によって行われます。

膀胱(ぼうこう)

膀胱

Original Update by OpenStax College

膀胱は尿を一時的に貯留するための伸縮性のある袋状の臓器です。成人で300~500mlの尿を溜めることができます。

膀胱(尿管などの尿路も)は移行上皮という特殊な上皮で覆われていて柔軟な伸縮性をもっています。個人差がありますが最高800mlまで尿を溜められるといわれています。

膀胱に尿が250mlほど溜まると、膀胱内壁の中の末梢神経が刺激され、大脳で排尿の指令が出ます。これを排尿反射といい、意志とは関係なく内尿道括約筋が自然に緩みます。

これに対して外尿道括約筋は意志によるコントロールが可能なので、尿意を催しても自分で排尿のタイミングを調節することができます。排尿は内外尿道括約筋と外尿道括約筋の両方が緩むことで行われます。

女性には子宮があり膀胱の位置も男性より若干下に位置します。(下図参照)

尿道

尿道

Original Update by OpenStax College

膀胱の位置に加え男性には陰茎があるため尿道の長さは女性が2.5cm~4cmととても短いのに対して男性の尿道は15~20cmもあります。

男性の尿道は途中で射精管と合流していて尿路と精路を兼ねています。

また男性と女性では内尿道括約筋と外尿道括約筋にも違いがあります。男性のほうが内尿道括約筋の範囲が広く外尿道括約筋も女性より厚くなっているため、男性の方が女性に比べ尿漏れしにくい構造になっています。

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参考文献

「カラー図解 生理学の基本がわかる事典」
石川 隆 (監修)

「腎臓病の最新治療」
川村 哲也、湯浅 愛 (監修)

「図解でわかる腎臓病―腎臓を守る2週間メソッドつき」
川村 哲也 著

「病気がみえる vol.8: 腎・泌尿器」
医療情報科学研究所 (編集)

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