がん(癌)を完治させるビタミンC点滴+断糖療法について解説します。
以前、風邪に効くビタミンCということで記事にしましたが、今回はがんに対するビタミンCの効果と断糖療法を取り上げます。
⇒風邪・インフルエンザに効く食事 風邪予防対策にビタミンCが凄い!
上記記事で紹介した「ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く」の著者である生田先生は膨大な論文を精査しビタミンCの効能を本にまとめています。
さらにハタイクリニック院長である西脇俊二先生はビタミンC療法に断糖療法を加えることで転移がんのある患者を完治させた実績があります。
目次
ビタミンCは正常な細胞を傷つけずがん細胞だけを殺す
がんの標準治療が何らかの形で生体にダメージを与え免疫力を落としてしまうのに比べると、ビタミンC療法は正常細胞を傷つけずがんだけを選択的に殺してくれるという利点があります。
(標準治療の問題点については下記を参照してください。)
⇒がん治療の問題点!近藤理論による標準治療の危険性と放置療法について
これはビタミンCが体内で過酸化水素を発生させ、それががんを攻撃しますが、正常細胞は酵素により守られているからです。
ただしビタミンCにがんを殺すほどの威力を発揮させるためには、普段の食事から摂取する量では足りず、点滴で大量に摂取する必要があります。
末期がん患者への投与
アメリカで末期がんの患者へビタミンCの大量投与(10日間1日10gの点滴を行い、その後毎日10gを経口投与する)を行った試験では、投与しなかった群が平均生存期間255日だったのに対して115~435日生存期間が長かったというデータがあります。
日本でも投与量を4g以下の群と5~9gと投与量を増やした試験では、投与量が多い群では6.4倍寿命が伸びたというデータがあります。
一般に推奨されているビタミンCの摂取量は1日100mgなので、大量投与することでがんに対して効果を発揮することが分かります。
ビタミンCが効かないという報告が多数存在する理由
「決定版 がんのすべてがわかる本」では、ビタミンC療法の生みの親であるポーリング博士が93歳で大腸がんで亡くなっていることや、ポーリング博士の妻は75歳で胃がんで亡くなっていることを例に上げ、がん予防の効果は無く、風邪に対する効果も根拠がないとビタミンC療法を否定しています。
上記試験で分かるように生田先生の本にもビタミンCを摂るとがんにならないとか、がんを完治させるとは書かれていません。
ビタミンC療法だけの場合、がんの進行を遅らせ生存期間を伸ばし、さらに治療によるQOL(生活の質)の低下がない、という効果を期待することができますが、完治させるには至らないようです。
ビタミンCは儲からない
ポーリング博士がビタミンC療法の効果を発表した直後から、ビタミンCの効果を否定するインチキな実験結果や論文が多数発表されています。
これは巨大な利権が絡んでいるからです。ビタミンCのように特許なく販売できるものでは大きく儲けることができません。製薬会社は抗がん剤で莫大な利益を上げることができますが、この市場が脅かされることを当然恐れます。
ポーリング博士は生前この問題でかなり苦しんだようですが、博士の死後、2005年になってマーク・レビン博士のグループがビタミンCががんを殺すことを証明する論文を発表しやっとポーリング博士が正しかったことが証明されます。
今だにテレビなどでビタミンCには効果がないという意見が聞かれますが、これは当然スポンサーの意向に沿うからです。
断糖療法を加えるとがんを完治させることができる!
「がんが消える!」の著者である西脇俊二先生はビタミンCの点滴に食事療法として断糖を実行することでがんを完治させている実績があります。
ビタミンCの点滴療法は高濃度ビタミンC点滴療法として実施している施設は増えていますが、元々精神科医だった西脇先生はこれに断糖食を加えればがんが治るのではないかと考えていました。
精神病院に勤めていた頃、ある偶然から肺に転移のある子宮体がんの患者を診ることになり、初めてビタミンC点滴を実行します。
そしてご飯、根菜、果物など糖質を一切断った食事に切り替えることで子宮と肺のがんを消失させることに成功しました。
余命3ヶ月といわれていたがん患者をたった5ヶ月で治癒させたのです。
なぜ断糖がビタミンC療法の効果を高めるのか?
がんのエネルギー源はブトウ糖です。正常細胞もがん細胞も糖質をエネルギー源としていますが、がん細胞は正常の数倍も多くのブドウ糖を取り込む性質があるとのことです。
一方糖質制限によりブトウ糖を摂取しなくても人間は生きていけることが最近の研究で分かってきています。
高濃度ビタミンC点滴によりがん細胞を攻撃し、エネルギー源である糖質を断つことでがんの増殖を抑えられるというわけです。
ブトウ糖とビタミンCの構造は非常に似ており、がんはブトウ糖と間違ってビタミンCを取り込む性質があると西脇先生は考えています。
するとビタミンCにがんが攻撃されますが、血中にブトウ糖が沢山存在していると、がんはそれでお腹いっぱいになり、ビタミンCを取りこもうとしなくなります。
これが断糖がビタミンCの効果を高める理由であり、糖質を多量に摂取することはがんを増殖させてしまう原因になるということです。
断糖食とは
断糖とは糖質制限を徹底的に行うことなので、江部先生の提唱するスーパー糖質制限と同様のものです。
⇒糖質制限食のタイプ
上記リンク先の写真のような食事と考えればよいでしょう。
断糖(糖質制限)が体に悪くない理由も江部理論と同様なので下記を読んでみてください。
⇒糖質制限食が効く理由
断糖食は主食が無く、肉や魚などのたんぱく質がメインとなります。
西脇先生のある日の食事は以下のようなものです。
○朝食
豚ロース肉(3枚)のソテー
ホウレンソウ(葉のみ)のソテー
目玉焼き(2個)○昼食
鶏のしゃぶしゃぶ
鶏肉(300g)
春菊(葉のみ、50g)
もやし(100g)
豆腐(120g)○夕食
鮮魚のカルパッチョ
チーズ盛り合わせ
ラム肉のステーキ
肉を食べるときの注意点として、霜降り肉のようなものは脂質の摂り過ぎになるので食べないようにします。
西脇先生は赤身も食べないそうです。牛肉よりも豚肉、鶏肉、ラム肉を食べているとのことです。
青魚はDHA・EPAが豊富なので積極的に食べるようにします。
尚、肉に関しては発がん性があるという説もあるので、自分の体質に合っているかどうかを判断する必要があるかもしれません。
⇒がんは血液の汚れから!森下博士の自然医学でがん(癌)を治す!
西脇先生は子供の頃から米が嫌いで肉を食べていたということなので、肉食が体質に合っていると思われます。
野菜と果物の糖質に注意する
野菜の中でも根菜類は糖質が多いので食べないようにします。
葉物野菜は葉のほうだけを食べ茎の部分は糖質が多いので食べないようにします。
果物はすべてNGとなります。
調味料の糖質に注意する
調味料にも糖質は使われているので注意する必要があります。
砂糖はもちろんNGですが、みりんも糖質が多いのでNGです。
ソースやケチャップも糖質が多く、他に焼き肉のタレ、麺つゆ、ポン酢なども避けたほうがよいです。
醤油や味噌にも糖質は含まれますが、発酵することで分解されるので発酵期間の長いものを選びます。
塩はOK、マヨネーズも糖質は少ないのでOKとのことです。
お酒の糖質に注意する
日本酒やビール、カクテルなどは糖質が多いお酒なので控えます。
ワインは白のほうが赤より糖質が多く、熟成期間が長いほど糖質は少なくなるので、西脇先生は製造年の長い赤ワインを飲むそうです。
ジン、ウイスキー、焼酎など蒸留酒は糖質がほとんどないかゼロなので適量の範囲で飲むことができます。
適量については下記を参考にしてください。
⇒アルコールの分解 あなたはどのタイプ?アセトアルデヒドとお酒の関係
糖質は1日5gまで
糖質を完全にゼロにすることは不可能なので、1日5gまでは摂ってよいそうです。
計算は食品標準成分表に記載されているのでそれを見て行います。
カボチャの場合、炭水化物20.6g-食物繊維3.5g=17.1g、となるので食べることはできません。
大根は、炭水化物4.1g-食物繊維1.3g=2.8g。
アボカドは、炭水化物6.2g-食物繊維5.3g=0.9g、なので果物ですが例外的に食べることができます。
断糖のレシピなども本には記載されているので詳しくは書籍を読んでみてください。
断糖食を続けることががんを治す鍵となる
がんが治るまでは高濃度ビタミンC点滴療法と断糖食を続けることになりますが、良くなってきたからといって糖質を摂ってしまうと途端に病状が悪化する例が本に載っています。
糖質には中毒性があるので治るまでしっかり断糖を続けることが重要です。
完治すれば糖質を摂ることができます。
ビタミンCは抗がん剤の副作用も緩和する
ビタミンCには抗がん剤の副作用を緩和する特性もあります。
抗がん剤がよく効く血液のがんなどの場合もビタミンC点滴を行うと副作用を和らげることができるのでお勧めです。
髪の毛が抜けた後にビタミンC点滴を行った場合でもすぐに再び生えてくるそうです。
諸事情で抗がん剤をやめることができない人も両方行うことで副作用を和らげ、抗がん剤の作用を増強する効果も得られます。
ただし、生田先生の本では、抗がん剤と併用するとビタミンCの効果は落ちてしまうとのことなので、第1群以外の固形がんに対しては抗がん剤は使用しないほうがいいでしょう。
ビタミンC点滴の実際と料金
進行がんの場合、1回50~100gのビタミンC点滴を週3回以上受けることが推奨されています。
ビタミンC点滴は保険適用外で、2014年の時点では50gの点滴で平均2万円とのことです。
西脇先生のハタイクリニック(東京)では50gで1万7850円、100gは2万4500円と良心的な価格設定になっていますが、地方に住んでいる方はこの料金を目安にして近くで点滴を受けられる所を探すとよいでしょう。
⇒ハタイクリニック
それなりにお金がかかりますが、免疫細胞療法などに比べればこれでも安いとのことです。
標準治療は保険適用で受けられますが、程度の差はあれ後遺症や副作用により体はダメージを受けます。ビタミンC療法は副作用がないどころか、体を元気にする作用があるので、QOLは雲泥の差です。
参考文献
「ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く」
生田 哲 著