循環器(心臓と血管)についてです。
循環器とは?
循環器とは心臓と血管、リンパ液の通路であるリンパ管の総称です。
ここでは心臓と血管について取り上げます。
心臓と血液の流れ
Original Update by Wapcaplet and Yaddah (translated by Hatsukari715)
心臓は全身に全身に張り巡らされた血管へ血液を送るポンプの働きをしています。
(上図の白い矢印は血液の流れる方向を示しています)
成人で1分間に約60~80回拍動し約5リットルの血液を送り出します。
心臓は右心系(右心房と右心室)と左心系(左心房と左心室)に分かれます。
心室
心室は血液を送り出すメインポンプです。
左心室は全身に血液を送り出す為の高い圧力を作り出すので、筋肉の厚さが約1cmあります。
右心室の壁は薄めで3~5mm位です。
心房
心房は心臓に戻ってきた血液を一時的にためる為の空間です。
あまり圧はかからない為、壁の厚さは2~3mmほどです。
血液の流れ(体循環と肺循環)
全身から戻ってきた血液は上大静脈(上半身からの流れ)と下大静脈(下半身からの流れ)を通って心臓に入ります。
この時臓器や器官で酸素を使い果たした為、血液はどす黒い色をしています。
その後、右心房→右心室→肺動脈から肺へ流れます。
肺で二酸化炭素が取り除かれ、酸素を吹き込まれた血液は真っ赤な色になって帰ってきます。これをガス交換といい、心臓から肺にガス交換のために血液を循環させることを肺循環といいます。
肺から戻ってきた血液は、肺静脈から心臓に入り、左心房→左心室→大動脈から全身へ流れ、上下の大静脈から再び心臓に戻ってきます。
心臓から全身に酸素や栄養を送るために血液を循環させることを体循環(たいじゅんかん)といいます。
動脈と静脈
上記した「血液の流れ」から分かるように動脈は心臓から全身に血液を送る為の通路であり、静脈は全身に行き渡った血液が心臓に戻ってくるときに使われる通路です。
心筋と冠動脈(冠状動脈)
心筋は心臓を構成する筋肉のことで、心臓拍動のための収縮を行う働きをします。
この心筋に栄養を送るための動脈が冠動脈で、大動脈が左心室から出たところで分岐しています。
心臓の弁(弁膜)
心臓には血液の逆流を防ぎ、一方の方向に向かって送る為に4つの弁があります。
房室弁同士と動脈弁同士はほぼ同じタイミングで開閉します。
房室弁(ぼうしつべん)
僧帽弁(そうぼうべん)
僧帽弁は左心房と左心室を隔てて(へだてて)います。
三尖弁(さんせんべん)
三尖弁は右心房と右心室を隔てています。
動脈弁(半月弁)
大動脈弁
大動脈弁は左心室と大動脈を隔てています。
肺動脈弁
肺動脈弁は右心室と肺動脈を隔てています。
参考文献
「全部見える 図解 循環器疾患(スーパービジュアルシリーズ)」
黒澤博身 著
「心臓の病気―中高年に増えている突然死を防ぐ」
渡橋 和政 著