乳腺とは何か、線維腺腫、乳腺症の原因、症状、治療について解説します。
目次
乳房と乳腺
乳房は乳腺組織と脂肪、結合組織からなっています。
乳腺は乳管と乳腺小葉、結合組織からなっています。
乳房の断面
1.脂肪 2.乳管/乳腺葉 3.乳腺葉 4.結合組織 5.乳管洞 6.乳管
wikiより
乳汁は小葉で産生され、乳管を通って乳頭へ分泌されます。
月経前に乳房の張りや痛みがあるのは、エストロゲンとプロゲステロンが上昇しているためです。
線維腺腫とは
乳房にできる良性の腫瘍です。
悪性化することは滅多にありません。
20~30歳代の女性に多くみられます。
線維腺腫の原因
女性ホルモンが関係していると考えられていますが、はっきりした原因は分かっていません。
線維腺腫の症状
片側または両側の乳房に硬く弾性があるしこりがあり、触るとコロコロとよく動きます。
痛みなどの自覚症状はありません。
線維腺腫の治療
治療する必要はなく経過観察となります。
大きく成長した場合、摘出手術を行う場合があります。
乳腺症とは
乳腺症について「病気がみえる vol.9」にはこう書いてあります。
疾患というよりも「正常からの逸脱」としてとらえる考え方が一般的である
乳腺症の概念は明確な定義が確立されていません。
とにかく乳腺組織に様々な変化が混在して起こり、しこり(硬結、嚢胞)が現れるものが乳腺症です。
30歳代後半~閉経前後の女性に多くみられます。
がんと診断された場合や疑いのある場合
病院で検査する場合、がんとの区別が難しい場合があります。
がんと診断された場合、近藤誠先生の著書を数冊読んでからどのような治療を進めていくか、あるいは治療をしないかという判断をすることを強くお勧めします。
近藤先生は、乳がんになった女性が乳房を全摘することが主流だった時代に温存療法を広めた人です。
がん治療に関しては簡単に医者任せにせず、後で後悔しないためにも治療方針を決めるのに時間をかけてください。ガンはそう簡単に進行するものではありません。(近藤先生談)
⇒がん治療の問題点!近藤理論による標準治療の危険性と放置療法について
乳腺症の原因
乳腺は月経前後のホルモンの上昇・低下により容積が増減します。
この変化の繰り返しに何らかの原因が加わることで乳管や小葉が過形成を起こすなど正常の範囲から外れてしまい、乳腺症となります。
プロゲステロンに対してエストロゲンが過剰になることが原因の一つとして考えられています。
乳腺症の症状
片側または両側の乳房に痛み、押したときの痛み(圧痛)、しこり(腫脹)が現れます。乳頭から異常分泌(乳汁のようなものや血が混ざった液体など)がある場合もあります。
しこりは弾性があり触るとよく動きます。
症状は月経前に強くなり、月経後は軽快します。
乳腺症の治療
多くは閉経と共に自然消滅するため治療の必要はなく、経過観察となります。
痛みが強い場合、ダナゾールによりエストロゲンを抑えることもあります。
参考文献
「病気がみえる vol.9: 婦人科・乳腺外科」
医療情報科学研究所 (編集)