片頭痛(偏頭痛)の治し方、原因、症状、片頭痛に効く食べ物について解説します。
片頭痛は主にこめかみから側等部にかけて生じる頭痛で20~40歳代の女性に多くみられます。
以前は偏頭痛ともいいましたが、現在正式な病名は「片頭痛」です。
病院での治療は薬による対症療法が中心になると思いますが、「偏頭痛の治し方」という本で根治させる方法が紹介されています。
目次
片頭痛の原因
脳の血管が収縮して血流が減り、そばらくするとその反作用として血管が拡張し多くの血液が流れます。
そのとき発生する炎症性生理活性物質により、心臓の鼓動に合わせて痛みを感じます。
母親に片頭痛があると娘に高い確率で片頭痛がみられます。
分子化学の専門家であり「偏頭痛の治し方」の著者である後藤日出夫先生は原因は活性酸素を発生させやすい体質とミトコンドリアの活性の低さが問題としています。
母親が片頭痛持ちの場合、このミトコンドリア活性の低さが遺伝すると後藤先生は考えています。
ストレスによる自律神経の乱れや良くない食生活による脳内セロトニン不足が片頭痛を引き起こします。
※ミトコンドリアとは細胞の中に存在し生命活動に必要なエネルギーを生みだす小さな器官です。
片頭痛になりやすい食事
後藤先生の指摘する問題のある食生活を以下に挙げます。
脂質の摂り過ぎ
活性酸素を発生させる原因の一つに、体内で過酸化脂質が生成されてしまうということがあります。
過酸化脂質は加工食品(スナック菓子、インスタントラーメン、マヨネーズ、マグロの缶詰等)に多く含まれます。黒くなった古い油分には注意が必要です。
また、植物油(リノール酸)やトランス脂肪酸を摂り過ぎることも活性酸素の発生につながります。
甘いものの摂りすぎ
甘い清涼飲料水、スポーツドリンクやお菓子などを摂ると血糖値が急上昇し、今度はそれを抑える為に膵臓からインスリンが過剰に分泌され、血糖値が下がります。
この急激な血糖値の低下はストレスとなり活性酸素を発生させ片頭痛の原因となります。
片頭痛の症状
こめかみから側頭部にズキンズキンという脈打つような痛みが生じます。
約30%の人に前兆として閃輝暗転(せんきあんてん:視野の中心が見えにくく、歯車のようなギザギザが広がるようになる)が現れます。
約60%の人に閃輝暗転は出ないが首筋や肩のこり、生あくびなどの前ぶれがあります。
光や音、臭いに過敏になり、悪心・嘔吐を伴うこともあります。
片頭痛の治療
病院では薬物療法としてトリプタン製剤、エルゴタミン製剤などが用いられます。
この他に鎮痛薬としてNSAIDs、アセトアミノフェンなどが用いられることもあります。
食生活を改善して片頭痛を治す
片頭痛を治すための後藤先生が推奨する食生活をご紹介します。
油に注意する
良い油を摂り、悪い油を摂らないようにすることは活性酸素を発生させる体質を改善するためにとても大切です。
⇒健康によい油は?おすすめの油でがんやアレルギーを予防する!
積極的に摂るべき油
以下のオメガ-3系脂肪酸を含む油や食品を摂るようにします。
シソ油(エゴマ油)、亜麻仁油、青魚、クルミ、麻(実)、大豆、枝豆、いんげん豆、葉物野菜(微量)
避けたほうがいい油
工業的に加工された植物油にはトランス脂肪酸という非常に危険な有害物質が含まれています。
マーガリンやショートニングはトランス脂肪酸が含まれる代表的な物なので避けましょう。
他にインスタント食品やお菓子、ファーストフードの揚げ物、冷凍食品、市販のドレッシングやマヨネーズなど加工食品に多く使われているので、これらをなるべく控えるようにします。
また必須脂肪酸のリノール酸は体に必要なものですが、普通の食生活をしていれば十分摂取でき、加工食品を食べると摂りすぎになってしまいます。
マグネシウムを摂る
牛乳や乳製品などカルシウムが多くマグネシウムが少ないものを摂るとバランスがよくありません。
マグネシウムの欠乏は片頭痛の前兆や血管の収縮をもたらします。
片頭痛の人は食品だけでは間に合わない可能性があるので、1日200~400mgをニガリや酸化マグネシウム水溶液で追加摂取することが推奨されています。
下痢する場合は摂りすぎなので量を減らします。
水酸化マグネシウムはスイマグがお勧めです。
スイマグはそのまま飲めばマグネシウムの補給ができ、水(180ml)で飲めば緩下剤となる効果があります。
⇒スイマグ
マグネシウムを多く含む食品は、わかめや昆布等の海藻類、味噌や納豆など大豆製品、アサリ、ハマグリなどの貝類、干しエビ、しらす干し、イワシの丸干しなどの乾物、むきゴマ、ぎんなん、くるみなどの種実類、インゲン、そら豆、あずき、エンドウなどの豆類、ひえ、ライ麦、そば、玄米、粟(あわ)などの穀類、バナナ、アボカド、ホウレンソウ、にんにく、ごぼうなどの果物や野菜です。
ビタミンB2を摂る
ビタミンB2を1日400mg投与するビタミンB2療法を行うとミトコンドリアの機能障害が治り、片頭痛を訴えた人の約6割に効果があったそうです。
ビタミンB2は豚のレバーなどに多く含まれますが、ビタミンB2療法は食事からの摂取では間に合いません。
そこで体質改善されるまではサプリメントを摂取します。
体質が変わって酸化ストレスが改善されれば食品からの摂取でも十分になるそうです。
↓1粒で100mg摂取できます。
ビタミンB2を多く含む食品は、牛、豚、鶏のレバーやハツ、うなぎ、うに、すじこ、サバ、ズワイガニ、納豆、いくら、たらこ、卵黄、まいたけ、モロヘイヤ、のり、煎茶の茶葉、唐辛子などです。
セロトニンを増やす食品を摂る
セロトニンを増やすためにはトリプトファンを多く含有している食材を食べることが大切です。
そば、サトイモ、ジャガイモ、ゴマ、クルミ、カシューナッツ、ヒマワリ、ココア、キウイフルーツ、柿、にんにく、にら、ブロッコリー、もやし、たけのこ、春菊、アスパラガス、枝豆、えのきだけ、しいたけ、あまのり、昆布、カツオ、マグロ赤身、あみ、うに、しじみ、鶏レバー、卵黄などはお勧めの食品です。
控えたい食べ物はトウモロコシ、はと麦、小麦、小豆、インゲン豆、アーモンド、落花生、牛肉、チーズで、小麦から作られるパンや麺類も含みます。
腸内細菌叢を改善する
腸内環境は健康に大きく影響します。
以下を参考にしてください。
⇒腸内環境を改善する食事 腸に良い食事 腸内細菌 腸内フローラについて
⇒腸にいい食べ物は?腸内細菌を意識した食事で健康になる
運動する
運動をして筋肉量も増やすことも脳内セロトニンを増やすことにつながります。
また有酸素運動をすることはミトコンドリアを増やすことにつながります。
注意するもの
ミトコンドリアを減らしてしまうものとして、抗生物質、アスピリンが挙げられています。これらを安易に服用するのはやめましょう。
個人差がある
片頭痛になっている人にも個人差があり、不足しているものも個人により違います。
本で紹介されている体験談では、ビタミンB2のサプリを飲んでも効果がなかったがマグネシウム水溶液と万能健康ジュース(レシピや作り方は本を読んでください)を飲むようにしたら片頭痛が劇的に改善したというものがありました。
西式甲田療法
西式甲田療法では、片頭痛が完治した例が多数報告されています。
実行する場合、必ず専門家の監視下で行ってください。
⇒難病 原因不明の病気が治る西式甲田療法とは 少食 断食の効果について