パーキンソン症候群、パーキンソニズムとは何か、パーキンソン病との違い等について解説します。
パーキンソン病の特徴的な症状である安静時振戦(震え)、筋肉のこわばり、動作緩慢・無動 、姿勢反射障害などの症状をパーキンソニズムといいます。
⇒パーキンソン病とは 原因 症状 治療 グルタチオン療法と食生活について
パーキンソン症候群はパーキンソン病ではないものの、パーキンソニズムがみられるというものです。
パーキンソニズムという言葉はパーキンソン症候群と同様の意味として用いられることもあります。
パーキンソン病との違い、特徴
症状が左右対称に出る、進行が早く早期から転倒したり認知障害や強い自律神経症状が現れる、抗パーキンソン病薬であるL-ドーパの効きが悪い、などがパーキンソン病とは異なるパーキンソン症候群の特徴です。
また震えは少なく、姿勢は直立ですが歩行障害など下肢の症状が強い傾向があります。
パーキンソン症候群の原因
薬剤性パーキンソニズム
薬が原因の薬剤性のものが全体の約20%を占めます。
抗精神病薬、抗うつ薬、降圧薬、免疫抑制薬、抗てんかん薬など様々な薬がパーキンソニズムを起こす可能性があるので、医師に症状を伝える際に服用している薬を伝えることはとても重要です。
脳血管性パーキンソニズム
脳梗塞は高血圧、糖尿病、脂質異常症などによる動脈硬化が主な原因となるので、治療に加えて生活習慣の改善も必要となります。
正常圧水頭症
正常圧水頭症による脳の圧迫が原因となるものです。
⇒水頭症とは 先天奇形・後天性 正常圧水頭症の原因 症状 治療について
中毒性パーキンソニズム
一酸化中毒、マンガン中毒などが原因で起こるものです。
脳炎後パーキンソニズム
フォン・エコノモ脳炎、日本脳炎で起こるものですが現在はほとんどみられません。
変性疾患
皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症などの病気が原因となるものです。
参考文献
「スーパー図解 パーキンソン病 (トップ専門医の「家庭の医学」シリーズ)」
村田美穂 著
「病気がみえる 〈vol.7〉脳・神経」
医療情報科学研究所 (編集)